【これで大丈夫】小論文の正しい構成とポイント

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受験前に本や新聞を読んだり、テレビを見たりして知識を蓄えても、肝心の文章構成につまずいてしまったら、あなたの蓄えた素晴らしい知識も台無しになってしまいます。しかし、よく構成された小論文では

・一貫した流れで読者に読みやすい
・あなたの意見がはっきりわかる

などの、メリットがあります。しかし、構成を怠ってしまうとどんなに素晴らしい考えでも、それが伝わりにくい不格好な小論文になってしまいます。小論文の流れをおさらいして、メリハリのある文章を書けるようになりましょう。

意識すべきは英文のような文章構成で

小論文の構成においてもっとも参考になるのは英文の構成です。なぜ、英文の構成がもっとも小論文の参考になるのかというと、英文の構成は文章をわかりやすく伝えるためにもっとも優れているからです。英文の特徴として挙げられるものは「結果から伝えている」という点です。

現代文など読んでいると、作者の主張は最後に主張されることが多いです。対照的に英文というのはまずは結果から主張することが多いです。なぜ、結果から主張する方が良いかというと、読者にとっては結果から分かる方が文章として読みやすいからです。よく文章を書くときに起承転結を意識して書くように言われることがありますが、小論文では、まず筆者としての賛成か反対なのかなどの、筆者のスタンスをはっきり読者に示すことで、読者は筆者の立場を理解し、その前提のもと小論文を読み進めていくことができます。つまり、小論文の着地地点を設けることで、安心して読み進めることができます。

では、ここで2つの文章を比較してどちらの文章の方がわかりやすいか考えてみましょう。

問題文:テクノロジーの発達が人間社会の豊かさに及ぼす影響について、どのように考えるか述べなさい。(東京女子大学)

文章A:インターネットは非常に便利である。近年、私たちの生活においてなくてはならない存在になった。ラインではまるで、話し相手が隣にいるような速度で会話が可能になり、Twitterでは有名人の私生活の一部を覗くことができる。インスタグラム では若者の流行をリアルタイムで知ることがでことができるだけでなく、フォロワーとの私生活の共有も可能である。
インターネットでは様々な情報が錯綜し、ときには情報過多に陥ることがある。なので、何が必要な情報で、何が不必要な情報なのか判断しなかればならない。
またインターネットでは匿名投稿でも可能になっているので匿名によるインターネット上でのいじめや投稿なども横行している。SNSで有名人が匿名被害に遭い、自殺してしまったこともある。なので、私たちはインターネットモラルを養う必要がる。
以上の点おいて、私たちはインターネットの弊害を理解して利用しなければならない。

この文章、一見「インターネットは非常に便利である」と主張しているので良い文章であるように見えますが、まとめに「私たちはインターネットの弊害を理解して利用しなければならない。」と文頭の主張と文末の主張が異なっているため、筆者が読者に何を伝えたいのかわかりません。さらに、例として上げているものも、非常に多いのでどこを最も主張したいのかも把握できません。読者も最初と最後で意見がすれ違ってしまって、読んだ後に違和感を覚えてしまいます。

続いて、文章は構成がしっかり練られているものです。

文章B:私はテクノロジーはこれからも人間社会に良い影響を及ぼし続けると考える。しかし、社会はテクノロジーに依存するだけなく、危険性を理解して共生していく必要がある。
テクノロジーが私たちに与えてきた影響として挙げられるものは、インターネットである。近年インターネットの発達により、私たちの生活は非常に便利になった。アマゾンで商品を購入すれば翌日には自宅に発送されていたり、わからないことはGoogleで検索すれば答えが出てくる。しかし、インターネットに過度に依存してしまうことによる、デメリットもある。例えば、インターネット上の全ての情報において信憑生があるわけではないということだ。匿名の投稿やブログ、マスメディアによる巧妙に思想を誘導するような記事など、インターネットを利用する上で基本的な教養を備えていないと、信憑性のない情報を鵜呑みにしてしまう可能性がある。故に、インターネットを利用する際はその情報の正誤を判断できるような教養を養った上で、インターネットを利用する必要がある。
以上の点において、テクノロジーは私たちの生活をこれからも助けてくれる一方で、ユーザーである私たちがテクノロジーに対するモラルを養う必要がある。

この文章では「テクノロジーはこれからも人間社会に良い影響を及ぼし続けると考える。しかし、社会はテクノロジーに依存するだけなく、危険性を理解して共生していく必要がある。」と文頭に主張されています。その具体例として、インターネットの利便性について挙げました。その一方で、インターネットの情報の信憑性についても論じ、ユーザーにもモラルが必要であると主張もしています。文末では「テクノロジーは私たちの生活をこれからも助けてくれる一方で、ユーザーである私たちがテクノロジーに対するモラルを養う必要がある。」と文章を締めくくられています。詳しく、この文書の構成について解説をつけたものが、下記の文章です。

文章B:(筆者の意見)私はテクノロジーはこれからも人間社会に良い影響を及ぼし続けると考える。しかし、社会はテクノロジーに依存するだけなく、危険性を理解して共生していく必要がある。
(具体例)テクノロジーが私たちに与えてきた影響として挙げられるものは、インターネットである。近年インターネットの発達により、私たちの生活は非常に便利になった。アマゾンで商品を購入すれば翌日には自宅に発送されていたり、わからないことはGoogleで検索すれば答えが出てくる。しかし、インターネットに過度に依存してしまうことによる、デメリットもある。例えば、インターネット上の全ての情報において信憑生があるわけではないということだ。匿名の投稿やブログ、マスメディアによる巧妙に思想を誘導するような記事など、インターネットを利用する上で基本的な教養を備えていないと、信憑性のない情報を鵜呑みにしてしまう可能性がある。(具体例のまとめ)故に、インターネットを利用する際はその情報の正誤を判断できるような教養を養った上で、インターネットを利用する必要がある。
(文章のまとめとしての読者の意見)以上の点において、テクノロジーは私たちの生活をこれからも助けてくれる一方で、ユーザーである私たちがテクノロジーに対するモラルを養う必要がある。

この文章では文頭から、文節までブレることなく「テクノロジーは便利だけど、それに依存し続けるこちは危うい」と主張し続けています。最初の文章から、最後まで主張がブレることないので読者も筆者の意見をはっきり理解できたのではないでしょうか。このような文章の構成を意識して書くことで、あなたの意見が教授に明確に伝わりやすい、一貫性のある文章が書けるので、是非参考にしてみてください。

次回のブログでは、どのようなメソッドを使えば、良い構成の文章が書けるのか解説していきます。


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