KFシステムクリエイター取扱説明書(24)

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マネー・副業
11.おわりに

KFシステムクリエイターは、2007年初頭から開発を始めて同年半ばに雛形が完成しました。その3年ほど前からシステムトレードを実践していたのですが、それはいわゆるギャップトレード(裏デイトレ)であり、銘柄依存の強い、汎用性に欠けるものでした。

裏デイトレではそこそこの利益を上げてはいたものの、2006年には収益が細り始め、2007年にはほとんど機能しなくなりました。
それに代わるべく開発を始めたのが、KFシステムクリエイターでした。

その後はシステムの開発を進めると共に、生活費を稼ぐために裁量トレードにも手を出したのですが、素人同然の身では利益を上げられる訳もなく、システムトレード再開のために残しておいた投資資金を食いつぶすという、最悪の結果になりました。

結局、システム開発は継続したものの、トレードはシステム検証用に少額資金で運用するに留まり、生活費を考慮したプライマリーバランスは恒常的にマイナスという状態に陥りました。
トレードで生計を立てるということが難しい状況になったため、システム開発販売を目的として「KFシステム研究所」を設立し、そちらに主軸を移しました。

以降、KFシステムクリエイターの開発に全精力を傾け、2011年にはほぼ現在の形になりました。しかし、その年の3月、東日本大震災が発生し、投資マインドは一気に沈み込んでしまいました。
その後、システム開発は細々と継続したものの、生活環境の激変などもあり、2014年にはシステム開発も休止状態となりました。

ただ、このままKFシステムクリエイターを埋もれさせてしまうのは忍びないと思い、so-netブログ(現SSブログ)上にて、KFシステムクリエイターFreeを公開しました。
しかし残念ながら、それがどのくらいの人の手に渡り、どれくらいの人が利用してくれたのか、分かりません。

しばらくは、裁量トレードやFXなどで細々とトレードを継続すると共に、メルカリなどで不用品の売却を行って日銭を稼いでいたのですが、2019年夏に久しぶりにKFシステムクリエイターを紐解き、過去に作成したシステムを更新してみて驚きました。

5年以上、中には10年以上も経過したシステムが、きちんと機能していたのです。もしも当時から運用を行っていれば、今頃は一財産築いていたかもしれません。
しかし、当時は残念ながら、システム運用するだけの資金がなかったのです。

そんな中、テレビからしきりに「得意を売るならココナラ~」というフレーズが飛び出すようになり、これも何かの巡り合わせだと思い、システム開発販売の再開を決意しました。
その後、KFシステムクリエイターのメンテナンスを行うと共に、ココナラへの出品を果たし、現在に至っています。

さて、よく言われることですが、「本当に勝てるシステムなら自分だけで運用するはずであり、けして他人に教えるはずはない」という声があります。
これは、いわゆる投資詐欺等の事件の際に、識者の口から発せられることが多いのですが、だからそのような商品は全て詐欺だ、という極論まであります。

これはある意味正しく、ある意味間違っています。

例えば、数か月で資産が倍になるとか、元本が減ることは絶対にない、などと言う勧誘文句は、ほぼ100%詐欺でしょう。そもそも、言葉巧みに購入を迫ったり、期限を急いたり、などというのは、その商品以前に、その人物に不信感を抱かせます。

一方、トレーディングシステムの場合は、事情が大きく異なります。
そもそも、株式トレードだけで毎年資産が倍になるなんてことは、ほとんどあり得ないことであり、それが仮に10年続いたとしたならば、10年後には資産は千倍にもなってしまいます。
100万円でスタートしたならば、10年後には10億円です。その更に10年後には1兆円です。

あのウォーレン・バフェットでさえ、これまでの年率リターンは20%程度(これはこれで凄いことです)であり、しかも最近は大きく成績を崩していると聞きます。
短期的には100%を超えるリターンを得ることもあるでしょうが、長期的に見た場合には、年率20%程度が現実的な目標値なのではないでしょうか?

実は、この20%というのが大きな意味合いを持つのです。

ご存じのように、日本の貸付金利の上限は年利20%となっています。「もしも本当に儲かるのなら借金してでも自分で投資するはずだ」と言う人は、実際に借金をしてみれば分かります。

トレード資金として個人が低金利で融資を受けることなど事実上不可能であり、結局は消費者金融から年利18%もの高金利で借りざるを得ません。その借入総額にも厳しい上限があります。

ましてや、「絶対に儲かるから」とか「倍にして返すから」とか言って、親族や知人に金を無心するのは問題外であり、更には面識のない一般人から、口八丁手八丁で金を集めようものなら、間違いなくお縄になるでしょう。

結局、期待値20%超の優秀なシステムを所有していても、借金をしてまで運用するようなものではありません。ちょっと深めのドローダウンに見舞われようものなら、その先は借金地獄になることは目に見えています。
運用を開始するためには十分な自己資金が必要であり、それは当然余裕資金でなければなりません。

私のこれまでの経験では、他に収入があり完全な余裕資金でシステムトレードを始める場合の最低資金は100万円、もしもシステムトレードだけで生計を立てるのであれば、最低でも1,000万円程度は必要になります。
すなわち、それに見合うだけの資金がない場合は、資金が溜まるまでシステムトレードの実行を見合わせるべきです。

もちろん、裁量トレードやFX等ならこの限りではありません。超人的な技術や閃きで、短期間で億り人になったという人は少なくありません。
ただ、そのような人たちも、長期に渡って初期の成績を維持できるかというと、必ずしもそうではないようです。

システムトレードを始めるに当たって、この初期資金をどうやって稼ぐかということが、実はシステムトレードの最大の問題かもしれません。
それは、システム開発者であればなおさらです。

そこで考えられる手段の一つが、トレーディングシステムの販売ということです。KFシステムクリエイターの場合は、正確には「トレーディングシステム作成支援ツール」であり、システムを作成し運用するのは、あくまで購入者自身と言うことになります。

銘柄を選択しシステムを作成するのは購入者自身であり、その結果得られるシステムはその人独自のものとなります。
そのため、仮に私が将来的にシステムトレードを再開した場合でも、それまでの購入者が作成・運用するシステムとは全く異なるものとなるでしょう。

すなわち、そこには「儲かるシステムを第三者に販売する」という認識は一切なく、識者の発する疑問が如何に的外れなものであるかが分かるでしょう。
儲かるシステムを作成するのはあくまで購入者であり、そこに私が介在することは、原則的にあり得ないのです。

ココナラに出品している「個別銘柄のトレーディングシステムを作成します」についても、銘柄選択の主体はあくまで購入者自身であり、私は負荷のかかる最適化演算を代行しているに過ぎません。
最適化演算結果を提示し、承認をいただいた上で提供したシステムは、購入者自身の判断で管理・運用すべきものであり、私の意思が入り込む余地はありません。

投資顧問業者であれば、銘柄を推奨したり、有料でシグナル配信を行うことも出来ますが、私は当然違いますので、そのような行為は行えませんし行いません。
ただし、将来的なビジョンとして、投資顧問業者等にシステムを提供するというオプションは、常に考えています。

そのような事情もあり、KFシステムクリエイターを今後も永続的に提供し続けるという確約は出来ません。
ただ、縁あってこのシステムを手にしてくださった方々に対しては、今後も出来るだけのフォローを継続していく所存です。


2020年8月2日 KFシステム研究所 Kフロー


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