AI時代の泳ぎ方⑫ あなたのこれからの学び方を構想しよう

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ビジネス・マーケティング
前回、研修を自分のものにするための考察を述べてみました。

今回は、研修も含めて、近未来の学びがどう変わり、どうデザインしていくか考察してみたいと思います。

最新のChatGPT学習/ビジネス利用経験率は1割

基本認識として、これからは世代年代に関わらず、学び続ける時代になると言われています。
そして、AIをうまく利用して学びを効率よく加速していくことが、このブログの基本スタンスです。

ということで、最新のChatGPTの利用動向を見てみましょう。

GfKが2023年12月に日英米及びインドで実施した調査によれば、ChatGPTの日本の認知率は62%、利用経験率が33%です。
これは同年4月に野村総研が実施した数字15.4%の倍となっており、急速に利用が進んでいる様子が伺われます。

但し、利用目的別に見ると、遊びが23%で、学習目的が10%、ビジネス目的が9%と、本来期待する領域での利用は1割に留まっています

イノベーションの普及カーブば、イノベーター2.5%%、アーリーアダプター12.5%ですから、実態はまだまだ先端層のみの利用に留まっています。


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学び方が変わることを認識しよう
このブログを読んでいる人は、生成AIを少なくとも体験している方々がほとんどだと思います。
上記の数字、実態をどうお感じになるでしょうか?

当然ながら私は、AIを活用しながら学び、ビジネスをする、つまり、AIとの共創がこれから必然になると考えています。

これを学び方の転換という切り口で述べてみます。

これまでの学び方のスタイルを総じて言うと、「集団×先生」です。
つまり、そこには一人の先生と何十人かの生徒がいて学ぶというやり方でした。
これがバーチャルでも可能になったのがここ数年。コロナ禍で促進されましたね。
でも上記の構図は基本変わっていません。

そこに生成AIが登場です。

いずれ人間の先生にとって代わるかもしれないと、皆うすうす感じているのはご承知の通りです。

なぜなら、AIは古今東西の知識、あるいは最新の知識の宝庫です。
かつ、対話を通じて、より個々人のニーズに対応した情報、教えを提供してくれることで、知識を身につける速度が加速します。

つまり、これからは学び方が「集団×先生」から「個人×AI」へ流れが加速するのは必然です。
まずは、学生の家庭教師(チューター)がAIに変わっていくところから浸透していくでしょう。

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自分の学びをどうデザインするか

そんな予見の中、生涯学習が必要な私たちはどう対処していったらいいのでしょうか?

基本的な態度として、とにかく日々AIに触り、AIに何ができるのか、何が得意なのかを身をもって感じることが肝要なのは言うまでもありません。

増して、遊び半分で触ったことしかない人が大半の状況です。
今、それをやっておくことは、確実にアドバンテージになるでしょう。

もう一つは、自分の学びをどうデザインするか、つまり、どんな領域を学び、どう社会に生かしていくか、どう自分の価値を高めるかです。

そこで、2つの提言をしたいと思います。

提言1.【創造スキルの習得】

ご承知のように、生成AIを取り入れた企業は、企業の内部知をプラグインしながら、社内情報収集や活用の潤滑化、あるいはメールの自動化、報告書関連の社内文章や議事録の自動化、翻訳など、まずは卑近なところから活用を進めています。
ChatGPTは、文章の要約、翻訳、比較的単純な文章の作成に絶大な威力を発揮します。
かつ、生産性を上げるのにわかりやすい分野なので、この分野での活用、定着がどんどん進んでいくでしょう。

でもこれらは、言ってみれば、情報収集の効率化、活用の範囲です。

知的作業のまだまだ外側部分だと言ってもいいでしょう。
そして生成AIは人の知的作業を外側から侵食していきます。

一方、内側にあるのは、もう一段高度な知的作業です。

いわゆる創造的な仕事やビジネスの意思決定などをエイドする機能です。

ここは、今の段階ではAIだけでは成し遂げられない領域であり、まさに人とAIとの共創が必要な領域です。

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なぜAIができないのか?

一番の根拠は、AIには問う力がないからです。

問いの設定とは、目的やゴールを見据えたり、今ない状況=ゼロから何かを生み出す時の初動として必須の行為です。

また、その部分は、人間特有の動機と言いますか、モチベーションの部分であり、そういうエネルギーがなければ動きません。

ゆえに、創造性を高める学びを習得する。そのためにAIを利用する、あるいはAIと共創することを学びの基本姿勢にするのが良いと私は思います。

創造性を高めるには、

①普段から『問う』姿勢を身につけること
②創造力を見える化し、ビジネスにプラグインすること
③考えた結果や経験、シミュレーションしたケースをデータとして蓄積すること
が重要だと思います。

①、③に関しては、『思考メモ』習慣が有効です。⇒ 【AI時代の泳ぎ方⑥、⑦】参照

②に関しては、まず妄想をする、それを企画化し、ビジネスにプラグインする、そして企画書化、プレゼンを経て実行するという一連のトレーニングを繰り返すことで身につけることができます。⇒ 【AI時代の泳ぎ方⑪】参照

そして、上記の3つとも、AIと対話しながら進めるのが、今までにない新しい所です。

そう、『創造 with AI』 です。

例えば、思考メモに関して言えば、メモの蓄積をビッグデータとして保存、AIに様々な切り口で分析させ、いつでもそれをワーキングメモリーとして取り出せるようにしておく。

あるいは、自分の妄想をAIに読み込ませ、理屈として成り立っているか、それが世の中にあるか否か、人々に受け入れられるか、実装可能かなどの問いを与え、AIから詳細な答えを得ることで、より優れたアイデアやプランに仕上げることができます。

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で、その上で戦術的ですが、以下の観点も必要ではないでしょうか。

提言2.【ナロウな学びが面白い】

私は、これからは社会で既に顕在化されている学びより、その隙間や隘路に特化したような学びが面白いと思います。
マーケティングで言えば、ニッチ・マーケティングです。

この分野はマイナー、あるいは今ないけれど、そこで蓄えた知識や知恵は誰にも負けないぞというような状況をつくるのです。

それは遊びや趣味でもいいと思います。
大事なのは、そこに自分の興味が向かっていること。

また、その学びを深彫りしていくと、その先には必ずコミュニティに行き着きます。
コミュニティに入れば、必ず交流があるし、もっと面白がれる。それが学びを一層深めます。

つまり、ナロウな道を突き進んだ方が、自分も面白いし、社会も面白がる
というか、そこはやっている人が少ないから、自らの価値が発揮しやすくなると思うのです。
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例えば、思いつきで恐縮ですが、占いと最新認知科学の融合をテーマに研究を進めるのも面白いナロウな道だと思います。

占いは古くから人の未来の先読みの根拠としてあるものです。
決して科学オリジンではないですが、そこには経験則というか人間の感性を踏まえた、ある意味深遠な理論があります。
それを今時の認知科学の知見と組み合わせて新理論を作ってみる。
場合によっては、それを論文化してアピールする。
というのは面白い試みだと思います。

人間の本能は集団脳の発揮

人類は、集団脳の発揮で進化、発展してきました。

宇宙開発はこれからの有力なテーマで、最近はその手のTV番組も増えてきました。
で、それを見ながら、そこに取り組んでいる人達の姿勢を見ていると、目的に向けて皆、真摯に知恵を発揮している様子が伺えます。
あれこそが集団脳の発揮の典型例だなと思います。

そして、知は多様性から生まれてきました
集団は、色々な考えやアイデアをもった人ほど知の交換がダイナミックになる。
結果、突き抜けるアイデアが生まれる。

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あなたもそのピースの一つ

これに、AIが介入するとどうなるか?
まずは個人とAIがペアとなる。
AIとのペアリングで個人の力がエンハンスされる。
これが基本単位。

この基本単位が多様であるほど良いのは先ほどの理屈通り。
人材発掘や登用の最適化、ネットワークづくりがグローバル単位で行われる。
あなたもそのピースの一つであるということです。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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