コインランドリーの新規出店をやめるべきたった一つのシンプルな理由

記事
ビジネス・マーケティング
2年ほど前までコインランドリーを23店舗直営している会社で店舗管理と新店舗開発の仕事をしていました。

70店以上の競合店調査を行ったり、同業他社の社長と意見交換したりしてました。

その経験をもとにコインランドリー業界の今後について、独断と偏見で予想したいと思います。



コインランドリー業界の現状

ご存知の通り、コインランドリーは一時のブームは去ったとはいえ、
いまだに店舗が増え続けています


なぜでしょうか?


それは、『なかなか潰せない』からです。
コインランドリー業界は飽和状態と数年前から言われながらも、店舗の淘汰が進まないのは疎のビジネスモデルの優秀さゆえです。

特徴は次の3つ。
①粗利率が50~70%と高く
②現金商売のためキャッシュフローが悪化しにくい。(固定費が低い)
③無人店舗のため経営に手間がかからない。


経営者がどんなパターンかという観点で見ると、
物件オーナー自らが経営するパターンと、個人または法人が経営するパターンに分かれます。


物件オーナー自らが経営する場合、もともと空き店舗だった自物件を店舗として、フランチャイズ加盟で出店するケースが多いです。
すると、家賃がかからず、もともと低い固定費がさらに下がります。
すると、仮に売上が下がったとしても、赤字になることは稀です。


一方で、個人または法人が物件を借りて(または物件を取得して)、出店するケースですが、
こちらももともとのビジネスモデルが優秀であるがゆえに、
極端に売上が下がっても、投資回収期間は長くなるものの、
真性赤字になることは少なく、結果「潰すに潰せない」状態となります。

これが、コインランドリー店舗が飽和しても淘汰が進まない理由です。


コインランドリー業界の今後について

このように淘汰が進まない現状を新規出店検討者が
「コインランドリーはもうかるからつぶれない」と優良誤認して、
今後も新規出店の流れは続いていくと思います。


ただ、何の工夫もなしに新規出店するはずもないので、ある程度差別化を図っていくことが想定されます。


これまでは、コインランドリーは住宅地に近いロードサイドのコンビニの居ぬきに出展されるケースが大半ですが、新たな出店形態が増えてきています


例えば、カフェ併設、ガソリンスタンド併設、コンビニ併設などの抱き合わせパターンです。
一時、メルカリで売れた商品を出荷できる機能を持ったランドリーもありましたね。今も営業しているのかは知りませんが。

ただ、この併設パターンでもすでに明暗が分かれています

最も相性がいいのは意外にも「クリーニング店併設型」です。
一見、カニバリゼーション(共食い)が起こりそうな組み合わせですが、
本来無人のコインランドリーにクリーニングのプロが常駐することで、
お客の洗濯物がコインランドリーを利用した方がいいのか、
クリーニングを利用した方がいいのか、その場でわかることが強みです。
客層がコインランドリーとクリーニングでは微妙に異なることも強みですね。


で、今後増えてくるパターンとしては既存店舗に『小規模ランドリー』を併設するタイプです。
理由は二つあります。

①初期投資額が少ない。
②ロードサイドだけでなく、出店候補地が広がる。

コインランドリーと言えば、
コンビニの居抜きに出展するパターンが王道だったんですが、
このパターンだと、初期投資で3000万から4000万くらいかかるんですね。
なかなかこれだけのお金をぶち込むことはハードルが高いです。


そこで、小規模で初期投資を1000万から2000万くらいに抑えることで、リスクヘッジするわけです。

既存の別業態の店舗との相乗効果が得られれば、仮にコインランドリーの収支がトントンでもいい、というわけですね。


ただ、よくよく考えると、これって先祖返りなんですよね。
もともとの古いコインランドリーって、ホテルの地下室とか、住宅地のせまっこい土地でこじんまりと営業していることが多かったんです。


それが、ブームとともに大型店が増えてきた。
ただ、大型店の出店エリアが飽和してきたので、今度は小規模店舗が増えるという流れですね。


こんな感じで、利用客の母数が微増、店舗は増加という形が今後5年くらいは続いていくと思われます。

結論、大型店の出店はクリーニング店との併設以外は控えた方がいいでしょう。投資回収できないです。


以上です!
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す