周易古占例 (42)病筮、(43)痢病の治効の占

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天元春日  周易古占例 22

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。
【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(22)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(42)は病筮、(43)は痢病の治効 の占例です。

(42)ある人、病筮を先生に請う。
噬嗑不変
占にいわく、この病人は積気胃膈に上りて熱あるの象なり。
震を積気とし、上り進むとし、離を熱とし上卦にあり。
ゆえに胃痛の位とするなり。
ただしこの病人は食毒より発するならん。
頤中に物あるを噬嗑という。これ口中に食あるの象なり。
今その毒中脘にあり。
また爻卦を見れば中卦坎の主爻に坎を配し、初上に震を配し二、三、五に兌を配したれば熱ありといえども、その因は酒肉と寒湿より生ずる病なり。
爻卦坎を酒肉とし、また寒とし、兌を温とす。
清解の薬は適当ならず。治方は小建中湯に大黄附子を加用して加用して可ならんという。
噬嗑の四爻は、坎の主爻にして坎を食とし、毒としまた爻卦に坎を配すれば、益その毒より熱生ず
ることを知る。これを下して陰爻となれば頤となりて病治することを知る。
これ生卦法という。別説あり。その薬を用いること一月ばかりにして全癒す。

(43)一男痢を患うこと数日諸治効なし。因てこれを筮して
占にいわく、蒙は山より水流れ下るの象。病に取れば下痢とするなり。
原(たずね)るに爻卦その初、三、四、五の爻みな離を配すればこれ熱焼く象なり。
かつ上卦、艮を止むとしその爻卦艮を配し、また下卦坎の主爻に艮を配して上下ともに離
熱を止包むの意あり。
ゆえに治方は先(まず)廃散剤を用い、のち調和の剤を用いて可ならんと告ぐ。
ゆえに麻黄湯を用ること十貼。
余一夜大に汗出熱あり。痢もまた半を治す。
因て転じて真武湯を用ること七日にして全癒。
※出典 真勢中州『占験諸例』(写本復刻)文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。
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