公益通報者保護法

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ビジネス・マーケティング
情報は隠せば良いというものではありません。企業側に不正の事実がある場合は、それを所定の手続きで通報した場合にはその通報者は保護されるべきです。そのようなことが無いように企業は法令を遵守して活動しなければなりません。

公益通報者保護法とは、公益のために通報を行った労働者や役員が不利益な取扱いを受けることがないよう、保護を図るための法律
社内で違法行為などを発見した労働者や役員が、事業者が定める内外の通報窓口行政機関・報道機関などに公益通報を行うことを認めています。
公益通報は単なる内部告発ではなく、公益通報者保護法に基づく下記の要件を満たし、公益通報者が不利益な取り扱いを受けないことを保障される通報をいいます。

公営貴通報の要件は次の3つです。①「公益通報者」に該当する者が、②通報対象事実(通報の対象となる法令違反)を、③「公益通報を行うことができる窓口」に通報すること、を言います。

※ただし、不正な目的で通報を行った場合は、上記①~③の要件を満たしていたとしても「公益通報」から除外されます

①公益通報者に該当する者=正社員・アルバイト・パートタイマーなど、労働基準法9条に規定される労働者、派遣労働者、請負契約などに基づき業務に従事する者・従事していた労働者、役員(いずれも退職後1年以内の者を含む)

②通報対象事実(通報の対象となる法令違反)
公益通報の対象となる法令の種類は公益通報者保護法別表に掲げられており、刑法、食品衛生法、金融商品取引法など、2023年6月現在、約466の法令違反についてと定められています。ここでは買いきれませんので公益通報者保護法別表第八号の法律を定める政令」を参照してください。

③公益通報を行うことができる窓口
A. 会社が定めた社内窓口/社外窓口
要件:以下のいずれかに該当する場合
   ・通報対象事実が生じていること
   ・まさに生じようとしていると思われること 

B. 通報対象事実について処分・勧告等の権限を有する行政機関、又はその行政機関が定めた外部窓口
要件:以下のいずれかに該当すると信ずるに足りる相当の理由がある場合
   ・通報対象事実が生じていること
   ・まさに生じようとしていると思われること
   ※単なる憶測や伝聞等ではなく、通報内容が真実であることを裏付ける証拠や関係者による信用性の高い供述など、相当の根拠が必要

C. その者に対し当該通報対象事実を通報することが、その発生や被害拡大の防止に必要と認められる者(通報対象事実により被害を受ける者・受けるおそれがある者を含む)
要件:②と同様の要件に加え、以下のいずれか1つに該当する場合
   ・事業者内部・行政機関に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある
    (例:以前、同僚が内部通報したところ、それを理由として解雇された例があるなど)
   ・事業者内部(労務提供先等)に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある
    (例:事業者ぐるみで法令違反が行われている場合など)
   ・事業者内部・行政機関に公益通報をしないことを正当な理由なく要求された場合
    (例:誰にも言わないように上司から口止めされた場合)
   ・書面(紙文書以外に、電子メールなど電子媒体への表示も含む。)により事業者内部に公益通報をした日から20日を経過しても、当該事業者から調査を行う旨の通知がない場合・事業者が正当な理由がなく調査を行わない場合
    (例:勤務先に書面で通報して20日を経過しても何の連絡もない場合)
   ・個人の生命・身体に危害が発生している場合・発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合
    (例:安全規制に違反して健康被害が発生する急迫した危険のある食品が消費者に販売されている場合)

公益通報者保護法によって禁止される行為
公益通報者を保護するため、通報の対象となった事業者に対しては、以下の行為が禁止されます。
①公益通報を理由とする解雇、派遣規約などの契約解除
②公益通報をした労働者に対する不利益な取り扱い
③公益通報者に対する損害賠償請求
公益通報者保護法違反に当たる行為のうち、以下の行為は罰則の対象となります。
公益通報を受け対応をしている従事者が公益通報者を特定させる事項を漏らす行為に対して30万円以下の罰金
事業者に対して内閣総理大臣の報告要求があった場合に、報告をせず、又は虚偽の報告をする行為(同法15条)20万円以下の過料(同法22条)


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