インフラ建設の費用がバカみたいに大きくなる理由とは?

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今回は、インフラプロジェクトのコスト増加の原因に関する研究にについてです。

こういうのって間接的にみなさんの税金も使われていますが、いまいちピンときませんよね。

例えば、みなさんが登山を趣味にしようとしたとしましょう。

そこで考えるのは装備だと思います。

登山用の靴やバッグに服に、・・・その他諸々。

もちろん、その間登山は先延ばし。

また先延ばしをした分だけ何かを買い足したりすることもあって、費用は膨らむ一方だったりするかもしれません。

わかりやすいように極端に書きましたが、よくインフラの費用のニュースを見ると、費用がどんどん膨らんでいると思いませんか。

(オリンピックとか)

あれには、心理的な理由が1には絡んでいるのです。

インフラのコストが莫大になる要因!

オックスフォード大学のベント・フライヨルグによる調査は、900億米ドル相当の258の鉄道、橋梁、トンネル、道路プロジェクトのサンプルに基づいて研究を行った。

焦点は、
(1)プロジェクト実施フェーズの長さ
(2)プロジェクトのサイズ
(3)プロジェクト所有権のタイプに対するコストのエスカレーション

まず、統計的有意性が非常に高いため、コストのエスカレーションは実装フェーズの長さに強く頼っていることがわかった。

意思決定者と計画担当者は、大幅なコストが高まるリスクにつながるため、遅れと長い実装フェーズについて非常に危ういこともわかった。

第2に、プロジェクトは時間とともに大きくなり、橋やトンネルの場合、プロジェクトが大きくなるほど、コストが増加した。

最後に、3種類のプロジェクト所有権(民間、国有企業、およびその他の公共所有権)のコストのエスカレーションを比較した結果、公共所有権には問題があり、コストの増加を抑える上で、有効な民間所有権は単純化しすぎていることがよくあった。

これらの原因の1つに、プロジェクトマネージャーが細かいことに集中しすぎ、過度に楽観的になることみたいです。

外部視点を入れると安くなる!?

フライヨグルたちは、スコットランドの鉄道建設プロジェクトについて研究した。

そのプロジェクトでは、外部のコンサルティング・チームが実際にアナロジー(類推)のプロセスを使って、当該のプロジェクトの詳細を無視して、構造的に似ている他のプロジェクトに焦点を当てた。

チームは、このプロジェクトでは、詳細な情報を活用して建設プロセスが厳密に分析したことを確認した。

ところが、総費用3億2000万ポンドという見積額は、他のプロジェクトアナロジーを使うと相当低いと判断された。

実際に、その鉄道が3年遅れで開通した時には、費用は10億近くになっていた。

それ以降、イギリスのインフラプロジェクトでは外部視点のアプローチを導入するようになり、過去の多くのプロジェクトとの比較を強制するようになったみたいです。

ちょっと一言

日本のオリンピックやリニアモーターカーなんてまさにそれなのかなと思いました。

僕が勝手に思っているだけで真意はわかりませんが。

まぁ、大きな事業は複雑すぎてわかりませんが、複雑(だからこそというべきかか)だけど外部視点を入れれば、かなり費用が減らせるみたいですね。

だから、自分がこれからやろうとしていること、今やっていることと似ていることをやっている人をどんどん探せば、外部視点が強化され、余計な費用(エネルギーや手間、時間)も減らせるはずです。

少しで良いので探してみては。

参考文献
What Causes Cost Overrun in Transport Infrastructure Projects?
Curbing Optimism Bias and Strategic Misrepresentation in Planning: Reference Class Forecasting in Practice

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