経営者の皆様、こんにちは!ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)には、相関性があり、お客様の満足度を向上させるには、従業員の満足度を上げる必要があり、顧客満足度が上がると、従業員満足度も上がるという、にわとりたまごの関係がありますね。
星野リゾートでは、第3セクターのアルツ磐梯の運営立て直しに乗り出したとき、顧客満足度を上げることで従業員満足度・モチベーションをあげることにつなげました。
使ったのは、クリストファー・ハートの「サービスの100%保障システム」という論文。製造業では一般的な「保証」が、サービス業にはほとんどない。機械よりも不確かな人間が提供するサービスこそ、保証が重要とのこと。
ハートが提唱する保証システムは、約束を実行できなかった場合、顧客に返金をするというものです。返金理由に付帯条件を付けず、返金の仕組みを簡単にすることも重要との事。
星野リゾートが始めたのは、スキー場のレストランは、まずくて当たり前 という一般的な考えを、「お客様が大きな不満を持つゲレンデのレストランこそ、100%保証を取り入れる意味は大きい。アルツ磐梯のサービスへのこだわりをお客様とスタッフに伝えよう!」
ということで、カレーライスの「おいしさ保証」を発案した。
はじめスタッフの反対はすさまじかった。「どんなにおいしいカレーを作っても、返金を求められるかもしれない」と、不安を持ったが、何度も試食を繰り返して、100%保証のカレーを開始した。
100%保証を開始し、1日目、2日目はノークレーム。3日目には、「返金してほしい」という若者2名の客が来た。とうとう恐れていたことが始まった。。。と恐怖を感じたが、理由を聞くと、ご飯がべとべとだとの事。
スタッフが確かめると、炊飯器が老朽化しており、ご飯がしっかり炊けていなかった。慌てて新しい業務用炊飯器を注文した。
この日を境に、スタッフは、どうしたらお客様に満足いただけるか?を意識し、おいしさ保証を伝える大きな看板を作ろう! 辛口がどれくらい辛いか、きちんとつたえよう!など、独自の工夫が始まった。
結果として、スタッフがサービスに責任を持ち、自分から動き始めた。カレーのおいしさ保証は、やがてアルツ磐梯がサービスを高めて、再生の道のりを歩む象徴になった。
返金率は、10万食のうち、10件程度。「お客様は誠実である」ということがよくわかったとのことでした。
星野社長が取った、アルツ磐梯のスタッフに対する顧客満足度をどう上げるかという施策を共有させていただきました。カレーを使って教育するなんて、面白いですね!
また、お客様は誠実である。我々も誠実にサービスを提供しようという考えにも結び付きました。
松下幸之助さんの言葉、「世間大衆は神のごとく正しい」を思い出しました。「個々にはあるいは一時的には過つことがあっても、全体として長い目で見れば、世間大衆というものは、神のごとく正しい判断を下すものだと私は考えている」とのこと。
マーケティングの神様、コトラーも、 規則1: 顧客はいつも正しい。
規則2: もし顧客が間違っているならば,規則1に戻ること
と、あります。お客様を疑う前に、自分たちを律することの大切さを思い出しました。
本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございます。素敵な一日をお過ごしください。