生きる道 副業のバイブル

記事
マネー・副業
この場をお借りして、
これから記す内容は、実は今から12年前ある出版編集者の方から、副業について執筆しないか、とのオファーを頂いた時に書き下ろした内容になります。
今でこそ、大手企業においては副業解禁等の動きが出てきておりますが、思えば12年前に既にそれを推していた記述がとても懐かしく、今更ながらではありますが表に出してみようと思った次第です。
ということは、せっかく書き留めてはみたものの、残念ながら世に出ることはなかった、私的には幻の書になります。
今しばらくお付き合いを頂けたらと思います。


~まえがき~
「副業」

副業と言う言葉に皆さんはどのようなイメージを持たれますか?
辞書などでは、「本業の傍らにする仕事」などと解されています、または「アルバイト」とも。
要するに、本業があってその片手間に行う、そのような位置づけになるかと思います。故にそんなに真面目にやるものでもないし、時間があれば取り組む、そういったイメージでしょうか。
事実、その「副業」は大方の企業では「禁止」となっているのではないかと思います。後にアンケート資料にも触れていきますが。
一般的には就業規則等に記され、行った際にはそれなりの制裁を受ける、簡単に言えば宜しくない行為とされているわけですね。
それもそのはず、戦後の復興を担ってきた企業経営、働く労働者も家族同然に扱われ、労働の対価として「賃金」、とその「雇用」の保証をされてきた時代の中にあって、その親とも言える企業を裏切ることなどできるわけがなかったのです。一緒に頑張れば、定年までの安定的な生活保証をしてくれていたわけですね、かつての企業は。
ところが、その日本固有の「三種の神器」(終身雇用・年功序列・企業別労働組合)と言われたものは、時代の荒波にもまれて姿を消しつつあります。

一昨年来、アメリカのサブプライムローンに端を発し、円高ドル安における自動車業界の経営悪化、輸出メーカーの受注減による工場閉鎖など(いわゆる世界同時不況)、兆円規模の資産を保有する大企業までもが、その影響を受け、そしてその槍玉に挙がったのが派遣雇用といわれる形態の労働者なのです。手っ取り早い契約雇用の派遣労働者の解雇(派遣切り)が始まり、そしてそれは日増しに拡大し、ひいては正規労働者の削減にまで及んでいるのです。また、新規採用を減らす、あるいは取りやめる企業も増え、日本の将来の担い手ともいえる新規学卒者の就業域も危うい状況が続いているのです。
このような状況の中で、企業がどれほど労働者の保全を図ってくれるというのか、表向きは企業理念や経営方針などという倫理観なるものを振りかざしてはいますが、その実態は「決算書の数字を如何に作るか」、「株主様のご機嫌をどうやってとろうか」といったことではありませんかね。

日本も欧米並みに、企業と個人との本当の雇用契約社会がすぐそこまで来ているように思えてなりません。論理的思考の下、欧米(特にアメリカ)の二つに一つ、勝つか負けるか、そんなマネーゲームに引きずりこまれた結果なのです。その論理的マネーゲームに煽動されてきたのが、先に挙げたようなビッグカンパニーの数々なのです。
そこには、日本的発想や文化は、もはや見る影もないのです。

一つだけお断りしておきますが、本書は安易に「副業の推奨」をしているわけでもありませんし、単なる「儲け話」を羅列したものでもありません。
最近の経済・雇用環境を踏まえ、益々変化が加速するであろう未来を見据えた時に、この変化に対応すべく、個人はいったい何にその基礎をおけばいいのか、ということをベースにしたつもりです。
論理的思考社会、弱肉強食の経済活動の影響を受け、個々人の価値観の変化もやむを得ないこの社会において、活きるための術を是非考えてもらいたい、そのような願いを込めて、ペンをとらせて頂きました。

平成19年12月、仕事と生活の調和推進官民トップ会議において「ワークライフバランス憲章」が策定され、平成20年4月には厚生労働省が「仕事と生活の調和の推進プロジェクト」を始動させるなど、仕事と生活のバランスを充実させようとの意識を推し進める風潮が出てきました。
ただ、それも昨今の経済状況の激変を受けてどのような対策を講じることができるのか、またそのバランスをどのようにして保っていくのか、は全く予想することができませんし、今の日本の政治には万に一つの望みすら持てないのが、大方の国民の意識ではないのでしょうか。
このような背景を踏まえると、個々人の職業の選択もより自由(アメリカ的な論理的自由ではありません)にできる社会が求められている時代だということではないでしょうか。

「個」が生きる(活きる)時代
その時代を生きる術として、言い換えれば自分の人生に勝利するために、今「副業」はその選択肢として重要な価値を持とうとしているのではないでしょか。

つづく
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