猫のコクシジウム症

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コラム
今回は、猫のコクシジウム症についてです。

日常の診療において遭遇する機会が多い病気です。犬や猫には従来からその存在が知られていて、犬もしくは猫の交差感染性がないことが明らかになっています。

臨床徴候、感染経路、検査及び診断、治療及び予防について記載します。
個人的な私見もありますので、あくまでも参考に。
【感染経路】
感染経路として、成熟オーシストを経口摂取する、非固有宿主を捕食するかのどちらかです。猫の体内では、感染後オーシストが排出されるまでの日数はそれぞれの種によって異なることがわかっています。猫の場合、虫卵排出期間以降の10日前後の糞便検査で検出することができる。

【臨床徴候】

一般的には病原性は低いと考えられている。幼若な時期に感染すると症状が重くなる場合がある。腸炎や、削痩、死亡する場合もある。下痢が多く認められますが、良便でも感染している可能性は否定できません。

【検査及び診断】
糞便オーシストが排出される期間に糞便検査を実施することが望ましい。
下痢などの徴候が発現するのは、オーシストが検出されるようになる2、3日前である。
そのため徴候から疑って糞便検査をしても検出できず、感染の確認ができない場合が多い。
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【治療及び予防】

猫のコクシジウムの駆虫を目的とした認可薬は存在しない。
そのため、犬で認可が得られた「プロコックス」を使用している。プロコックスの成分であるトリトラズリルを0.5ml/kg〜1.0mg/kgの投与で高い効果が得られる。
オーシストの消毒には、熱を加えることが最も良いとされている。
60℃で30分、80℃で1分、100℃で瞬殺です。人への感染はありません。
多頭飼育の場合、全頭投薬が基本となる。

子猫の診察時に糞便検査をすると一定の割合でコクシジウム虫卵を検出します。
そのため複数回の糞便検査が推奨されます。
猫のプロコックス使用の手応えは、かなり良いです。
ぜひ検討してみてください。

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