木は触れられるのを嫌がっている
先日、伊勢の神宮へ参拝した知人から聞きました。
ご神木に群がって、何人もの人がご神木に抱きついていたそうです。
イメージ画像です。
こんな人が大勢いて、「セミか」と思ったそうです(笑)
全国の神社にはご神木という聖なる木があります。
伊勢神宮だけでなく、あちこちでこういう人を見かけます。
自分の欲望を満たしたいためだけの迷惑行為です。
おそらく、一部のスピリチュアリストの「ご神木からエネルギーをいただく方法はこれです!」みたいな変なアドバイスに従ってやっているのでしょう。
「ツリー・ハグ」という洒落たネーミングでインスタグラムに投稿された記事もありました。
ご神木をはじめ、神社境内の木々のほとんどは人間に触れられることを嫌います。
品性のない人に対しては、近寄られることさえ嫌がります。
それを知らないまま、「癒されたい」「パワーをもらうんだ」といって、木々の許しもないままに自分勝手に抱きつくのですから、人間にたとえると痴漢や強制わいせつと同じです。
また近づくことによって、地面の中の根っこを踏んでいます。
他人に足を踏まれて嬉しい人はいないでしょう。
人に対して無礼な行為は、木にもしてはダメですよね。
神社の木々は霊性が高い
ご神木などの巨木は、人間よりもはるかに高い霊性を持っている存在です。
木からすれば、「人間ごときが気安く触るんじゃない」といったところでしょう。
ではご神木から恩恵を得ることができないかというと、決してそうではありません。
少し離れた場所で手を合わせ、「どうか私に力を授けてください」と真摯に祈ってください。礼儀をわきまえ、きちんと筋を通せば、力を分け与えてくれます。
許可された場合を除いて木々には触らない
一部の神社では、木に抱きついてもOKなところがあります。
静岡県掛川市の事任八幡宮のご神木。
埼玉県川口市の鎮守氷川神社のご神木。
このように、神社側から「どうぞ触れてください」と明確に示されている場合以外は、触るのは控えるのが良いでしょう。
ご神木はご神体と考える
ご神木は神様の依り代にもなっています。
言い換えると、ご神木はご神体ともいえます。
ご神木がご神体なら、直接触れようとすることが、どれだけ失礼に値するかお分かりになると思います。
昨今ではパワースポットブームの影響で、私利私欲だけを求める参拝者が増えて、負の「気」に満ちた神社が多くなりました。
ご神木も同様、元気がなくなりつつあるのを感じます。
どうぞ清い気持ちと敬意をもって、ご神木と向き合ってください。
祈りが届くかどうか、願いが叶うかどうかは参拝者の心次第です。