人事や採用のお仕事をされたい方へのメッセージ

こんにちは。ノブです。

私は10年以上、人事や採用のお仕事をしています。

人事や採用のお仕事をしていると、よく「人事をやってみたい！」といわれる方がいらっしゃいます。

だいたいの方は目をキラキラさせながらお話されるので、こちらもあまり実情や本音は言いにくいことがあったりします。

私なりの解釈で、人事をやってみたいと考える方へのメッセージを書きました。

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その前に・・・

会社や採用、そしてプライベートの会話なんかで、よく

「人事って何やってるんですか？」

「採用楽しそうですよねー、やってみたい！」

という話をよく聞きます。

そして、面接で応募者の方に「将来どんな仕事がしたいですか？」と聞くと、

意外と多くの方が

「人事や教育で会社に貢献したいです」

「採用で多くの人に出会う仕事をしたいです」

という話をされます。。

外から見ても人事のお仕事はキラキラしているイメージですが、実際はそうでもない、という話が本当のところです。

ここから先は「人事の仕事」を、実情含めて正しく知りたい人だけ読んでください。

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「ヒトの価値」を活かす役割

人事の役割としては、

「会社の運営に携わり、社員の価値を引き出すポジション」

ととらえています。

会社の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」の三資源（３Ｍ）から成り立っていて、人事はこのうちの「ヒト」を扱う重要なポジションです。

ですので、人事は給与計算や勤怠、社会保険手続きなどの事務の仕事から、人にまつわる様々な課題を考える立場を求めています。

また、最近は経営的な視点で様々な提言や取り組みを行っていく「戦略人事」という位置づけあります。

人員管理という立場から、様々なテクノロジーを駆使し、経営やマーケティングなどの知見を踏まえた「ヒト」の活用ができる人が、これからの人事担当者には求められるでしょう。

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人事の仕事は何があるのか

人事の仕事は「採用」「教育」というイメージが強いと思います。

ただ、皆さんがイメージする以上に人事の仕事は多岐にわたり、ざっくりまとめただけでも以下のようなものがあります。

【キラキラ（ライトサイド）系】
　周囲からのイメージもよく憧れの的となる仕事
　採用、教育、給与計算、勤怠管理、社会保険手続きなどの事務
　人事制度や評価制度の企画、立案　など

【ドロドロ（ダークサイド）系】
　周囲から避けられ、時には社員との利益相反も起きる仕事
　ルールを守らない社員への対応、退職や解雇に関する対応
　人事制度、評価制度の運用　など

転職市場などで「人事の仕事をしてみたい」という人はキラキラ系の希望者が多く、ドロドロ系の仕事は敬遠される傾向です。

特に後者は大変で、常に大きなストレスがかかり、トラブルを抱えやすいポジションです。

人間不信にもなりますし、ストレス故に病気になられたり、早く鬼籍に入られる方もいらっしゃいます。

このため、キラキラ系、ドロドロ系の双方しっかりとこなされている方は、希少価値の高い方と感じています。

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「人事」はとにかく忙しい

こんな大変な人事の仕事ですが、実は、会社から見れば人事部門は会社にとって直接の収益を生まない「コストセンター」ともいわれる部門です。

そのため、人事にはできるだけ人を割かない傾向にあり、少数精鋭で対応することが求められています。

ですので、上記に挙げた様々な仕事は限られたごく少数の社員によって行われています。

皆さんが見える「大変そうに見える」人事担当者は、普段は席にいなくて会議や外出が多く、席にいたと思っても様々な問い合わせや業務をこなしていて、そして誰よりも早く出社して誰よりも遅く退社する、という感じではないでしょうか。

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「人事」はなりたくてなれる仕事ではない

そして、意外と多くの方から「人事になるにはどうすればいいんですか？」という話をよく聞きます。

私が思うには、人事という仕事はなりたくてなれる仕事ではない、と考えています。それは、会社として人事の立場に求める見方にあると思います。

例えば、もし経営者が人事の仕事を任せようと考える基準としては、

・会社の大切な資産である「ヒト」を預けても良い

・業務実績に証明された信頼感や安心感がある

・会社のことを誰よりも多く知っている、考えている

という感じではないでしょうか。

なので、「普段の仕事ぶり」「周囲からの評判」「業務経験」「会社のために様々な提言をどこまで行っているか」などが

どうなのかによって影響すると思います。

※中途採用で人事として入る方もここをちゃんと見ています

ちなみに、私の場合も最初の会社の現場経験から人事（採用）の仕事でスタートしていますし、多くの人事担当者の方は「人事をやりたい」と言ってスタートした人は少ないのでないでしょうか。

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最後に・・・

人事の仕事についていろいろと書かせていただきましたが、私はとても楽しい仕事だと思っています。

一番楽しいと感じる瞬間は、社員一人一人の人生に立ち会える喜びです。

例えば、

・採用に携わった社員が管理職などの責任ある立場に任命された

・独身だった社員が結婚し幸せな生活を送っていた

・育児休業中の社員が子供を連れて会社に来た

・社員の評価や成長を目の当たりにできた

・退職した社員が「会いたい」と連絡してきた

などなどがありました。

そんなところで、人事は「社員と会社をつなぐ紐帯の役割」があると思っています。

もし、このメッセージを読んでもなお、人事を目指したい方がいましたら、今の仕事をしっかりとこなし、よりたくさんのことを勉強して、機会を待っていてください。

そうすることで、会社にとっても、世の中にとっても「かけがえのない人」になり、人事を含めて様々な仕事のオファーが来て、きっと良いキャリアを描いていくんだろう、と思っています。

仕事は誰かを助けるためにあるもの。

人事は様々な人との出会いを通じて、それをダイレクトに感じられる素晴らしい仕事だと思います。