フィンランドで、シッターとしてや園で過ごしたり、自身の保育者としての経験から、子どもの主体性を引き出すための大人の在り方をまとめました。
1.よっぽどの危険がない限り、子どものしていることを止めない。
2.子どもを人と比べない
3.安易に答えを言わない。
4.まとめ
1.よっぽどの危険がない限り、子どものしていることを止めない。
といっても、「よっぽどの危険」の基準、難しいですよね。
勝手な感覚ですが、フィンランドの人たちは、日本人より、「よっぽどの危険」と判断することが少ないとは感じました。
例えば、近所の子どもが塀の上や屋根の上を歩いたり走ったりしていて、思わず私が「あ、危ない!」と駆け寄ろうとすると、「彼は大丈夫よ~。自分でできることとできないことがわかっているもの。」と返ってきたことがありました。
また、ボランティアティーチャーをしていた園で公園へ遊びに行ったとき、大型遊具の滑り台から滑らず、横の柵を伝って降りていた年上の子どもを見て、真似をし始めたもう少し年の小さい子どもに、先生は少し不安そうな顔をしながらも、子どもが「助けて」というまでは手助けすることも止めさせることもせず、しかし本当に危険な時はすぐ助けられるように、そばで見守っていました。
一概に「屋根や滑り台からから飛び降りろ」っと言いたいのではなく!
状況によってではなく、その子どもの能力を見極めたうえで、
時には危険に思える場面でも、子どもの判断を「信じ」、「見守って」おられる姿に、
子どもの主体性を大事にするってこういうことなんだ、と感じたのでした。
2.子どもを人と比べない。
人と比べて評価すると、子どもも人と比べてでしか自分を評価できなくなってしまいます。
人と比べるのでなくて、過去の自分と比べて成長したところを褒める。
例えば・・・
「〇〇ちゃんは苦手なにんじんも全部食べはったよ。あんたも食べなさい。」
↓ではなくて・・・
この前までにんじん食べられなかったのに、今日は自分で1口食べられたね!えらいね!」
「〇〇くんはもう逆上がりできるって。あなたも頑張りなさい。」
↓ではなくて・・・
「昨日も今日も逆上がりの練習しているね!あきらめないで何度も挑戦するのがかっこいいよ!」
結果(にんじん食べた、逆上がりが成功した)だけではなく、「努力しているその今の姿」を認めることが大切です。
人と比べないで、自分の成長や良いところを見つけられる力は、自分で自分を認めることができる「自己肯定感」に繋がります。
「人と比べない」と、生きるのがとっても楽になります。私自身、今まで人と比べて生きてきたこと、それが苦しかったことにフィンランドで気づき、人と比べない生き方を模索中です。
3.安易に答えを言わない。
子どもが「あれ?」と思った時「なんで?」と思った時、それは学びのチャンスです。大人が答えないことで、自分で調べてみる力や、答えのない問いに自分なりの答えを見つける力がつきます。
世の中、答えが黒か白かの問題なんて、少ししかありません。
大事なのは、「問題に向かい、自分なりの答えをみつける」こと。
「自分なりの」がポイントです。
「自分がどうしたいのか」「自分で決めて」行動する、これは、フィンランドにいてあらゆる場面で感じることがありました。そしてそれは、よく一緒に遊んでいた近所の5~7歳くらいの子どもでさえ、すでに身についていた力なのでした。
子どもが「なんで?」と質問してきたら、
「なんでやろうなぁ?」と一緒に考えたり、本などで一緒に調べてみたり、
調べる方法のヒントを与えたりできるといいですね。
「答えへんから」と無視をしたり、
冷たい態度を取るのは、子どもの心を傷つけてしまうので、気を付けましょう。
4.まとめ
子どもの主体性を引き出すため、大事だと共通していえることは
「子どもを信じて」、「見守る」ことではないでしょうか。
子どもにとって、安心できる大人が見守ってくれている安心感が、
色んな事に挑戦する原動力になっていると思います。
私は、保育者という「先生」と呼ばれる立場にいますが、
ただ何かを「教える」人ではなく、
子どもにとって、「一緒に」考え、悩む仲間であり、
困ったときに安心して頼れる、良きサポーターであり、
わくわくをと無条件の愛情を与える、安心できる人でありたいなぁと思っています。
さて、フィンランドで過ごす中で、
あくまで私が主観で、こんなことを大事にしているなと感じたことをまとめました。
保育や子育てに100%正しいも、正解もありません。
「絶対こうしなきゃ!」ということはこの世にないですが、何か日々の保育や子育てのヒントになれば嬉しいです。
読んでくださって、ありがとうございました!