家族と絶縁していたときのこと。いいじゃん、絶縁してたって。

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「お前なんか子供でもなんでもねぇ!出ていけ!」

そう怒鳴られながら、玄関先で父に塩をまかれて家を追い出されたのは、2014年4月のことでした。それから2016年1月までの約2年間、私は家族との一切の連絡方法を絶っていた。いわゆる「絶縁」だ。

これだけ聞くと、一般の人は「ひどい親子関係だな」とか、「不良娘、もしくは教育できなかった親なんだろうな」とか、私、ないしは私の家族に悪い印象を持つかもしれない。けど、私は絶縁も悪くないじゃんと思っていて、無理して家にいるくらいなら、いったん距離をおいた方が良いこともあると思っている。

あの時の絶縁するという選択、そして2年間が無ければ、今の最高に仲良しな家族関係はできなかったし、ずっと心のどこかで家族へのわだかまりを持ちながら過ごしていたと思う。

今日は、当時からもう6年前になる、絶縁していた時の事を振り返ろうと思う。

■お嬢様にしたかったけどなれなかった娘

私の学歴。私立一貫の中高にエスカレーター式で入り、そのあと学習院大学に入った。いわゆるお嬢様学歴だ。両親は本気で私をお嬢様にしたかったようで、「門限」があった(しかも夜22時!飲み会があったらまず無理だ)。大学の飲み会で「朝までオール」とかはもってのほかだ。けど悲しきかな、抑えつけられれば抑えつけられるほど、人間って興味を持ってしまうもの。

私は学生時代から飲み会にいっぱい行っては、父に「何やってんだ!お前みたいな娘の親だと思うと俺はもう町も歩けない」とか、「こんなふうに育てたはずじゃなかった」など言われ、怒鳴られ、殴られる事もあった。でも、大学時代の飲み会はとっても楽しくて、やめられなかったので、定期的に飲み会に行っては怒られて、を続けていた。

■不良になった娘

そして、1社目のアパレル会社を退職し、一人暮らししていた社宅を引き払って実家に戻ってきた時。最初こそ適応障害で落ちていたけど、仕事を辞めたら適応障害はすぐ治り、有給期間ヒマだったため、ほぼほぼ毎日飲んではオールしたり、門限を超えて帰ってきたりを繰り返していた。

適応障害で動けなかったせいか、反動で今振り返ってもなかなか遊んでいたと思う。

でも、飲み会で帰ってくるたび、私は父に怒鳴られる。殴られる。自分の存在を否定させられるような罵声を浴びせられる。それが毎晩毎晩すごく嫌だった。当時24歳とかで、なんで自由に生きさせてくれないんだろうと思った。

想像してみて。仲の良い友だちと楽しく飲んで、帰ってきたら毎日怒鳴られ殴られ、否定的な言葉を投げられる。家に帰るのも嫌になる。私は遊んでいる方が絶対に私らしく生きられているし楽しいのに、なんで止められてしまうんだろう。考えているうちに、父との怒鳴られる等のやり取りに限らず、家にいる時間や、父の暴動を止めない母、殴られる私を見て悲壮な顔はするけど何も助けてくれないおばあちゃん、家族というものすべてが嫌になってしまった。

■父との和解を試みたけど全然ダメだった

「なんとか父と良好な関係を築きたい。でも、私は飲み会とか友達と遊ぶのが大好きだ。父も思う事はあるかもしれないけど、きっと話せばわかってくれる。時間をもらって話そう。」

こう思った過去の自分は、30分後に玉砕する。

夕食後、父に時間をもらい、正直に伝えたが、また怒鳴られ殴られがはじまってしまった。

そして、私は「もう無理だ」と思い、当時の彼氏(今の旦那)の家に、小さなトランクケースを持って家出する。挨拶もしないで出ていく予定だったが、父に偶然見つかってしまい、「お前なんか子供でもなんでもねぇ!出ていけ!」と塩をまかれて出ていった。

それから、lineもアカウントを一回削除して取り直し、電話番号も変更。家族と連絡が取れる手段は無くなった。

■それから2年 時間がゆっくり溶かしてくれた

それから2年。

彼氏と結婚する事になり、彼氏から「さすがにもう絶縁はやめて挨拶はしに行こう」とのことで、私と両親の仲介に入ってくれて、2年ぶりに実家に帰る事になった。

怖くて怖くてたまらなかったが、2年ぶりに会う父は穏やかだった。そして、私に会えて嬉しい気持ちがひしひし伝わってきた。

この時に、「距離を置いてよかった」と改めて2年前の決断を良かったと思えた。

■話せばわかる時ばかりではない

一般的には、話したらわかってくれる時の方が多いんだと思うけど、場合によっては、話してもわかり合えないケースも有ると思う。そういう時は、家族だろうが無理せず離れた方がイイと思う。

当時は言えなかったけど、今になって、絶縁していた事を友だちに話すと、私も私も、と、意外といるんだなと思った。

距離を取る事も、有りだと思うよ~。
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