外国語を勉強するために、ネイティブの語学教室にが多く見られます。
もちろん、ネイティブの人が使っている発音を生で聞くことは重要です。
しかし、ある程度なら無料で独学でも勉強できるので、その方法をご紹介します。
もちろん、生の体験というものにはかないませんが、ある程度準備してからの方が効率よく学べると思います。
独学でできること
1.文字、単語を覚える。
語学の勉強するのに、まずどのような文字が使われているかを知りましょう。
現在はインターネットがあるので、文字さえ入力出来れば、単語の意味はわかります。
使われる文字さえわかれば、Google翻訳で知らない単語を調べることができます。
なので、例えばハングルやロシア語など独特な文字を使う場合は、文字の入力方法を知っておく必要があります。
ネットでなくても、図書館で語学関係の本がたくさんあるので、「どこから勉強すればわからない」という人はそこから入るのもよいです。
2.発音を聞く。
現在はYouTubeというものがあるので、調べれば出てくるでしょう。
Google翻訳でも外国語を入力すると発音してくれます。
また、図書館の本でも、CDがセットになっている場合があります。
3.文法を覚える。
これもネットや図書館で調べれば解決できるでしょう。
独学でできないこと
1.リアルタイムでアクションする
独学では時間がいくらかかってもよいですが、会話はリアルタイムで行われます。
学習していると、語学だけに限らず「頭では分かっているけど実行できない」という状況はあるので、練習が必要です。
よく「文法、単語を全部理解しなければ実践できない」という完璧主義に陥る人がいますが、あらゆる文法、単語を網羅することは不可能です。
日本語ですら完璧に使える人はいないのに。
というわけで、ある程度独学が終わったら練習しまくりましょう。
2.特定の言葉を使う状況を知る。
例えば、英語の授業で聞き返すときには「Pardon?」と習いますが、実際には「Sorry.」や「Sorry, what?」などが使われることが多いそうです。
日本語でたとえると「いとをかし」と言うと、通じる人には通じますが、「とても面白い」の方が日常でよく使われますよね。
「それ他の言葉でいいだろ」みたいな……。違うか。
このように、実際によく使われている言葉は、生の声を聞かなければわかりません。
ただし、YouTubeやネットなどで「日本で習うこの英語は間違い」というようなコンテンツや、実際に会話している動画もあるので、ある程度は予習できます。
3.自分の発音、文法が正しいかを確認する。
後述しますが、フィードバックこそ最強のツールです。
いくら発音ができても、相手に通じなければ会話は成立しません。
自分が正しい言葉遣いができているかどうかはネイティブの人に聞いてもらいましょう。
現在はTwitter、Facebook、LINEのオープンチャットなど、外国人の人と簡単につながれるので、ぜひ使いましょう。
自分の言葉遣いが通じればそのまま使い、通じなければどこがよくないか教えてもらいましょう。
最強の外国語勉強法
ここからは、語学勉強法全般で使える5つのポイントを、第二言語習得論という分野から解説します。
1.距離が近い国の言語ほど習得しやすい
これは日本人が英語を学びにくい一つの要因だったりします。
例えば、日本人は韓国語を学びやすいです。
なぜなら、
・子音+母音、または母音のみの語で構成されている
(ただし、韓国語ではカン、サン、タン、…、などが一語で表せたりします)
・助詞(て、に、を、は)を付ける必要がある
・動詞の活用の仕方
(「~です」を付けたい場合には「~ヘヨ」を付けるだけでよい、など)
・二人称三人称の活用形がない(フランス語、スペイン語などの動詞は、三人称だけでなく二人称の活用形も変わります)
・男性名詞、女性名詞がない(逆に、フランス語、ドイツ語、イタリア語には男性名詞、女性名詞というものがあり、それぞれに適した定冠詞(英語で言えばthe)を使わなければならない)
など、日本語とルールが似ているからです。
自分も韓国語を調べてみたのですが、ハングルの文字、発音、単語だけ覚えれば、文法は日本語に似ているので簡単でした。
一方で、英語の場合は動詞が文の最初の方に出てきたり、修飾語を後ろにつけたり、文法が日本語とかけ離れているので、日本人にとって英語は難しい、というわけです。
これは、日本がヨーロッパから一番遠い地域だからという理由が挙げられます。
人類はアフリカ大陸から発生し、ヨーロッパへ移動し、次第に日本にたどり着きました。
言語もどんどん変わっていき、ヨーロッパから一番遠い日本で、独特な進化を遂げたのが日本語です。
だからと言って「日本人に英語はできない」と言うわけではありません。
以下の方法を使えば、効率的に習得できると思います。
2.外的動機づけよりも内的動機づけの方が習得しやすい
外的動機づけとは、ご褒美など外側からの要因を頑張る理由にすることです。
例えば、テストでいい点を取ったらお小遣いが貰えるので頑張る、褒められるから頑張る、などは外的動機づけです。
一方、内的動機づけは、好奇心など自分の内側からの要因を頑張る理由にすることです。
例えば、外国人と話がしたいから、外国の文献を読んでみたいから、などは内的動機づけです。
そして、外的動機づけよりも、内的動機づけの方が強く、成績が上がりやすくなります。
外的動機づけの場合、ご褒美がなければ頑張れなくなりますが、内的動機づけの場合、ご褒美がなくても頑張れるからです。
なので、まず目標を設定すると思いますが、内的動機づけの目標にするとよいでしょう。
3.気付き
これは言語に限らず他の学習にも言える事ではないでしょうか?
気付くことは学習の第一歩です。
例えば「三人称のときには s をつける」「smile と laugh ではニュアンスが違う」などです。
数学で言えば「2 × 3/2 = 3」と「2 ÷ 3/2 = 4/3」が違うようなイメージです。
「どっちも同じじゃん」と思った瞬間に学習がストップすると思ってください。
言語の場合は全く同じ意味で使われるのもありますが、状況によって言葉を使い分けることが多々あるので、「この状況ではこの単語を使う」ということや、「三人称単数現在形のときには s をつける」など、まず気付かなければできないことが多いです。
なので、言語だけに限りませんが、何かを学ぶときには違いを意識することをおすすめします。
4.シャドウイング
シャドウイングは口、耳を使うので、かなり効果的に学習できます。
基本的に、目、耳、口、手は使えば使うほど効果的にインプットすることができます。
なので、「書いて覚える」よりも「書いて発音しながら覚える」方が効果的ですし、「聞いて覚える」よりも「聞いて発音しながら覚える」方が効果的です。
5.アウトプット
ある程度インプットができたら、アウトプットをしましょう。
アウトプットこそが最強の学習ツールです。
なんと、これも言語学習だけに限りません。
インプットだけよりも、アウトプットもした方が気づきは多いです。
「これって英語でなんだっけ?」「s はつける?つけない?」「the は必要?」など、アウトプットするときに色々考えなければなりません。
また、アウトプットによって自分が正しいかどうかを即座に確認することができます。
これをフィードバックといいますが、フィードバックが期待通りのものであれば、それは言葉が通じたということであり、間違っていれば自分の言葉遣いを訂正する必要があります。
アウトプットは
・外国人と話してみる
・外国人とチャットしてみる
・独学した範囲でテストを作る
・誰かに教える
など、様々な方法が使えます。
ぜひ、試してみてください。
補足
・英語を話すのが恥ずかしい
よく聞きますが、これは日本人だけです。
中には「ヘイ!オレハにほんごシャベレルゼ!『スシ』『サムライ』!ホラナ!」というレベルの人もいるので、気にしないでください。
それでも気になるという人がいる人は、もし自分が、日本語がカタコトな外国人を見て恥ずかしいと思うかどうかを考えてみてください。
きっと「一生懸命頑張ってるな」と思うはずです。
頑張って英語を話そうとしているあなたも同じように見られているはずです。
・結局才能なんでしょ?
正直才能の部分もあります。
例えば、脳には自分が間違いを犯したときに活性化する部位が2つあります。
一つは、自分が犯した間違いに気づいたときに活性化する部位です。
もう一つは、その失敗から学ぼうとする部位です。
そして、学習能力が高い人は、低い人よりも失敗から学ぼうとする部位が活性したことが分かっています。
どうすれば学べる人になるかまでは僕も勉強中なのでわかりませんが、失敗を恐れないのはよいことなので、どんどん挑戦してみればよいと思います。
学習は実践と違い、ノーリスクで行えます。(時間というコストは払いますが。)
参考文献
マシュー・サイド『失敗の科学』
村野井 仁『第二言語習得研究から見た効果的な英語学習法・指導法』
廣森 友人『英語学習のメカニズム』
白井 恭弘『英語教師のための第二言語習得論入門』