3分で分かる!君はアメリカの会計士、CPAに向いているのか!?(その2)

記事
学び
さて、今回は③監査、④税務のプロ集団についてお話しよう。



実際、会計学位を取得した学生の多くは、監査か税務で働くことをイメージして4大会計事務所の面接に挑み、いずれかにふるい分けられていく。

かと言って、優秀な人だけがなれるのか、と言えばそうでもない。要するにその分野の仕事のやり方が好きかどうか、である。

トトロだって、いちばんでっかいトトロが好きな人もいれば、中トトロや白トトロ、人によっては、まっくろくろすけが好きな人もいる。その人が好きなものが仕事であれば、それだけおおきくなぁれ、と伸びていく訳だ。





③帳簿部隊を清掃スタッフとするなら、監査人はロッテンマイヤーさんだ。

アルプスの少女ハイジを見たことない人は、単純にめっちゃ厳しいメイド長をイメージしてもらえば結構だ。部屋スミのホコリを指ですくって、ふーってやりながら「これが・・・あなたの言うお掃除ですか?」ってやるアレである。

実は、このロッテンマイヤーさんはお屋敷に雇われている訳ではない。ゼーゼマン家が「うちの家の掃除がきっちり出来ているか、見てくれないか?今度、お披露目をしなくてはいけないのでな」と頼んで、外から来てもらったその道のプロなのだ。

また、ロッテンマイヤーさんは、お屋敷のものに触ることは許されていない。正しいお掃除と配置の仕方を指摘して、ゼーゼマン家に報告し、ゼーゼマン家が「ロッテンマイヤーさんの言う通りにしよう」という判断で、せっせとあるべき姿へ直してゆく。

最後に、「お屋敷は95%以上、基準に即したあるべき姿であると保障しますわ」という、ロッテンマイヤー印の証明書が発行されたら、ハッピーエンドだ。

もちろん、ゼーゼマン家が「ロッテンマイヤーの言うことなぞ知らん。うちの家のやり方はうちの家で決める!」と言っても構わない。

ただこの場合、ロッテンマイヤー印の証明書は発行されず、「あのお家、今年は証明書もらえなかったみたいよ(ヒソヒソ)」「やだ、お付き合いするのやめておきましょ(ヒソヒソ)」というバッドエンドになる訳だ。

そのため、企業と監査人の関係は絶妙なパワーバランスで成り立っている。「契約を切ってもいいんじゃよ?」と「証明書発行しませんよ?」のそれぞれの切り札を持つが故に、信頼足りうる財務諸表が発行されている訳だ。

では、どんな人に適正があるのか?
規律を重んじ、個ではなく全で物事を進め、移動に耐える体力があり、新しい土地に行くことが好きな人である。監査はチームプレイだ。ロッテンマイヤーさんは1人ではなく、ロッテンマイヤーその1、その2、その3、とチームで動く。各々が勝手に動けば作業は滞り、たった2か月で何十、何百のお客さんの監査など出来るはずもない。そのため、独断専行で敵陣に突っ込む戦国武将のような人にはおすすめできない。繁忙期が終われば「来期のチーム構想に君は入っていないのだよ」と通達されて終了だ。



④最後に税務は法律家に近い。

監査以上に、税務は毎年ルールが変わる。やれオバマケアだの、やれトランプ減税だの、やれコロナ対策ケアアクトだの、政治家の主張と気分でガンガン新税法が発令される。ほんとにいい加減にして欲しい。

うっとおしいのは、政治家の主張が法律に組み込まれて、突貫工事で修正に修正を重ねた結果、国税も理解できていないまま申告書が見切り発車するケースだ。

あと1個積んだら崩壊するジェンガみたいなもんである。現場の会計士が訳も分からずジェンガをバラバラにしてしまい、結局、翌年に国税から新しいジェンガが支給されて、仕切り直しになる。そんなんだったら、最初から1年先の税法にしとけよ、って思うのは現場会計士のお約束となっている。

では、どんな人に適正があるのか?
国税から支給される難解なパズルを読み解く力があり、1人で長時間オフィスに引きこもって調べものをしていても平気な人である。ただ、このパズルの答えは割とネットに落ちているので、自分から先駆者にならなくても割と何とかなる。より重要なのは、引きこもり力とリサーチ力の方だ。毎週金曜夜はクラブで遊ぶと決めているパリピにはおすすめできない。陰キャに許された数少ない専門職である。





いかがだろうか?

少なくとも1つは君に合っていると思えるものがあったのではないだろうか。

あえてアメリカの会計士、CPAになりたい、という剛の者を私たちは心から歓迎する。



なぁに、かいずきさんでも何とかやっているのだ。

君ができないという道理はどこにもない。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す