もっとつくってもっと売る?

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ビジネス・マーケティング
「人生100年時代」を応援するライフステージコーチのタムシンです。
普段は都内の民間企業で、新規事業開発のリーダーをしています。
コーチングを使って自身のリーダーシップ開発を実践しながら、副業としてコーチングセッションを提供しています。
「もっと多く作って、もっと多く売ろう」という資本主義のあり方に疑問を感じはじめるひとが増えいます。
ベストセラーになった斎藤幸平氏の著書『人新世の「資本論」』では、気候変動を止めるには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないと警告しています。

わたしも「多くつくって、もっと売る」社会に疑問を感じ、最近は生活必需品以外のモノを買う機会がめっきり減りました。
コロナ禍で在宅勤務が増えたことで「本当に必要なものって何?」って考えるようになったことも大きいです。
経営学者ヘンリー・ミンツバーグ氏の著書『これからのマネージャーが大切にすべきこと』には、「もっと多く」を求めて成長し続ける企業は、次のような行動をとることになる、と警告しています。

①顧客を食い物にする

料金体系をわかりにくくしたり、解約しにくくします。
契約するのはワンクリックで済むのに、解約するには何度もページを遷移させられ、解約の意欲を削ぐよう仕組まれています。

②質を落とす

これまでの料金では売れなくなってきたら安売りするため、品質を落とします。これまで築いたブランド知名度があるので、安売りすればたくさん売れます。薄利ですが多売すれば、しばらくは利益が出ます。

③コストを削減する

売れなくなったのなら、コストを下げてでも利益を捻出します。あらゆるコストは聖域なく削っていきます。

④労働者から搾取する

人事評価に成果報酬制度を導入して優秀社員は厚遇しますが、そうでない社員の給料は可能なかぎり減らします。また正社員を減らし、非正規社員を増やして総人件費を圧縮します。

⑤多角化する

それでも売れなければ、資本がある大企業はやったことがない事業にも進出して多角化します。「売れない」とはその企業の提供価値がなくなっているはずなのですが、蓄積した資本があるので、ミッションにない事業にまで手を伸ばして成長を維持しようとあがきます。

いかがでしょうか?

わたしは大企業で新規事業開発を担当しているのですが、本業の傾きを補うための新規事業なので耳が痛かったです。
つくる事業には必ず「社会的な提供価値があるのか?」を自分に問い続けながら事業開発を続けていこうと思います。


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