今回はフィギアスケートの点数のつけられ方についての研究を紹介します。
僕はフィギアスケートをあまり観ませんが、たまたま観ていた時にふと思ったことがあります。
それは、後の選手になればなるほど点数が高くなっていくということでした。
これって明らかにバイアス(思い込み)にかかっているんじゃないの?って思いました。
で、その真相がわかった研究がありましたので、それを紹介しようと思います。
実際はどうなんでしょうか。
フィギアスケートは後の方が有利なのか?
カーネギーメロン大学のウェンディ・ブルーイン・ド・ブルインは、1994~2004年のフィギュアスケートの大会を分析し、当時のルールで滑走順を抽選で決めていた試合で、後に出場した選手の方が有利に働くのかどうか調べた。
当時のルールでは、フリープログラムの滑走順がショートプログラムの滑走順の得点によって決まっていた。
ショートプログラムの得点が高ければ、フリープログラムは後になり、低ければ最初の方になる。
これは審査に二重の問題があった。
ランダムな抽選がショートプログラムを滑走順を決定し、最終的にはショートとフリーの両方の得点を決めてしまう。
フリーの滑走主を逆さにすれば、バイアスは確実に減少する。
つまり、滑走順で有利に働いてショートで高い得点を獲得した選手は、フリーでは滑走順を最初の方にして、もう一度自分の実力を発揮して、ショートの高い得点を発揮しなければならない。
ショートで滑走順が早く、得点が伸びなかった選手はフリーでショートでの振りを帳消しにすれば公平な条件で戦える。
しかし、分析の結果、滑走順が後になればなるほど、得点は上がっていった。
これは即時性バイアスと呼ばれる心理作用で、人間が意思決定をする時に、過去の感情よりもその場の場の感情に大きく影響を受けてしまうのです。
これがコンクールの結果を大きく左右してしまっているのです。
ちょっと一言
「へーこういうことがあるんだな」と思いました。
ということは、体操とか人間が審査するようなスポーツってフィギュアスケートと全く同じでないにしろ、同じようなバイアスにかかってしまうんだと思います。
もちろん、審査員たちが全力で心理学やバイアスについて勉強すれば話は別になるかもしれませんが、多分自分たちはそんな思い込みに左右されているわけないと思っていたら絶対にしませんし、それもバイアスです。
また、審査員たちが自分は平均的な審査員よりも上だと考えることもよくあると思います。
こういうのを平均以上効果と言います。
まぁ、色んなバイアスにかからないことに越したことはありません。
参考文献
Save the last dance for me: unwanted serial position effects in jury evaluations