わかってくれない悲しさと怒りと

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コラム
(言いたいことは後半です。) 

私、いまは某国内生保会社に勤務して1年ほどになります。

これだけいると、まぁ悪しき習慣というか「業界の常識は世間の非常識」的なことがいくつも見えてきて、時々いやになることもあります。

その中でも「記念月」と呼ばれる、年に3回ほどやってくる月。
何が記念なのかというと、この月の1日は全力を尽くして、契約を入れることが営業職の義務になっているんです。(笑) 
もし何も契約がないとなると、周りから白い目で見られる(と思う)  
おまけに必ず500ポイント達成しないといけない!

 超プレッシャーです。

 ザ・営業の世界でしょ。
 恥ずかしながら、入社以来ずっとこの1日に成績を入れることが出来なく、おまけに月末までに目標達成できずにいたので、周りの先輩さんから「もう少し頑張りな!」とか上司からは「頑張ってるのはわかるんやけど・・・。」と呆れられていました。

 「絶対0はイヤ、だけど見込客もいない・・・。」
今まで新人だったしできなくて当たり前と自分を慰めてきたけれど、そろそろそんな言い訳も通用しなくなっている雰囲気。

今度の記念月こそきちんと契約もらえる人を探そうと、頼み込んだら入ってもらえる身内を探しました。

 そして夏に実家に帰ると決まった時、前から連絡しようと思っていた、20年近くあってない弟にドキドキしながら連絡を入れました。

 弟とはそんなに仲が悪いわけではなかったのですが、ずっと連絡を取っていない気まずさ。頼みごとがある時だけ連絡してくるってわたし結構性格悪いですよね。

実家で弟と同居している父親に保険のことをごちゃごちゃ反対されたり言われたらイヤだなとか、やっぱり本人に断られたらイヤだなとかぐるぐる思考がよぎる中、何度も連絡して、勇気だして電話口でなんとか伝えたら予想外に保険に入ると言ってもらって、バンバンザイ!

 これであの記念月の胃がキリキリするプレッシャーから逃れられると思うと、とても嬉しかったです。

 弟の契約はその後いろいろあって、安い保険の設計ができなくシニア向けの保険しか作れなかったりしたりながらも、帰省して会う日時も待ち合わせ場所も、久しぶりだしお昼ご飯を一緒に食べようということも決まりました。

それでも、当日遅刻してきてヤキモキしたり、他にもなんやかんやといろいろ気を使っての契約当日でしたので、無事に事が済んだときはホッとしてとてもうれしかったのです。

 「あぁ本当に良かった。」
なのになのに、その今までの気遣いとか努力とか全部否定されるようなことを後日、会社の人から言われたのです。
 会社のお偉いさんから
「どうして今月成績無いのに、来月の契約を先に入れるの?順番としておかしいんじゃない?」


確かにそうなんです。
今月の成績がまだ0のうちに来月の成績を入れようとしている私が少し変なのです。記念月のプレッシャーから解放されたいあまりの行動だったので、指摘されても正論だし言い返せやしない。
でもちょっと腹が立ったので、私の気持ちをわかってくれそうな直属の上司にそれを話しました。

そうしたら
「みんな同じ条件でやってるんだし、そういわれても仕方ないよね」
と言われてしまったのです。

「ええええーーー?
1日に成績入れろ入れろうるさいしやってやってるのに、なんなの??
あんたがシニア向け保険でいいって言ったやん!!
こっちだって会社のためと思ってやってるのに、その言い方ってないじゃん!!
今月成績無いのは知ってますよ、そんなこと言ったって何をいつ入れるってこっちの勝手やろ!
ホンマに腹立つ!
どんだけ私が頭下げて頼んで、気を使って、スケジューリングして契約もらったと思ってるの?
なのにそんな言い方?そりゃないでしょーーーーーーーーー!!怒」
心の声です。目の前で言ってません(笑)


努力してきた私の気持ちを分かってくれると期待していたのとは真逆の上司の言葉に心底傷つき、むくれ顔になり、唇とんがらせて、よそよそしい態度になり、
「もう絶対会社のわけわかんないルールに従うもんかっ!」
「ほんまになんなの?
やったことが評価されないって、こんな悲しいことあるかしら?」って怒りで腹立ちがおさまりませんでした。


この一連の出来事を家に帰って夕食食べてるときに、ためらいながらダンナに話しました。
なぜためらいながらかというと愚痴ると必ず「聞いてもいないアドバイス」が返ってきてイヤになる過去があったから。
だけど、どうしても腹の虫がおさまらない!

意を決して話すと、ダンナは予想外にも私の話に耳を傾けてくれました。

そして、
「まぁ会社ってそんなもんだけどさ。
そんな無理なことばかりやるから、みんな辞めてくんだろ?
ボクも過去、じぶんの勤務先での愚痴を君に言ってたこともあったけど、
やっと君も僕と同じそういう立場になったんだねぇ・・・」
聞いて共感しつつ、いままでの「聞いてもいないアドバイス」をしてくるのとは全く違った雰囲気に驚きました。

およよよ?こんな優しい人だったか?

でもその後、ダンナは驚くようなことを言ってきたんです。
「でも今でも恨んでるけど、過去まゆみはボクが会社の愚痴をこんな風にいうと そういう職場を好きで選んでるのでしょ とか言ってさ、
ぜんぜんのボクの愚痴を聞いてくれなくて、すごく傷ついた。」と・・・。


あぁぁ、そうだったのか、今回私が会社や上司から正論を言われて、気持ちを全くわかってくれないと感じた傷ついた気持ち。
やってきたプロセスを全く評価してもらえない落胆の気持ち。
全く自分の気持ちを聞いてもらえていないと感じた時に味わった残念な気持ち、悲しさ、怒り。

私は今日会社の人によって味わったけど、私は同じこと旦那に味合わせてたんだ。

私ってなんてひどい人間。

この傷ついた同じことをダンナにやってたなんて。

これずっとやられてたら、かなり根に持つなぁ・・・。

そう思ったら今までダンナに対し、やってくれないことだらけで不満いっぱい愚痴いっぱいだった私が恥ずかしくなった。

お勉強ばかりで心理の本をかじったくらいで、分かった気になっている自分が恥ずかしくなって、小さくなって、ちょっとポロって泣きそうになった。

「ごめん・・・・」
小さな声でつぶやいた。

旦那の反応はあまりなかったけれど。


そして、次の日。
いつも心理セッションしてもらっている大先生にこの出来事やダンナとのやり取り、顛末や感じたことを伝えたら、「よく旦那さんに謝れたね!」ととても褒められました。

なんだかとてもうれしくて、大先生に褒められたんだよって旦那に伝えたら、
今度は急にドーーーと滝のように涙が流れてきて、
何回も本当にごめんなさいごめんなさいって腹の奥底が言っていました。

そんな私をダンナさんは優しく抱きしめてくれて、背中ポンポンって赤ちゃんをいたわるようにしてくれました。

「こんなにもいいダンナさんだったんだ。」

長いこと夫婦関係が悪く、改善に努めてきた私でしたけれど、振り返ってみれば私はダンナさんに不満をぶつけ、相手が変わってくれることを望むばかりでした。

ところが思わぬ出来事から、こんなにも自分がダンナさんを傷つけていたことに初めて気が付いた。本当にこの出来事があってよかったと思った瞬間でした。

人間って自分がされてきた嫌な出来事はよく覚えているけれど、自分が相手を傷つけたことって全然覚えていないものなんですよね。

こういった自分の在り方に気が付ければ、今まで自分を満たしてくれなかった相手への不満や愚痴などどこかに吹き飛び、どうでもよくなってしまいます。


日々、人や出来事に対して傷つけられたと「被害者の立場」をとってしまうこともあると思いますが、気づかないだけで「加害者の立場」になっていないか振り返ることも大切。
こちらのほうが実はとても難しいことなのだと思っています。

つくづく、人のお話を聞くって簡単なようで、難しいですね。




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