こんにちは、加藤丈博です。
今日は「65万円控除のメリットの大きさ」について
書いていきます。
青色申告特別控除とは、
①不動産所得または事業所得がある
②正規の簿記の原則に従った帳簿を作成している
③②に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付している
④確定申告書を法定申告期限内に提出している
ことを要件に、
・事業的規模(※)ではない不動産所得のみがある人
→最大10万円
※事業的規模とは不動産を5棟または10室以上賃貸していることをいいます。
・事業所得、事業的規模の不動産所得、事業所得と不動産所得の両方の何れかがある人
→最大65万円
を、各所得の計算上差し引くことが出来るというものです。
青色申告特別控除による節税額
事業所得が500万円あり、基礎控除などの所得控除が100万円ある人を例にとります。
1.所得税
所得税率は累進課税制度により7段階に区分されています。
合計所得金額から所得控除を差し引いた課税所得金額に応じて
以下のように定められています。
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~195万円 5%
195万円~330万円 10%
330万円~695万円 20%
695万円~900万円 23%
900万円~1800万円 33%
1800万円~4000万円 40%
4000万円~ 45%
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青色申告特別控除がある場合もない場合も、適用される所得税率は20%です。
500万円-100万円=400万円
(500万円-65万円)-100万円=335万円
すると、
節税額は、65万円×20%×102.1%=約13万3千円
となります。
2.住民税
住民税率は基本的に都道府県民税率4%と市区町村民税6%の一律計10%です。(一部自治体では若干の上下があります)
すると、
節税額は65万円×10%=約6万5千円
となります。
3.国民健康保険
国民健康保険で、青色申告特別控除が関係するのは所得割のみですが、この料率は市区町村によってだいぶ異なります。
東京23区は約8.5%ですので、
節税額は65万円×8.5%=約5万5千円
となります。
1.所得税 約13万3千円
2.住民税 約6万5千円
3.国民健康保険 約5万5千円
3つを足すと約25万3千円、これが青色申告特別控除による節税額の合計です。
参考までに、税理士に顧問を依頼する場合、
記帳代行から確定申告まですべてご依頼いただき、
さらに定期的なご訪問や各種相談を含めても年間25万円かからない事例が大半です。
「確定申告も自分でやってみよう、最初は青色申告が難しいから白色で」
こうお考えの方、税理士にお願いした方がかえってお得な場合があります。
最後に、うっかりしがちなことですが、青色申告特別控除を受けるための要件には
④確定申告書を法定申告期限内に提出している
があります。
「自分で青色申告してみよう」
と思ったはいいけれど、意外と大変と感じている方、
3月15日を過ぎてしまっては何の意味もありませんので御注意下さい。