1.自分へのご褒美
「自分へのご褒美」
最近、よくこの言葉を目にしたり、耳にする機会が増えたように思いますが、あなたはどう思いますか。
この言葉はとても魅了的な響きがあります。
雑誌はホームページで、女性ならアクセサリーやバッグ・服、男性ならゴルフクラブや腕時計などが取り上げられています。
自己へのご褒美は、モチベーションを高め、目標に向かって努力するための重要な要素です。
また、頑張った自分をねぎらい、次の目標へ進む原動力にもなります。
2.ご褒美への依存
しかし、ご褒美に依存しすぎることは、いくつかのリスクを伴います。
まず前提として、ご褒美がないと頑張れない人は、本来やりたくない事をしている可能性があります。
そして、ご褒美欲しさが目的になってしまいます。
わかりやすい例をあげると、親が子供に「テストで良い点を取ったら、好きなゲームソフトを買ってあげる」ことにしました。
本来なら学力を身につけるための勉強が、ゲームソフトを手に入れるための手段になってしまいます。
だから、ゲームソフトを買ってもらえないなら勉強しないとか、テストで良い点を取るためにカンニングするといった行動を選択するようになります。
つまり、ご褒美が主になり、本来の目的がおろそかになってしまいます。
3.ご褒美はエスカレートしていく
それから、ご褒美がエスカレートしていく危険性もあります。
最初は少額のもので満足していたのが、より高額な物になっていく。
アクセサリーや腕時計のようなものだと、最初は数万円のものが次第に数十万円、やがて数百万円へとより高額な物でないと満足できなくなってしまいます。
こうなると、高額な物をローンで購入し、その返済のために働くようになっていきます。
これでは本末転倒ではないでしょうか。
4.行為そのものに喜びが感じられること
自分へのご褒美とは、本来やりたくない事を我慢しておこなうための、自分への動機づけになります。
だから、そのやりたくない事自体を見直してみましょう。
理想は、異動や転職により、少しでもやりたい事に近づける努力をすること。
それが難しい状況なら、今の仕事のなかに小さくても良いのでやりがいや達成感といった喜びを見出すことです。
今の仕事という行為そのものに、働く意味や価値を見出してください。
そうしないと、益々仕事が嫌いになり、それが理由で益々高価なご褒美が必要になります。
決して、自分へのご褒美を否定しているわけではありません。
ただそれが無いと頑張れないという状態なら、今の仕事や働き方を見直す必要があります。
そして、物以外のご褒美、達成感、充実感、やりがいといった精神的なご褒美を得るように変えていきましょう。
それが本当のモチベーションになります。