税務調査にノルマはあるか

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法律・税務・士業全般
 税務署に税務調査のノルマは存在します。うそです。ノルマはありません。ただし、計画はあります。年間調査件数の計画です。当たり前といえば当たり前です。目標は必要です。計画も何もなければ、こんな楽な職業はありません。みんなさぼってしまいます。ただし、ノルマはないものの結果・実績はおおいに評価されます。一生懸命頑張った職員と、適当にさぼった職員を評価するのは当たり前でしょう。私も、部門配属時に先輩から「ネズミを取らないネコはいらない」と言われました。
 個人課税の調査担当者では、まず、「重加算税の賦課件数」次に「申告漏れ所得の把握金額」でしょうか。申告漏れ所得の把握というのは、事案によって当たりはずれがあります。一般的には多ければ多いほどよく働いたということになるのですが、「重加算税の賦課件数」はそれ以上の価値があります。困難に立ち向かったという証拠です。
 これらについて、個人間、部門(課)間、税務署間、国税局間の暗黙の競争があり、国税庁は毎年、調査事績として公表しています。
 ただ、昔はどんなことがあっても計画は100%達成するのが当然でしたが、近年は100%達成できないことも珍しくありません。それだけ組織がぬるくなっているのは、時代の変化でしょうか。現在、「ネズミを取らないネコ」はおそらく多数派です。これは、ネコの話です。
 なお、新型コロナがやや落ち着きかけた現在でも、税務調査はほとんど停止しているようです。飲食業や観光業に対する調査は、ここ数年はできないでしょう。ただ、景気の落ち込んでいない業種もあり、そろそろ動き出すかもしれません。(2020.9.17現在)


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