人が悪事を働きやすくなる条件

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ビジネス・マーケティング
引き続き、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)からの情報です。米国の犯罪学者ドナルド・R・クレッシーによると、「動機」「正当化」「機会」の三要素がそろうことで、人は悪事を働きやすいとされています。

動機とは何らかの報酬を得られること、正当化は不正行為を後押ししてしまうロジック、機会とは不正を容易に行うことができる状況を指します。

動機の例としては「前職の情報を持ち出せば転職先で優位に立てる」「機密情報が競合企業に高値で売れる」

正当化の例としては「苦労している自分は報われるべきだ」「会社が悪いから困らせてやろう」

機会の例としては「重要な情報を持ち出しやすい」「パスワードを知っている」

この三つを同時に成立させないことが重要となります。そのために一番取り組みやすいのが機会を与えないことです。ルールや仕組みによって機会を作らせないことに努めます。

正当化をさせないことは不可能ではありませんがゼロに抑えること難しいことです。社内のコミュニケーションや心理的安全性を確保して満足度の高い環境を作るか、組織としてコンプライアンスを重視して隙を与えないなどの対策が考えられます。

動機については外的要因が大きく関与しますので対策は困難です。しかし機会または正当化のどちらかを成立さえなければ不正行為が実行される確率は相当抑えることができます。難しい方に敢えて挑む必要はありません。

この研修では最後に機会を作らせない方法について考えていきます。正当化を抑え込む方法はコミュニケーション研修などで習得を目指してください。


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