「鉄」私は足りてる? 確認方法
鉄分摂取が不足するのは、何か病気がない限り「月経がある女性」。
なぜなら、基本的に鉄は不足しないから。
『血液中で酸素を運ぶために必要』という大役を担っている鉄は、肝臓に貯蔵分をもちながら、摂取した一部だけ(1mg/日程度)を排泄・吸収して代謝しています。不足してくると、腸が鉄の吸収力をアップする、というバックアップ機能もあり。
多少でも鉄が含まれる食材を食べていればチクチクと貯蔵され、足りないことはないわけですが、月経ではなんと、30mg/月(個人差が大きい)も排泄されてしまうのです。
よって、月経がある女性の必要量が多くなっているため、かなりがんばらないと不足してしまう、というわけですね。
「貧血」の人は健診なりで指摘され、自覚している方も多いのですが、二人に一人は貯蔵されている鉄が不足している「かくれ貧血」とも言われています。
めまい、たちくらみ、動機・息切れ、集中力低下、蒼白(顔が青白い)、倦怠感、耳鳴り、口角炎、口内炎・・・という貧血症状だけでなく、疲れやすい、イライラする、なども鉄分不足かもしれません。
日本人が1日にどれくらい摂取すべきなのかは、膨大なエビデンスに則り「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」で定められています。
その摂取推奨量と、鉄含有が多い食材(1食分)のリストをまとめました。
蓄積されるミネラルなので、1週間単位で1週間分の必要量が摂取できているかどうかをみれば、大丈夫ですよ。
鉄の「推定平均必要量」と「推奨量」
鉄については、表題2つが定められています。
①「推定平均必要量(mg/日)」
対象集団において50%の人が必要量を満たすと推定される量(50%は満たされない)
男性:6.5
女性:月経なし5.5 月経あり9.0
②「推奨量(mg/日)」
対象集団においてほとんどの人(97~98%)が充足するとされる量
男性:7.5
女性:30~49歳 月経なし6.5 月経あり10.5
50~64歳 月経なし6.5 月経あり11.0
鉄摂取できてる? がわかるリスト
まず最初に補足です。
私たちが摂取できる鉄は、2種類あります。
ヘム鉄:動物性の食品の肉や魚に多い 吸収率50%
非ヘム鉄:野菜や大豆など主に植物性食品に含まれる鉄 吸収率15%
(「日本人の食事摂取基準」2020年版)
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)に示されている「推奨量」は15%吸収を想定していますので、ヘム鉄ならなお良しですが、単純に足し算して過不足を確認していただいて大丈夫です。
といっても、鉄含有量が多いのは、圧倒的に動物性食品なんですけどね(^^;)
では、ご確認ください!
いかがでしたか?
月経時は貯蔵鉄を使わざるを得ないから、イメージは「日々、肝臓に鉄を溜めておく(貯蔵鉄)」ですね。
月経あり女性の推奨量11mg/日として、1週間に摂取したい量は、
11.0mg×7日=77.0mg/週
実は、日本人の鉄摂取源は、
豆類→野菜・穀類→調味料・香辛料→肉類。
週に1~2回、あさり、牛肉、レバー類など、鉄分が多い動物性の食品を食べることを習慣化をすると、かなり摂取量が増やせそうですね。
ただし。
そもそも月経量が多い、閉経前後で出血量が多いことがある、などで追いつかないこともあるので、当てはまる症状がある場合は、一度医療機関を受診してみるのもおススメです。
「フェリチン検査」をしてくれる病院を探すと(やっている病院とやっていない病院がある)、「かくれ貧血」の有無を確認できます。
さて、最後にまたいくつか、補足です。
〇今の「ひじき」は鉄分が少ない
昔は鉄窯で茹でて乾燥させていたので鉄分が多かったのですが、今はステンレス鍋がほとんどなので、鉄の含有量は少ないです。
〇一緒に食べると鉄の吸収が促進される
1)動物性たんぱく質
鉄と結びついて腸からの吸収を促進
2)ビタミンC
十二指腸内でビタミンCにより還元作用をうけ、吸収されやすい二価鉄になる
3)クエン酸などの果実酸(梅、レモン、ライム、柑橘系フルーツ、パイナップル、いちご、酢など)
ミネラル(鉄)を包み込んで吸収しやすい状態へ変化させる「キレート作用」がある
4)酸っぱいもの、辛いもの
胃酸の分泌を促して吸収を高める
〇鉄製の調理器具も吸収率が高い鉄が溶出する
玉ねぎを水で煮ると・・・0.08mg
食塩1%プラス・・・0.4mg
ケチャップ15%・・・1.04mg
食酢10%・・・2.26mg
油を使うと吸収率が落ちる
※「調理中に鉄なべから溶出する鉄量の変化」(日本調理科学会誌Vol.36 NO.1(2003)
※「使用年数の異なる鉄鍋を用いた調理中の鉄溶出量と鉄鍋表面の金属元素の化学状態」Trace Nutrients Research 30 : 17−20(2013)
このリストをご参照いただき、今後の食材選びにもぜひ、お役立てください♪
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