Logic Pro x 付属エフェクト使い方解説

記事
音声・音楽
・Logic Pro x 付属のEQいっぱいあるけど、どんなときにどれを使えばいいの?
・EQを使う目的は?
・実際にどうやって使えばいいの?

今回はこのような疑問を持っている方向けにブログを書いてみました。
少しでも参考になればと思います。


本記事の内容

1. EQの使用目的は主にこの2つ

2. Logic Pro x 付属のEQを全て解説

3. EQの適用例とポイント解説


この記事を書いている私はプロのエンジニアの元で2年ほど作曲・ミックスやマスタリングのエンジニアリングについて学んできました。
現在はココナラで楽曲制作のサービスを出品もしております。
ここではその経験や知識を元に解説していきたいと思います

■EQの使用目的は主にこの2つです


・音源そのものを補正する

サンプル音源などの音そのものを補正することができます。
例えば、
「このキックなんかいまいち存在感が足りない気がする」
といったときに、
80Hz付近などの低域をEQで突くと、より低音が強調されたキックの音を作ることができます。
自分の理想のサウンドを目指すことが目的になります。

・全体の音のバランスをとる

こちらは、サウンドデザインされた全ての音と音のバランスをとるミックスの作業です。
このとき、低域はこの楽器、中低域はこれ、高域はこの楽器といった、その音が全体でどこの周波数帯を担っているのかを明確にする必要があります。
もしも、1つのセクション内で異なる楽器が同じ周波数帯を強く持っていた場合、音と音が干渉しあって全体的にごちゃごちゃとした印象になってしまいます。
そんなときに、どちらかの特定の周波数帯をEQでカットして、音成分としての役割を明確にすることができます。


■. Logic Pro x 付属のEQを全て解説


さて、EQの主な使用目的についてわかったところで、Logic Pro x に元々付いているEQの種類について見ていきましょう。
付属のEQは全部でこちら。

・その①:Chnnel EQ
・その②:Linear Phase EQ
・その③:Match EQ
・その④:Single Band EQ
・その⑤:Vintage EQ Collection



□その①:Channel EQ

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・特徴

EQの中でも最も使用頻度の高いEQです。
いわゆるパラメトリックタイプのもので、
リアルタイムで音の波形が表示されるので視覚的に操作しやすいというメリットがあります。
サウンドデザイン的に音そのものを特徴付けたり、ミキシングの際の音の住み分け的にも使えます。

・機能

・3種類のカーブ 
 ハイパスフィルター、シェルビング、ピーク。それぞれのカーブを使って不 要な周波数をカットしたり、足りない周波数を上げたりできます。

・3つのパラメータ
 Channel EQの下部に各周波数ポイントの情報が数字で表示されています。
 上からカーブポイントの周波数、カットブースト量、カーブの幅を指定でき ます。

・Analyzer
 右下にあるAnalyserボタンを有効にすると、今流している音の周波数がグ ラフ上に出てきます。この波形グラフを見ながら処理できるのが最大の魅力 の一つです。

・MS処理
 Stereoと書かれたところをクリックすると、Stereo, Left Only, Right 
   Only, Mid Only, Sid Onlyという選択肢が表示されます。
 これは、ステレオで流れている音源のEQをかける場所を限定することがで きます。
 例えば、1つのトラックにMid OnlyでEQ処理したものと、Sid Onlyで処理 したものを2つ挿せば、MS処理したトラックを作ることができます。 

□その②:Linear Phase EQ

スクリーンショット 2021-04-18 8.59.05.png

・特徴

Linear Phase EQ、見た目はChannel EQとそっくりですね。
ですが、こちらの方は位相ズレが生じないという特徴があります。
通常EQで音をいじると位相のズレという現象が生じてしまうのですが、Linea Phase EQは位相ズレなく周波数帯をいじることができます。
しかし、その分CPUの負荷が高いというデメリットもあります。
マイクで録音したトラック同士の位相をそろえたいときなどにこのEQが使われます。

使い方

使い方はChannel EQとほとんど同じです。
CPUの負荷が高いので、極端なEQ処理が必要なトラックには使わない方が良さそうです。

□その③:Match EQ

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・特徴

Match EQではレファレンス曲の周波数を検出し抽出し、自分の楽曲にレファレンス曲を元にしたEQ処理が行えます。

・使い方

こちらについては後日お話ししたいと思います。

□その④ Single Band EQ

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・特徴

Single Band EQは、名前の通り、一つの帯域に必要なEQ処理を行えます。

・機能

・5つのモード
 Low Cut, Low Shelf, Parametric, High Shelf, High Cut。
 Channel EQでも紹介した3種類のカーブのことですね。

・3つのパラメータ
 左からFrequency, Slope, Q Factor。
 Frequencyは処理したい周波数の指定。
 Slopeはカット量の指定。
 Q Factorは帯域幅の指定。

□その⑤:Vintage EQ Collection 


・Vintage Console EQ
・Vintage Graphic EQ
・Vintage Tube EQ

vintage EQ Collectionは、1950年代、60年代、70年代のクラシックEQをモデリングしたプログインです。
トラックの音色にキャラクター付けることができたりします。

・それぞれの機能

・Vintage Console EQ
スクリーンショット 2021-04-18 9.15.09.png

・4つの周波数処理(Low Cut, Low Gain, Mid Gain, High Gain)
 Low Cut:50, 80, 160, 300Hzの周波数帯でEQ処理可能。
 Low Gain:下のつまみで35, 60, 110, 220Hzに周波数指定。上のつまみで      カットもしくはブースト量を指定可能。
 Mid Gain:0.36, 0.7, 1.6, 3.2, 4.8, 7.2kHzに合わせられる。
 High Gain:High Gainの周波数は12kHzに固定されている。

・Vintage Graphic EQ
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・特定の周波数処理とtuneによる調整
 10個のEQ帯域で±12dBのカット、ブースト処理を行います。
 左上のTuneの数値を変えて標準時の周波数帯を変えることができます。

・Vintage Tube EQ
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・上部セクション
 低域と高域の処理が行えます。
 Low Freqで低域の周波数を指定。
 Low Boostでブースト量を指定。
 Low Attenでカット量を指定。
 高域ではブーストとカットで手順が異なります。

 ブーストの場合、

 High Freqで高域の周波数を指定→High Bandwidthで帯域幅を指定→High  Boostでブースト量を指定。

 カットの場合、

 High Atten Selで周波数指定→High Bandwidthで帯域幅を指定→
 High Attenでカット量を指定。

 という感じです。

・下部セクション
 下部では中域の次の処理を行えます。
 低中域のブースト、低中域のカット、高中域のブースト。

 低中域のブーストの場合、

 Low Freqで低中域の周波数を指定→Low Peakでブースト量を指定。

 低中域のカットの場合、

 Dip Freqで周波数の指定→Dipでカット量を指定。

 高中域のブーストの場合、
 High Freqで周波数の指定→High Peakで


という感じで、今回はここまで。
次回「3. EQの適用例とポイント解説」をやっていこうと思います。

エフェクトは実際に手で触って、音を聞いてみてをひたすら繰り返すことで気づいたら身に付いてきます。

どんどん取り入れた知識を実際の音楽制作でアウトプットしていきましょう。


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