川崎医科大学の英語過去問を解いてます

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学び

はじめに

いま、私立大学医学部医学科専願の受験生を教えています。私は秋から化学を担当しており、数学と英語は他の先生が、生物は自力で、という形で直前期の学習を進めています。

私は担当の化学だけに専念していればよいのですが、やはり他の科目も気にはなります。

生徒が1月に受験する学校の一つが川崎医大。川崎というと神奈川県にあるものと勘違いされやすいですが、実は岡山県倉敷市にあります。東京で家庭教師をしていた頃、川崎医大を受験した生徒はいなかったので、ほぼ未知の領域。そこで15年分くらいの過去問を揃えて少しずつ解いています。その中から英語の問題で気になったものをいくつかご紹介します。

意外なsharp

A: Just one thing. We're going to have a meeting at 11:30 sharp on June 10th. So be on time.
B: ( )
A: I have no idea. Is it a problem?
B: No, I've got a lunch date, but it's OK.

川崎医大、2006年


設問は空欄に当てはまる文を選びなさい、なのですが、会話文の中に出てくるsharpはなかなかの曲者です。このsharpは「時刻がぴったりである」ことを意味します。


Lose no time in doing


We lost no time in calling an ambulance (for) the person injured in the traffic accident.

川崎医大、2006年

lose no time in doingは直訳すると「何もない時間を失う」で奇妙な感じがしますが、これは「間髪おかず速やかに~する」という熟語です。
lose no time in doing が正式のようですが、実際の使用例ではinを省略している場合も多いです。

Creative writingをする上で覚えておきたい表現もあります。


Thread one's …

The pickpocket threaded his ( ) through the crowd.
way / walk / step / run

川崎医大、2007年

pickpocketは「スリ」です。pickpocketといえば、R. P. Dahlの作品でThe Hitch Hikerという有名な作品がありますが、これを原作としてアマチュア団体などがたくさんのショートムービーを作っています。

私はニューヨーク大学の学生達が作ったバージョンと、英国のテレビ局が作ったダールシリーズの一編が特に好みです。

ショートムービーを一度見れば、fingersmithの意味も分かると思います。

さて、この設問ですが、thread one's way through ~で、「~の間を縫うように歩く」という意味です。直訳すると「道を縫う」。threadを用いることで、足取りがジグザグしている様子が容易に想像されます。なかなか粋な言い回しですね。類似表現として、weave one's way, wind one's wayなどもあります。

興味深いことに、Sarah Waltersがビクトリア朝時代の女性の生き様を描いたFingersmithという作品を出しています。日本語タイトルは「荊の城」。

無題.png

FingersmithのAmazonレビュー欄に、今日ここで扱ったばかりの表現が見事な組み合わせで出ていました。実にタイムリーですね!

Fingersmith weaves its way through Victorian London and …


川崎医大の過去問対策オンライン授業をやってます


手元にある入試問題を解いていて気になった表現や言い回しがあれば、随時ご紹介していきます。


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