ワイ「占いを信じるタイプですか?」
助手「そうね。毎朝テレビの占い見てるよ。」
ワイ「ちなみに当たりますか?」
助手「結構当たってる気がするね。」
ワイ「メモで割合を記録してます?」
助手「そんなことするわけないでしょ。面倒臭い。」
ワイ「それって、当たってる気分になってるだけかもしれませんよ。」
助手「そんなわけないよ。結構当たってると記憶してるもん。」
ワイ「人間って自分に都合よく物事を見ちゃいますから。だから当たっていると言う印象だけが積み重なってしまいます。」
助手「そんなことないよ。」
ワイ「けれどそれって感覚ですよね。数値で示せないでしょ?」
助手「嫌味な言い方。」
ワイ「もしメモで記録をつけていれば、当たっている割合なんてたかが知れていると思います。」
助手「そうかな。」
ワイ「しかも占いで言われることなんて抽象的ですよ。あなただけじゃなく多くの人に当てはまるような内容でしょ?」
助手「そんなことないと思うけど。」
ワイ「いわゆるバーナム効果ってやつです。」
助手「バーナム効果?」
ワイ「例えば『とてもロマンチストな一面があるあなた』と言われたらどう感じますか?」
助手「私はロマンチストだからその通りだと思うわ。」
ワイ「私もロマンチストですから同じように思います。」
助手「アナタがロマンチストだなんてあり得ない。」
ワイ「自分がどう感じるかが大事なので客観評価は関係ありません。ちなみに血液型は何型ですか?ガタガタ?」
助手「失礼ね。AB型よ。」
ワイ「血液型占いの結果、恋に落ちたら一途なタイプのようですよ。」
助手「当て嵌まってるわ。やっぱり占いって当たるじゃん。」
ワイ「ちなみにこれはA型男性の結果なんですけどね。」
助手「何トラップ仕掛けてんのよ。」
ワイ「このように、誰にでも当てはまりそうなことをそれっぽく伝えるだけでマインドコントロール終了です。」
助手「確かに。」
ワイ「そのような問いかけをされると『私のことだわ』『見抜かれているわ』と感じて、より一層信じ込む土壌ができあがり。」
助手「多数に当てはまることでも『自分のことを言われてる』と思うことがバーナム効果ってことなのね?」
ワイ「そうです。」
助手「じゃあ占いは信じるなってこと?」
ワイ「そうは言ってませんよ。盲信的になるのはどうかと思いますけどね。」
助手「じゃあ信じていいの?」
ワイ「占いは心理誘導と一緒です。カウンセラーがやることと変わらないと思いますよ。」
助手「占いとカウンセラーは違うと思うけど。」
ワイ「その人に寄り添い導くという意味ではやってることは一緒です。」
助手「どう言うこと?」
ワイ「いずれにしても心の迷いや悩み、サポートを必要とする心理状態ですよね?」
助手「そうだね。」
ワイ「その人が自分の道を進むために、判断や行動を後押ししてくれる役割があります。」
助手「占いも自分の後押しをしてくれてる役割ってこと?」
ワイ「そうです。占いの結果を待つのではなく、その結果に繋がる行動を起こすための呼び水なのです。」
助手「確かに占いを見たあと、意識的に行動に気をつけたりするね。」
ワイ「テレビで『獅子座のあなたは、相手からの助言に耳を傾けるようにしましょう』と言われれば、そのように取り組むでしょ。そうすれば人間関係が円滑になるのは当然です。」
助手「占いはただ漫然と結果を待つんじゃなくて、自分の行動を変えるきっかけにしないといけないってことよね。」
ワイ「そうです。その日々の繰り返しが自分の行動を正常化してくれるってことですね。」
助手「ちなみに今日のアナタはどんな占いだったの?」
ワイ「今日は『積極的にアプローチをしてみて。片想いの恋が進展するかも。』でした。ぜひ頑張りたいと思います。」
助手「アナタ、片想いの人っていたっけ?」
ワイ「え?私に片想いしている人がいるのかと思っていました。」
助手「一回心理カウンセラーに診てもらったほうがいいよ。」