漆黒すぎるブラックなベンチャー企業での実体験|前編

記事
コラム
どうも。ユウです。

これ出来なかったら窓から飛び降りろよ
お前は息を吐くようにウソをつく。何も信じられない
死んだ親父が迎えにきているんじゃないか?机の上に花束でも置いとけ
(父親が亡くなって体調を崩し休んでいる社員に対して、本人が不在の時に言われた言葉)


ブラックなベンチャーで働いている時に聞いたことのあるセリフです。常軌を逸してますが、こんな環境でした 笑

2年くらい働いてましたが、その環境で無事に生き抜いたことで自分のメンタルは最強になっていると思っていました。でも、実際はそんなことはなく、起業した瞬間はメンタルが死んでしまいました。 

ユウのメンタルがどのような変遷を辿っていったかをエピソードをお話させていただきたいと思います。

人生の悩み、職場の人間関係の悩み、キャリアの悩み。生きてたら、働いていたら悩みは尽きないもんです。

でも、悩みが当たり前だと思って日々を辛く悲しく生きていたら人生がもったいない。記事を通して少しでもメンタルを力強くするお手伝いができましたら幸いです。

1.外資コンサルで退職勧奨を受けた後の復活


外資系のコンサルで退職勧奨を受けた後、ユウは人生に迷い続けていた。

文字通り自分のキャリアが死んだかと思った。死ぬまで給料が上がらず、変化も成長もない、一ミリも面白くない仕事を淡々とこなしながら、最悪の場合には結婚も出来ずに孤独死する人生が待ち受けているのではと悲嘆にくれていた。

ありとあらゆる手段を試してメンタルを回復させようと必死になっていた。磁気治療、診療内科、カウンセリング、整体、スピリチュアル、考えられる手段は手当たり次第に取り入れてみた。

ただ、自分の人生が変わる感覚、前に進んでいく感覚が全くと言っていいほど持てなかった。本当に将来が不安で人生に絶望していた。

たまたま出会ったコーチングが転機となり、そこからメンタルは回復していく。自分の軸を見つけられることが出来た。ユウの場合には、「のめり込み」と「盛り上がり」の二つであることに確信を持てるようになった。

仕事でも勉強でも遊びでも、なにかに全力で取り組んでのめり込んでいきたい。一人でやるのではなく、共通の目標を持つ仲間と一緒になって、同じ熱量でやっていきたい。一人でやるよりも何倍も楽しい

これは、ウソ偽りのない本心であった。過去の人生を振り返ると、楽しかった時期にはいずれかの要素があった。

「この二つを実現できる環境はどこにあるのだろうか?」

転職サイトをいくら眺めても答えは出てこない。時間だけが無駄に過ぎていく。そんな中、以前に一緒に働いていた先輩から声がかかった。

2.上場による一攫千金を目指して「界隈では悪名高い」企業へ転職

「今働いている会社でCFOをやってるんだけど、ウチに来ない?これから本格的に上場準備を進めていくんだけど、管理系の人が全然足りてない。ストックオプションもまだ発行できるから、順調に上場出来れば数千万円稼げるよ」

彼とは以前の職場で親しくしており、人柄も仕事も家庭も、すべて尊敬していた。一緒に働いていた時期は確かに楽しかった。

「みなで一丸となって上場に向けて取り組んでいくのは確かに面白そうだ。目標はデカい方がいい。それに、金銭的なリターンが大きいのもとても魅力的だ。3年後に数千万円のキャッシュが入ったらどうしようかな」

当時のユウは完全に浮かれていた。ただ、自分の軸である「のめり込み」と「盛り上がり」は実現できそうだ。

ただし、その会社はブラックであることに定評があった。「働き方がハード、数字に対する詰めが厳しい、離職率が高い」。ハッキリ言ってネガティブな情報だらけだった。

上司となる昔の先輩にその話を聞くと、「大丈夫大丈夫。自分が管理部門を見ているから、そんなハードなことにはならない。一時的に忙しいことはあっても残業は月に60時間ってとこじゃない?」

数か月間悩んだ後に転職を決めることになった。

2.ブラックという噂はやはり本当だった

実際に転職をしてみるとやはり漆黒であった。急成長を遂げている、上場の可能性が極めて高いというのはとても良いことであるが、その裏側にはエゲつないほどの死者が存在していた。

「飛ぶ」という表現が社内では当たり前のように使われていた。過去に在籍した企業では一度も聞いたことがない。夜逃げや犯罪者などに対して使われる動詞が、当たり前のように社内で使われていた。

●年収が1千万円以上で部長として採用された人が一週間で来なくなる
●飲み会に行っただけで社内の圧倒的な圧を感じ翌週から来ない人が現れる
●「目標を達成出来なければ死ぬ」という言葉が社内で蔓延している
●職場で寝泊まりするのが常態化
●24時間働きつづける
●正月の2日から社内麻雀の招集令がかかる
●冒頭に記載したようなパワハラ発言が横行している

例を挙げればキリはない。令和の時代には信じられない狂った環境だった。
ただ、そんな状況下であってもユウのメンタルは意外にも安定していた。

●労働時間が長くても別に死なない。本当に死ぬのは心が死んだ時だ。数年なら大丈夫っしょ
●圧をかけられたところで気にしてもしかたない、詰められたら感情は動くけど知ったことじゃねえ。てめえの都合を押し付けんな
という圧倒的なマインドで過ごすことが出来ていた。

3.そんな逆境でもメンタルを保って力強く生き抜けたコツ

会社自体は圧倒的にブラックではあったが、一緒に働いている仲間のおかげでメンタルを強く保つことが出来ていた。

「表面では死ぬ。無理だ。出来るわけない。」と言いながらも、目標達成に向けて一緒になって取り組むことが出来ていた。

狂っている環境だからこそ、面白い人間しかいなかった。人生に対してとても前向きで、仕事そのものを楽しんでおり、仕事を通して実現したいことがあるやつらばかりだった。

そんな人たちと絡んでいると、自然に自分の心も強くなってくる。「これムリだろ。。。」と自分一人では2秒で諦めてしまうことであっても、数人で「いけるっしょ」と言っていれば本当にいけてしまう。

労働時間とプレッシャーから考えると、時代に沿った働き方ではないし、持続可能性のある働き方でも全くない。アホの極み。ただ、企業の成長と上場というわかりやすいゴールが3年後に迫っていたからこそ出来た働き方だった。

身体も心もしんどい。人生の中で間違いなく一番苦痛だった。それでも、目標と仲間がいることで耐えることが出来た。

チームの構成も良かった。私は左脳系でロジックを整理したり、プロジェクトを設計することが得意だった。立ち回りが上手く寝技で仕事を進められる人、数字が得意で専門知識をもとに正しい道筋で仕事が出来る人、法律に明るく文章が得意な人。

それぞれの強みを組み合わせて、チームとしてパフォーマンスを最大化することが出来ていた。

「しんどいけどこの調子なら2年は耐えられるな!上場の準備を進めていく中で体制も整ってコンプラ意識も上がって乗り越えられるっしょ。」

そのように思い込んでいる自分がいた。ただし、その期待は無情にも裏切られることになる。
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