誰の実績?

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誰の実績?

就職活動で過去の経歴や実績をアピールする場面は多いと思いますが、限られた機会と時間の中でアピールする実績とは何でしょうか?この記事では、過去の実績のアピールのコツを紹介します。


過去の経歴や実績を聞く理由は?
過去の経歴や実績は、履歴書(レジュメ)や面接(インタビュー)などでアピールする事が多いと思います。 ところで、読者の皆様は、何故、採用側は過去の経歴や実績を知りたいか考えた事がありますか?

この記事では、プログラミングなど、主に技術系の仕事の就職活動について考えてみます。 当然これは、応募する職種によって違ってきますが、技術系の仕事の場合、応募する人が採用された場合に、新しい職場でどんな事ができるかが一番知りたいポイントです。つまり、今までどのような経験を積んできたので、新たな職場では、何を任せられるかを考えている場合が多くなっています。

従って、それを踏まえた伝え方ができれば、他の候補者に比べて有利な立場に立つ可能性が高くなります。

よく見かける経歴は?
では、よく見かける経歴にはどんな物があるかというと、多いのが「プロジェクト」の説明が非常に多いかと思います。 技術系の仕事なので、関与したプロジェクトを中心に経歴や業績をアピールすると言う事です。

具体的には、プロジェクトの概要を簡単に説明して、そのプロジェクトの成果物(製品・商品)が幾ら売り上げたかを中心に書いて、自分はそのプロジェクトに従事したと言うような感じの物です。

プログラミングの開発の例を挙げれば、開発した XXX を支援するアプリの話として、「半期で 100 万件売り上げたアプリの開発に開発リーダーとして従事した」あるいは「半年で 100 万件売り上げたアプリの開発に開発リーダーとして貢献した」のような感じで書く場合です。

華々しい経歴の様に見えますが、相手が開発に関わる技術者が、これをみてどの様な印象を受けるか想像してみてください。

一言で言うと、これは「プロジェクト」あるいは「開発したアプリ」の説明に近い表現です。「半期で 100 万件の売り上げ」、つまり人気商品と言う事です。文面通りに解釈すると、その「人気アプリを応募者が作った」と言うことになりますが、多くの場合、そのようなアプリを一人で作ると言うケースは余りありません。そうなると、疑問に思うのが、応募者は実際に「何をした」のだろうと言うのが、実際に知りたい事になります。しかし、この表現ではそれが伝わってきません。

違いがわかる書き方が必要
こうした「プロジェクトや商品を中心」にした表現だと、その開発に関わった人ならば、ほぼ同じ表現になってしまいます。 しかし、同じ開発チームでも、開発方針を決めて開発を主導した人と、作成したプログラムの試験をした場合では実際に行った事は大きく変わってきます。「開発を主導」と「プログラムの試験」は全く別の仕事です。その違いをハッキリさせないと、その人が「何ができる」かは分かりません。試験をするポジションに応募する場合ならば、「試験をした事がある人」の方が良いわけですし、開発チームのマネージャーやリーダーを探している場合、「開発を主導」した人の方が有利になります。

それに比べると、プロジェクトや商品の説明は優先度が低くなります。もちろん、大きなプロジェクトの統括者などを探している場合は、そのプロジェクトの規模や、プロジェクトにおける責任範囲なども興味の対象になりますが、一般的なエンジニア(開発者)の採用では、実際に行った具体的な仕事の内容の方が重視される傾向にあります。

従って、より魅力的な書き方は、プロジェクトや商品のどの部分をどの様な立場で仕事をしたか、どの部分を担当したか、どの様に仕事を進めたかなどを書いた方がより、採用元の会社に興味を持ってもらえるという事になります。

相手によっても違う興味
もう一つ大切なことは、その経験や業績を「誰」に伝えるかという事です。 例えば、会社の重役の方、採用後配属される部門のマネージャー、採用後一緒に働く同僚では、当然ですが興味の対象が変わってきます。 一緒に働く人は、一緒に働きやすい(一緒に働きたい)人かは大きな関心の一つですし、技術的なスキルも気になる所です。それがマネージャになると、もちろん技術的なスキルは気になると思いますが、働き方のスタイル(仕事の進め方や、上司、同僚とのコミュニケーション)なども気になる部分です。ところが、会社の重役クラスの場合は、採用後に一緒に働くケースは少ないので、もう少し長い目で見た人材としての興味、例えば、採用時はエンジニアとして採用しますが、ゆくゆくは、開発のリーダーとして活躍してもらいたいと思うと、リーダーとしての資質なども興味の対象になります。

面接の場合には、話の方向性である程度その人がどの様な立場で何を知りたいのかを見つけ出すチャンスがあります。一方で履歴書(レジュメ)などの場合は、書くまえに誰がこのレジュメをどの様に使うかを想定しないと、何をアピールするかが絞れません。 実際問題として、アメリカの会社では、面接候補者の絞り込みにも利用されますが、それ以外の目的、例えば面接時の質問の糸口としても利用されます。そう考えると、面接の候補者として選ばれるための書き方も必要ですが、面接でのやり取りを想定した書き方も重要になってくる事になります。 さらに、誰が面接の候補者を選んでいるかも重要なポイントになります。人事担当が主導で選ぶ場合と採用後配属される部門のマネージャーが選ぶ場合では選考基準が変わってきます。一般に人事部門の人の多くは技術的な詳細はわからない場合が多いですが、採用後に配属される部門のマネージャの場合には、技術的なこともかなり詳しい場合が多いかと思います。

最近はインターネットなどでそうした情報が得られる場合も多いので、事前に調べてアピールする実績を考えると有利に事が進みます。

まとめ
就職活動でアピールする経験や実績は、できるだけ相手に「良く」見せたい物です。 大きなプロジェクトに関わった経験がある場合、どうしてもプロジェクトを中心にアピールしたくなると思いますが、その前に今一度、相手が誰で、何を知りたいと思うかを考えてみるとアピールする内容が大きく変わってきます。

多くの場合、プロジェクトその物よりは、実際にあなたがそのプロジェクトの中でどんな仕事をしたかが重要視されます。

あなたの立場はどんな立場だったのか、実際には何を、どの様にやったのかを丁寧に説明する方が好感を持たれます。
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