【心のセリフ】

記事
学び
 私は、心理カウンセラーであると同時に、
 メンタルケア・アドバイザーの顔も持つ。
 メンタルケア・アドバイザーとは、「心
 のケア」を施すアドバイザーであり、心
 の問題がどこにあるのか、その人自身が
 探して解決することをサポートしていく
 役割を担うものだ。チャートから始まり、
 クライエントがどのようなトレーニング
 に取り組めばよいかをアドバイスもする。
 「セルフ・カウンセリング」もその一つ。
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 「セルフ・カウンセリング」とは、心の
 中で思ったことを呟いたまま書き出して
 読み返すことで自分の気持ちに気づける
 ようになるもので、本式のそれは、対人
 関係における実際のやり取りを記述して
 相手の思いも洞察する構造になっている。
 ここで心の中で思ったことを呟いたまま
 書き出したものが「心のセリフ」であり、
 これを書き出すことで自分自身の欲求や
 モノサシに気づくことができるとされる。
 実際の場面を思い起こして相手の「心の
 セリフ」も書き出してみることで違った
 視点から相手を捉えることもできるのだ。
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 私は、メンタルケア・アドバイザー研修
 の必要上の理由もあるが、自己洞察には
 「セルフ・カウンセリング」が有効だと
 考え、事あるごとにこれを実践している。
 題材は日常生活の中で起こったことなら
 何でもいい。これまでに取り組んだのは、
 ①高2の夏休みにクラスの女子から私と
 同じ委員をしている友達のことで電話が
 あった(病気で文化祭の準備を私と一緒
 にできないことに理解を求めてきた)時
 のこと、②私に好意を持つ職場の後輩の
 女性にいつもは彼女を窓口に渡している
 女子社員全員への土産の菓子をその日に
 限って他の女性に渡したことでコピー中
 に詰め寄られた時のこと、③多人数での
 食事の会計の際に勘定が合わず私がまだ
 払っていないと一方的に決めつけたから
 と何も思っていないのに謝罪を受けた時
 のこと、等で、「心のセリフ」を読むと、
 ①では、<大丈夫やって。俺は、そんな
 分らず屋やないで>と、止む無い事情を
 理解しつつ、自分が分からず屋ではない、
 と納得したい、という気持ちが見えるし、
 ②では、<人に聞こえるのにこの会話は
 拙い>と、業務中であることを気にして、
 相手の気持ちを汲むより宥めようとして
 おり、③では、<却って悪いことしたな、
 でも、これこそ正に人の温もりやな>と、
 自分が何も思っていなかったことを謝罪
 されたことに罪悪感を感じながらも大人
 としてのやり取りの温もりに喜んでいる
 様子が窺える。この3件に共通している
 ことは、全て相手からの働きかけであり、
 自分は受け身であること、相手の気持ち
 を受け止めつつも心の中では自己保身に
 走っていること、ではないかと私は思う。
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 ここでは、自分の「心のセリフ」だけを
 書き出しているが、相手の立場になって
 相手の「心のセリフ」を想像して書いて
 みることも、私の経験上、大事な気づき、
 他者理解につながること請け合いである。
 また、物事には全て「原因があって結果
 がある」ということを心得ておくことも
 人間関係には必須であろう。この心得と
 「セルフ・カウンセリング」による自分
 と他者の気持ちの洞察が相互理解になる、
 と私は固く信じている。残念ながら今の
 私は「セルフ・カウンセリング」を伝授
 できる立場ではないが、カウンセラーと
 してのカウンセリングに大いに役立てて
 いくつもりだし、興味があったり必要が
 あれば、メンタルケア・アドバイザーの
 門をたたいてみるのも宜しかろうと思う。
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 御閲覧、心より感謝申し上げます。
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