コンクリートの中性化とは?

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中性化とは、空気中の二酸化炭素により、コンクリート中の水酸化カルシウムが徐々に炭酸カルシウムになり、コンクリートのアルカリ性が低下する現象をいいます。

アルカリ性が低下すると聞くと良いイメージを抱かれる方も多いかと思います。
何故なら化学の実験や日常では洗剤などでアルカリ性、酸性の薬品は危険だと学んでいるからだと思います。

アルカリ性→中性になるってことは安全になるイメージがありますが、コンクリートにおいてそれは全くの逆のイメージになります。
アルカリ性だと何が良いのか、それは・・・
鉄筋を錆から守ってくれるということです!

建築において、コンクリートは鉄筋と共に鉄筋コンクリートとして使用されます。(俗にいうRC造ですね)

鉄筋が錆びてしまうとサビにより鉄筋が大きくなりコンクリートを破壊してしまいます!
コンクリートに問題が出てくるのではなく鉄筋が原因でコンクリートに悪影響が出てしまうのです。

ではどうすればこの中性化を防ぐことができるのか、この辺りが建築士試験では問われてきます。
原因が二酸化炭素であるため完全に防ぐためには二酸化炭素の無いところにコンクリートを持っていけば良いのですが現実的ではないですよね(笑)

大事なことは、コンクリート全体を中性化させないようにすることではなく、鉄筋周りのコンクリートを中性化させないようにすることです!
早い話が中性化範囲(二酸化炭素)を鉄筋周囲のコンクリートまで到達させなければOK!

具体例としては
①コンクリートの外側から鉄筋までの距離を遠ざける
②コンクリートを緻密にする

建築士受験のためにはこれだけ覚えれば十分です!
では実際に過去問を見てみましょう!(全て正答肢にして類題はまとめています)

コンクリートの中性化は、水和生成物が空気中の二酸化炭素と徐々に反応することにより生じる
↑二級建築士構造平成27年No.21、平成15年No.21で出題されています
水和生成物とは、その名の通り水と反応して生成される物体です。冒頭に述べた通り今回は水酸化カルシウムのことを言います。


コンクリートの中性化速度は、水セメント比が小さいほど遅い
↑一級建築士構造令和元年No.28、平成24年No.28、二級建築士構造平成15年No.21で出題されています
水セメント比が小さい=水が少なくセメントが多い=コンクリートが緻密なので二酸化炭素の影響を受けにくくなり、中性化速度は遅くなります。

コンクリートの中性化速度は、圧縮強度が大きいほど遅い
↑一級建築士構造平成23年No.28、二級建築士構造平成30年No.21、平成29年No.22、平成26年No.22、平成22年No.21、平成20年No.21で出題されています
圧縮強度が大きい=コンクリートが緻密です。コンクリートの密度が大きいから強いというイメージでいいかと思います。二級建築士では何度も出題されているので二級建築士受験の方は必ず覚えましょう!


過去問は以上になります!
今回の内容でわからないことがあったりもっと知りたいことがある方は建築士の学科試験勉強法を以下のサービスにて提供しておりますので見ていただけますと幸いです。


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