私は、約10年前の最初の転職した際、今考えると、これといった戦略なきまま、行き当たりばったり(結果オーライではありましたが)の転職活動を経験し、その反省をふまえ、いろいろ試行錯誤しながら、普段から、"複線的"なキャリア構築を意識しながら、転職活動もしています。
何事にも通じるところがありますが、転職活動も、情報が来るのをただ、待っているという受け身の姿勢でなく、自分から主導権を取り、能動的に動く方が選択肢も増え、納得感のある意思決定ができることを痛感しています。
企業側に求人ニーズがある場合、いくつかのパターンがありますが、一般的には、求人票という形で、求人情報が目に見える形で整理され、それをもとに転職エージェントが、該当するポジションの候補になりそうな人材を探して、コンタクトするという流れになります。
よくあるのは、転職エージェントさんから、”Confidential”等のついた件名のメールが来て、求人票の情報がメールに記載されていて、ご興味があれば、連絡下さいと書かれているというパターンです。
ただ、求人票の内容は、その業界の人から見れば、単に言葉が躍っているだけ(例えば、某上場企業で、新組織を立ち上げ、新規事業開発を計画していて、そのための”企画系”人材の応募というような書き方)で、企業側の求人ニーズの詳細が分からないこともよくあります。
そもそも、企業側の人事担当者が、採用現場のニーズを把握しないまま、求人票を書いていることもありますし、間に入り、連絡してきている転職エージェントが、企業側から聞いた内容を、勉強不足で十分に消化しないまま、伝えてきているケースも散見されます。ひどい話ですが、、、
私も前職からの転職時に、まずは、よくCMで見ていた大手転職会社2社にコンタクトし、両社のオフィスで面談しました。
勝手が分からず、緊張して、会議室で待っていると、転職エージェントさんが現れ、お互いの自己紹介も早々に切り上げ、「ご経歴からこんな求人がマッチするのではと思い、事前にご用意しました」と20-30社ほどの求人票を見せられました。
初めての転職で年齢も30代半ば過ぎで「はたして、紹介してもらえるポジションがあるのだろうか?」と心配していたところに錚々たる企業の求人情報を大量に見せられ、こんなに社外で活躍する場があるのか!と完全にぬか喜びし(今にして思うと恥ずかしいお話ですが)、転職エージェントさんに薦められるままに、いざ、応募して、1か月ほど、期待して待つも、なかなか、書類選考段階を通らず、面接に呼ばれるのは、5-6社に1社という感じでした。
転職エージェントさんの話では、実際に転職した人は、平均で15社弱に応募しているようですが、私のように転職エージェントに勧められるままに応募するケースも多く、数は多めになりそうですね。
転職エージェントさんから、なかなか連絡がないので、焦りも感じたのですが、今、振り返って言えるのは、求人票ベースのポジションに応募して、書類選考がなかなか通らなくても、委縮して、「自分は社外では評価されない人材なのでは?」と自分を過小評価する必要は全くないと思います。
そもそも、求人票で募集しているので、複数の転職エージェントが同時並行で、たくさんの候補者に求人票をばらまいて、募集しているので、倍率も高く、よほどの強い材料(弁護士資格等)がなければ、同等の学歴、職歴で、自分よりも若い候補者も複数いて、自分を差別化して売り込むのは難しい状況だろうと判断しましました。
慌てて、目の前の求人ポジションを追い掛け回すよりも、自分に合う情報を持ってきてくれる信頼できる転職エージェントを探すのが、遠回りに見えて近道だろうと考え、留学時代の先輩のアドバイスもふまえ、有料サービスのビズリーチを利用することにしました、
結果的にはこのビズリーチの効率的な使い方を編み出し、信頼できる転職エージェントさんを複数確保できました。
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ビズリーチで、転職エージェントを見つけた後は、平日のお昼に会社そばのレストランで待ち合わせをして、転職エージェントさんにお会いし、ランチをご一緒しながら(結局、ほとんどのケースでご馳走してもらうことになりましたが)まずは、人として、転職エージェントとして信頼に足る相手か、あとは、自分との相性がどうかなどを見極めていきました。
面談してみて感じた大まかな傾向としては、こちらの希望もあまり聞かずに、すぐに用意してきた求人票を見せて、応募するように押し付けてくる人(特に特定の企業とリテイナー契約という毎月定額で報酬をもらっている転職エージェント)が1/3くらいはいました。
このタイプのエージェントさん達は、紹介してくるポジションが自分の希望とピンポイントであてはまらず、応募しないと断ると、露骨に嫌な顔をしたり、残念がるケースが散見され、その後、関係は長続きしませんでした。
逆に、初回の面談には参考までいくつか、求人票は用意して来ていても、まずは、こちらの話やキャリアに関しての志向をきちんと聞いてくれた上で、求人票は参考まで渡してくれて、興味があれば、応募を検討してもらえばいいが、無理強いはしませんというスタンスで、今後、初回の面談をふまえ、紹介できそうなポジションが出てきたら、改めて、連絡するという対応の転職エージェントさんが5名くらいいて、そうした人たちとは、その後も、やり取りが長続きする傾向がありました。
結果的にこういう形で、自分が能動的に動くことで、信頼できる転職エージェントさんを複数、確保でき、彼らから紹介されるポジションに応募したところ、かなりの確率で書類選考は通過するようになり、数社から、面接で内定を得ることもできました。
転職候補先の選択肢に関しても、自分で能動的に”仮説”を設定し、発想の”水平展開”することで広げることが可能です。
どういうことかと言いますと、例えば、ある会社の求人情報を耳にした時に、単にどの求人情報が自分の希望に合うかだけでなく、その会社の置かれている外部環境(市場、競合先との関係、ブランド、風評など)や経営戦略の観点から、別の部門でも、自分がはまりそうな求人ニーズがあるのではないか?と仮説を設定することができます。
もう少し、具体的にいいますと、例えば、ある会社が、海外営業の要員を中途採用で、探している場合、同じ会社で、国内事業で関連する営業ポジションでも求人ニーズがないのかとか考えることもできると思います。また、ある業界のA社が、あるポジションの求人している場合、同じ業界の競合のB社やC社も潜在的には同様の求人ニーズがある可能性があると思います。
それ以外には、規制緩和される業界(少し前は通信業界、最近だと、世間をいろいろ騒がせている電力やガス業界などがありますよね)だと、既存の大手(電力会社やガス会社など)と新規参入組(いわゆる新電力など)の競争が勃発します。
これは、少し、俯瞰してみると、その業界でのパワーバランスの移り変わりとも言え、既存の大手側は競争が激化して、価格を引き下げる必要性がでてきて、リストラなどで人を減らす必要があり、逆に新規参入組は、人が圧倒的に足りないので、そうした既存大手から人材をヘッドハンティングで採用するなどして、体制を整備していくわけです。
そういう観点に立つと、これも水平転換の発想で、新規参入組のA社があるポジションの求人をしていれば、同じ新規参入組のB,C社も同じような分野の人が足りない可能性が高いと思います。
あと、既存大手が巻き返しを図るために、異業種の他社と業務提携するような場合、この業務提携先候補例えば、求人していれば、同じような業務提携候補先も同様の求人を考えていてもおかしくないですよね。
こういう水平転換の発想を信頼できる転職エージェントさんとブレストをしながら、行い、求人がでていない段階で、転職エージェントさん経由で、潜在的に求人ニーズがありそうな会社にコンタクトしてもらい、求人ニーズをある意味、掘り起こしてもらいました。
そういうケースの場合、企業側に具体的にイメージを持ってもらうために私の職務履歴書を匿名ベースで渡してもらい、こういうキャリアの人を中途で即戦力として採用すると、競合先のB,C社と差がつけられたり、大手既存会社との業務提携の話をスムーズにできてりしませんか?と転職エージェントさんから提案(囁き)をしてもらうケースもわりとありました。
そうした掘り起こしから、面接がスタートし、内定までもらえたケースも2回ありましたが、もともと、求人ニーズが顕在化していない段階で、掘り起こして、プロセスを進めているので、私ありきで、企業側が選考を考えることになり、面接の場でも、企業側の私を採用したいという強い意向を感じ、処遇などの条件交渉も非常に有利に進めることができました。
情報が入ってくるのをただ待っているという受け身の姿勢から、情報を自ら取りに行き、場合によっては、潜在的な求人ニーズを掘り起こしてやるという能動的なアクションを取る姿勢に変換することで、入ってくる情報の量や質も格段に変わりますし、自分が有利に物事を進めることができると思います。
構えることはないので、まずは、複線的なキャリア構築の観点で、転職も1つの選択肢として考え、信頼できる転職エージェントさん探しから始めてみてはどうでしょうか?その上で、発想の水平転換で、求人ニーズを掘り起こしていくという試行錯誤は現職での普段の仕事にも役立つ部分があるかと思います。(ある意味、業界研究、競合先の戦略研究、業務提携先探しと共通の部分もあると思いますので)
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