初めての宿題を投げ捨てた我が子

記事
コラム
もうすぐ入学式。
毎年この時期になると、ぐちゃぐちゃに丸めて投げ捨てられた
我が子の宿題のことを思い出します。


入学式からほどなくして宿題が出ました。
幼稚園の時には出なかった宿題に、ちょっとオトナな気分を味わった
に違いありません。
(新1年生のやる気はどの子もすごいのです。
先生曰く、このパワーは夏休みを境に下降していくらしい)


初めての宿題は3つ。
①靴を揃えること
②手洗いうがいをすること
③鉛筆を削ること

画用紙に印刷された表で、毎日できた項目に〇印を入れます。
それを先生がチェックして帰りに渡されます。


うちの子もそれはそれはやる気をもって取り組んでいました。
が、事件は初回の先生のチェックで起こりました。

こともあろうか、ご褒美シールが貼っていないのです。
みんなの様子からシールがあることはわかっていたのですが、
「ママと一緒に見よ♡」と思ったらしく、教室で中を開かずに
持ち帰ったのでした。


「せっかくやったのに!」と床にひれ伏さんばかりの大号泣。
怒りのあまりぐちゃぐちゃに丸めて、ぽいと放り投げてしました。
ぽつんと床に転がった画用紙のボールは、子どもの気持ちそのもののようでした。

大人の私としては「あらら、先生忘れたな」「忙しかったんだろうなぁ」
とすぐに想像することができますが、子どもにとっては人生初の宿題に
本気で取り組んだ結果がこれなのです。
絶望・・・ですよね。


そういう時は傾聴の出番。
感情の部分に寄り添って丁寧に話を聴きます。
(「先生忘れちゃったのかもよ」は、すべて感情を出し切った後に
「ママはこう思う」という形で伝えます)

すると不思議なもので、ではこれからどうしようかという道筋を
自分で決め始めることが起きました。

丸められた画用紙を広げてしわを伸ばし、図鑑で重しをして形を
戻す試みをしました。

そして「シールがなくて悲しかった」を先生に言いたいけど
自分ではうまく言えないから、ママに連絡帳に書いてほしいと。


涙のあとをうっすら残しながらも、困難を乗り越える一連の様子を
横で見せてもらい、私には感慨深い1日でした。


翌日、シールを2倍増しでもらってきまして笑顔の帰宅でした。
連絡帳には先生からの丁寧な謝罪文。

私もしょっちゅう忘れ物があるので、謝罪なんてとんでもない!
と思ったのですが、
「やる気に満ちたこの時期に悲しい気持ちにさせてしまったこと」
を謝られていた先生に小学校生活スタートから信頼を持ちました。


あの春の日から数年がたち、子どもにあの衝動的な怒りの表現方法
(つまりは癇癪です)が見られなくなったなぁと感じています。
言葉で表現するという能力が、少しずつですが着実についてきています。
年齢とともに、家庭内が平和になってきました(笑)









サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す