昭和40年代後半、週刊漫画アクションに上村一夫の「同棲時代」が連載され、当時の若者の間で大ヒットとなりました。イラストレーターの上村一夫は数回で終了するつもりだったらしいのですが、内心不本意ながらも連載を伸ばすことになったらしいです。
割烹でバイトしていたある日、夜中の仕事上がりに一番町にあった松竹に、映画化された「同棲時代」を観にいきました。当時は土曜の夜から明け方にかけて、ほとんどの映画館でロードショーをやっていた時代です。
映画化は仲雅美と由美かおる主演で上映されました。今でこそ同棲は当たり前のこととなりましたが、当時は世間からタブー視されていて、親が知ったら腰を抜かすほどのものでした。社会の片隅で目立たぬようにひっそりと暮らしていたのです。
「愛はいつもいくつかの過ちに満たされている」というナレーションから始まる大信田礼子が歌った同名の曲も、大ヒットとなりました。
二人はいつも 傷つけあって暮らした
それが二人の愛のかたちだと信じた
できることならあなたを殺して あたしも死のうと思った
それが愛することだと信じ 喜びにふるえた。
愛の暮らし 同棲時代
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ナレーション
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愛はいつも
いくつかのあやまちに満たされている。
もし愛が美しいものなら
それは 男と女が犯す
このあやまちの美しさに
ほかならぬであろう。
そして 愛が
いつも涙で終わるものなら
それは 愛がもともと
涙のすみかだからだ
次回に続きます。