AMANOJAKU

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わたしは要領がとても悪くて、よく周りの人たちをイライラさせてしまう。
「マイペース」「周りの状況をよく見なさい」「早くしなさい」
子供の頃は、よくそんなことを親から言われたもだ。

その素質というのは30を過ぎた今でも健在で、仕事の要領がとにかく悪い。
大変ありがたいことに、仕事仲間にフォローしてもらう場面が多々ある。
その度にわたしは、泣きそうになるのを必死で堪える。

辛いからではなくて、嬉しいから。鈍臭い自分を情けなく思ってしまうから、というのもあるが、とにかく、ありがたくって「痛み」に似た感情が込み上げてきてしまう。
だけど仕事中は泣くわけにはいかないから、マスクの下でキュッと唇を噛む。

こんなことを書いているけれど、わたしは「泣く」という行為が下手くそだ。
卒業式の時も、おじいちゃんおばあちゃんのお葬式のきも、妹の結婚式の時も泣いていない。ていうか、泣けない。いやむしろ泣きたいというか、「ここは泣くべきでしょ」って時にかぎって、妙に冷静な気分になってしまう。

普段の社会生活の中では、感情を露骨に出すことは憚られるもの。
でも閉じたままの状態が続くと、いざって時に蝶番が錆び付いて、うまく「泣く」という感情にアクセスできなくなっている。
かと思いきや、何にも悲しくない映画のワンシーンを見ていて、不意に細胞が痙攣を起こしたみたいに涙があるれてしまうこともある。

感情というのは、いつも捉えどころがない。

泣いてはいけない場面で泣きなくなってしまう、という不自由と
泣くべき場面の時に上手く泣けない、という不自由。

どっちもしんどいものだ。
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