大腸がん-壮年期-ターミナル-ゴードン-2-アセスメント

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【はじめに】

このブログでは、アセスメントの見本をご紹介していきます。
私が看護学生や新人看護師の時、看護過程の展開をするにあたって、どのように記載したら良いか分からずに困った経験があります。
そんな時、先生や先輩のアセスメントの見本を確認させて頂き、
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と今まで悩んでいた書き方が、
一気に整理できるようになりました。

「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、
書き方の見本を参考にすることで、理解が進み、自分の知識も広がります。
また、日本語の使い方や言い回しについて、学習することができるので、文章力をつけることにも役立つと考えています。

ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。


当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。

当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。

注意点を守って活用していただければ幸いです。


内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。

【サービス紹介】

事例の見本を作ってほしい!
アセスメントの書き方がどうしても分からない!
といったお悩みの方は、こちらのサービスを利用もございますので、
興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。




【アセスメント例】

〇患者情報

現病歴:大腸がん末期(リンパ節・肝臓・腹膜への転移)
キーパーソン:夫(会社員)介護休暇を取っている。
身長:158 ㎝ 体重:52 ㎏
感染症:なし アレルギー:なし
その他:腹囲 90 ㎝、るい痩著明
気質・情動:明朗、社交的、責任感が強い、家族思い
食事:3 回/日、好きなものは甘いものと揚げ物、嫌いな ものは野菜類
排泄:尿は 6~7 回/日、便は 1 回/2~3 日(普通便)
喫煙歴:なし、 飲酒:付き合い程度
<発症から訪問までの経過>
医師から「治療を続けるのは困難です。余命は 3 ヶ月あ るかどうかという状態です」と説明を受けた。B さんは 「残り少ない人生なら、自宅で家族とゆっくり過ごし、最 期を迎えたいです」と抗がん剤の治療を受けず、最期まで在宅で過ごす決意をした。
<退院時の医師の説明>
「B さんが自宅でゆっくり静養できるように、疼痛など 辛い症状に対しては服薬を続けましょう。痛みが取れず、 体の辛さが出てきて、自宅での生活に不安を感じたら、いつでも入院できる体制をとっておきましょう。」
<退院時の治療方針>
食事・活動:制限なし
【定期薬】 オキシコンチン 40mg/日(9 時・21 時)、ラ シックス 40mg/日(朝)
【頓服薬】 疼痛増強時:オキノーム 5mg を 1 時間空け て 5 回/日まで可、排便困難児:ラキソベロン液 10~15 滴/回(就寝前)、不眠時:ロヒプノール 2mg/回(就寝前)
<退院時の血液検査の結果>
WBC2,500/µL 、 PLT7.3 万 /µL 、 BUN40.5mg/dL 、 Cr3.5mg/dL、Alb2.3g/dL
<一週間前から本日の訪問までの状態>
排泄:排便は毎日ラキソベロン液 10 滴を服用し、毎日少 量の排便がある。少量の血液混入がある。
睡眠:夜間は眠っているが、時々体の痒みや腰背部痛で覚 醒する。
<訪問時の様子>(退院 1 ヶ月)
夫は「昨夜は目を覚まして『背中が重だるいような、痛い ような感じがする』というので、レスキューを 2 回使用し、背中をさすっていたら再び眠りました。夜になると痒みが増すので本人が無意識にあちこち掻いています。」と少し険しい表情を浮かべて話した。
バイタルサイン
意識清明、体温 36.8℃、脈拍 82 回/分、血圧 98/60mmHg、 呼吸 24 回/分、SPO2:94%、 呼吸音は両下葉共に減弱である。呼吸は安静時も浅く、会 話中に息切れがあり会話が途切れる。腹部は膨満してお り腸蠕動音は減弱で両下肢の浮腫は増強し、皮膚は浸潤し両下肢全体が冷たい。ゆっくり介助で体位を変える、苦悶表情をしている。眼球と皮膚には黄疸を認め、側腹部と上肢に擦過傷がみられた。B さんは「体が重くて、寝ていて足を動かすのも一苦労なの」「日に日に弱っていく感じがするわ」「痛いのもつらいけど、痒いのもつらいものよ」「眠剤を飲むと昼間に眠くなるので飲むのに抵抗がある
わ」「下剤を飲んで便が出ても、お腹の張りは変わらない わね」「今日の昼食は主人の得意のうどんを少し食べたの」と、自分のことについて落ち着いた様子で話した。

〇アセスメント内容 全てのクラスター
〇健康知覚-健康管理 アセスメント内容
【健康知覚-健康管理で記載する内容】
■健康状態  ■受診行動  ■疾患や治療への理解  ■運動習慣
■服薬状況  ■身長・体重・BMI  ■飲酒・喫煙の有無  ■既往歴 など
■大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープが、がん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがある。大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の外まで広がり腹腔内に散らばったり、あるいは、大腸の壁の中のリンパ液や血液の流れに乗って、リンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移する。B 氏は大腸がんの末期状態であり、リンパ節・肝臓・腹膜への転移がみられている。血行性の転移があるためステージはⅣで、病気の根治は困難である。医師からは余命 3 か月と説明があり、治癒が困難であることは理解している。抗がん剤の効果は期待できないため、残された時間を自宅で家族と過ごすことを選択した。
■今後は、がんの進行により、疼痛や腹部膨満感、黄疸による掻痒感、倦怠感などの症状が増強することが考えられる。トータルペインである、身体的苦痛(痛み、息苦しさ、だるさ、薬による副作用、不眠など。)、精神的苦痛(死に対する不安、恐怖、苛立ち、孤独感、疑念、その他、鬱状態も含む。)、社会的苦痛(社会的地位や役割の喪失、収入など経済的問題、相続など家族内の問題など。)、霊的苦痛(後悔、自責の念、人生の意味、苦しみの意味、死生観に対する悩みなど。)の有無を確認しながら関わり、最後の時間をできる限り安楽に過ごせるように支援が必要である。
■癌性疼痛に対しては麻薬であるオキシコンチンをベースに使用している。疼痛をコントロールすることは、終末期を安楽に過ごすために重要である。客観的に評価するためにNSRやフェイススケールなどのスケールを使用して、疼痛の状況を観察する必要がある。痛みの増強や頓服薬の使用量が増えた場合は、ベース量の増加やオピオイドローテーションの必要性を医師と連携して検討する必要がある。痛みの確認方法は夫にも伝え、疼痛管理の協力を得る必要がある。
■B氏の呼吸は24回/分で多く、SPO2が低いため、低酸素血症の傾向がある。両肺の呼吸音が減弱し、息切れも見られるため、呼吸苦があると考える。原因は癌の転移、腹部膨満による横隔膜の拡張不全の可能性がある。いずれも根本治療は困難であり、体位の調整によって安楽を図ることや、医師の指示のもと酸素の投与を検討するなど、苦痛緩和の支援が必要である。
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