思い出に残る体験談(その1)

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前回は市役所出向時の体験談について、
意思決定というテーマで記述しました。

意思決定に時間がかかるところが公務員のメリットであり、
デメリットでもあるという事をご理解いただけたかと思います。


今回は私の公務員生活の中で、
特に思い出深い体験談を書いていきます。

平成9年だったと思いますが、
大阪北部に位置する能勢町の清掃工場から多量のダイオキシンが発生し、
作業員の方がダイオキシンの被爆が原因で亡くなられ、
遺族の方が裁判を起こしました。

この頃は、米を刈り取った後の藁を野焼きすることが当たり前で、
焼却に対する環境意識が低い時代でした。

裁判陳述用に遺族の方が作成した原稿を読みましたが、
とても生々しい内容で、読みながら涙がこぼれました。

被害者の方は、ダイオキシンまみれのゴミの中で
ゴミを掻き出したり、炉を清掃したり等されていたので、
分かりやすくいえば放射能を浴びながら
長年仕事をされていたのと同じ状態だったのです。

鈍感な私でもこれはひどいなあ、
何とかしなければ、と使命感が湧いてきたことをよく覚えています。


この能勢町のダイオキシン被爆事件が発生してから、
国が対策に本腰を入れ、
ゴミを焼却する炉の基準を見直し、
有害物質を除去する「バグフィルター」の設置が義務付けられました。

バグフィルターを設置すると効果は抜群で、
焼却炉内のごみの燃焼技術にもよりますが、
従来発生していたダイオキシンを99%以上除去できることが判明、
どこの自治体も導入に前向きになりました。

補足すると、家庭で排出するゴミ(一般廃棄物と言います)の処理は
市町村の責務であると廃棄物処理法に定められています。

ただ、バグフィルター設置には億単位の費用が必要になり、
自治体の財政を圧迫するため、
国が必要な費用の半分を助成することになりました。

これが平成12年頃の話で、私は平成14年から3年間、
補助金の交付や検査等を担当する部署で仕事をすることになったのです。

これまで環境問題にはほとんど関心がなかったのですが、
価値観が大きく変わり、
住民の皆さんの生命と暮らしに大きく関わるのが環境問題と理解でき、
公私ともに充実した3年間が過ごせました。


不思議なもので、地域の自治会役員となった今、
アスファルト製造のプラント工場から排出されるガスの臭いに悩む
住民と協力し、排出事業者と自治会で「環境保全協定書」を
昨年締結することができました。

この時の仕事経験を活かし、地域住民の代表として、
排出事業者側と粘り強く交渉した結果が「環境保全協定書」の締結でしたので、住民の皆さんから大変喜んでもらいました。

税金の還元ができてよかった、と心から思えた瞬間でした。
あなたもこのような経験をすべく、まずは試験勉強に頑張りましょう。


もっと経験談を聞いてみたい、こんな声が聞こえてきそうです。
そんなあなたのために、公務員歴25年以上の私が「電話相談」して
あなたにお伝えしたいと思います。

ご希望の方は、コメント欄に「電話相談希望」と記載をお願いします。
本日は以上です。次回もお楽しみに。

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