CPIよりPCE⁉~2つの指数の興味深い違い~

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なぜFEDはPCEデフレーターを重要視するのか?
こんにちは。時事ニュースの解説をしている北海道大学(北大)、札幌在住の玉井大貴です。
本日はアメリカ連邦準備制度理事会(FED)がなぜCPIではなくPCEデフレーターを重要視するようになったのかについてお話をしていきたいと思います。

簡単に結論から言うと、PCEデフレーターのほうがより消費者の動向を示すことに適しているからです。
では、その理由について以下で述べていきたいと思います。

PCEデフレーターは消費者部門のデータから消費価格を割り出し、それを指数の要素として反映させます。
一方でCPIはラスパイレス算式を使うため消費者の真の動向はつかみにくい傾向にあります。
なぜなら消費者が景気が悪いから安いものをたくさん買う、景気が良いから高級品をたくさん買うといった動向が反映されないからです。
ラスパイレス算式については以下の写真をご参照ください。
2-13.png

このように消費者の購買傾向についてまで追求できないCPIは最近の安い商品の購入というトレンドを追えず、結果として上方バイアスがかかっているわけですが、実は上方バイアスがかかっている理由として次のようなものも挙げられます。

CPIは住宅関連価格のウエイトが34%近くと、PCEの2倍以上です。
近年のFEDの利上げから住宅価格は高止まりしており、住宅のウエイトが高いCPIは高く出やすいわけです。

このようにCPIとPCEの違いについて説明してきましたが、以上の違いからFEDは近年、PCEを重要視するようになりました。
具体的には2000年にCPIよりもFRBはPCEを重要視するという宣言をしました。

皆様もCPIだけでなくPCEデフレーターについてもトレンドを追ってみてはいかがでしょうか?
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