生きる道:副業のバイブル ~自分と自分の職業を見直す~①

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ビジネス・マーケティング

●そもそも自分とは?


初めにお断りしておきたいのですが、私も勿論現在は会社員でありまして、人事系に携わってはや20数年余が過ぎ、そして傍らキャリアカウンセラーとして、職業人生の悩みや不安をお持ちの方の支援活動をしております。
故に、この本書の中の表現もどちらかというと、キャリアの職業観や、価値観などに関する表現が多くなり、多少窮屈な感じを覚えるかもしれませんが、ご容赦頂きたいと思います。

さて本題に入る前に、筆者がなぜキャリアカウンセラーとして傍らの活動をしているのかについて、ちょっとだけお話をしてみたいと思います。
先に書きましたとおり、人事に関わる仕事を通算20年以上やってまいりました中で、人(労働者)と企業の関係、すなわち企業の考え方やその対応する姿勢ややり方について、違和感(疑問)を感じ始めたのがそもそものきっかけだったと、分析しております。

ただ、ここでいうところの違和感(疑問)というのは、あくまで筆者が覚えたもの、つまり筆者の価値観からなので、その各企業内での習慣や、規定などについて、反論しようとか否定するようなものではありません。何故なら、「郷に入りては郷に従え」というような、教えを受けてきたからかもしれません。
特に中小企業の場合はなかなか新規採用が難しい(今も昔も)ので、止む無く中途採用で対処するのが大多数だと思います。しかも中途採用とて、上手く採用できてやっとといった状況は、今も昔も変わりません。中には虚勢で、「うちは即戦力になる中途採用しかしない・・」と言われた経営者もおりましたが、本音の部分ではできれば「新卒が欲しい、そして育てていきたい」願望が強くあるはずなのです。

また中小企業の全部とは言えませんが、零細企業のほとんどはオーナー企業(同族会社)ですから、人事権を含め、その全ての決定権は社長にあり、いうなれば、社員を生かすも殺すも社長次第、そんな傾向がどうしても強くなるのではないかと思います。世代交代の時代とは言われつつも、現在もまだまだワンマン経営の会社はたくさんあるのかもしれませんが。中小零細企業にお勤めの方や、その経験のある方は、嫌というほどそれを肌で感じたのではないかと思います。
筆者が依然お世話になった会社でも、前述したようなイメージが相当強い企業形態でした。そうなりますと、やっとの思いで採用した社員といえども、期待したほど能力がないとか、上司の言うことをきかないとか、あるいはミスが意外に多いとか、そのような報告を受け、俗に無能と判断した社員に対しては、即座にそれなりの処理をされていました。ここでいう処理というのは、配置換えや減給・降格処分で、最悪は依願退職を促す(意図は解雇ですが)といったものです。
こんな状況の中でいつも感じた違和感は、結論を出すのにいとも簡単(簡単過ぎる)だということです。それを前向きにどうしていくか、というより例えは良くありませんが、混入した異物の除去処理をどうするか?といった議論が始まるということなのです。
そしてその出された結論の処理を担当していたのも、そう実は筆者なのでした。
どうにもならないワンマン的な組織の中であっても、筆者も当然雇われの身ですから、職務としてその人事(物の処理といった方が正しいかもしれません)にまつわる処理を何度も行ってきました。
しかしながら、その槍玉に挙がった社員には、当たり前ですが個人的には恨み(あるわけないですが)も何もないのですから、それは心中穏やかなはずがありません。時には社長に掛け合い、処分の保留なども求めたこともありましたが、一度決めたことは覆ることなど無かったのです。
そしてその処理をする日(処分を言い渡す)の前夜は、なかなか眠れなかったことを覚えています。今考えてもおぞましいことで、身震いを起こしそうです。

一方、新規学卒者の採用面接をすることもしばしばあって、初々しい学生を目の前にすると、それはもう新鮮で、しかも学生の臭いがプンプン(その様のことです)で、「将来に夢膨らませて来ているんだろうな!」と、こちらも足取り軽く対応に臨んでいました。ところがです、会って話をしてみると、学生の多くはまるで自分が定まっていない(個人差はありますが)、分かっていないということを強く感じたのでした。何をしたいのか、してみたいのか、さえも分からない状態で、就職活動をしているということなのです。
社会人の皆さんがもしそんな学生と対面し、話をしたら、恐らく疑問や呆れ感を覚えることと思います。人によっては「どーしよーもねーな!」とか「最近の学生はなってないな!」って思うかもしれませんね。でもそれが現実なんですね。
その時です、「ビビーッ!」ときたわけです。そう、こういう学生や例えば先の、会社から何かしらの処分を言い渡されたような労働者に対して、

企業目線にではなく、個々人に対して何か支援できる方法・職業がないのか? と。

そこでいろいろ検索して、探し得たのが「キャリアカウンセラー」だったというわけです。
筆者が傍らの活動をどうしてするようになったのか、という背景を知っておいて頂きたかったと思いましたので、書かせて頂きました。
支援活動をするためには、まずはライセンス受験資格を得るための認定講座を受け、それが修了したら、検定を受けて資格を取得し、その後認定団体への登録を済ませてからということになります。
当たり前ですが、せっかく取得した資格は有効に活用しない法はありません。仮に活動をしないとしたら、いったい何のために安くもない受講料を払い、時間を費やしてきたのか、ということです。体良く言えば、純粋な自己研鑚ということにもなるのでしょうが。
活動の手始めとしては、ライセンスを発行している認定団体主催の研修に参加したり、または、そこから定期的に情報提供されたイベントなど、実際に相談者と対面して支援を行う場へ出向いて活動をすることになります。
また、キャリアカウンセラーという存在とその役割を、世間に対する普及活動の一環の意味も含めて、自分でホームページを立ち上げて公開をすることに。そうするとそれを見た方からの依頼で、個人的に相談を受けるようになってきた、という流れで、結果としてそれが副業という位置づけになっているということになります。
つまり筆者の場合は、このような思いが芽生え、本業以外で活動をしてきた結果として副業に繋がっている、という一つの事例と認識頂ければと思います。

つづく
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