『聖書 聖書協会共同訳』に私が見つけて報告した誤植で、聖書協会が公表しているもの一覧

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 2018年の12月に、日本聖書協会は、新しい翻訳の聖書『聖書 聖書協会共同訳』を、刊行しました。その間違い(おもに誤植)を、2022年3月7日現在まで、3回にわたって公開しています。うち、私が指摘したことによって訂正されたものが、以下のように30か所を超えており、おそらく私が日本一(つまり世界一)この聖書に間違いを見つけて報告していると思います。聖書協会の公表しているものに限り、以下に列挙したいと思います。ページ数ではなく、聖書の章節番号に基づいて書きます。

創世記1:15「照(てら)らせ」(ルビのミスです。「ら」が余計。パイロット版にはルビがなかったので、ルビのミスが多いことは予想がつきました。これは1ページ目にあるミスです。)

創世記41:18「肥(は)えた」(ルビのミス。「こ」が正しい)

創世記41:34「五分(ごぶん)の一(ひと)」(ルビのミス。「いち」が正しい。これは聖書協会によれば私が第一報告者ではなかったとのこと。とくに断りのない場合は、私が第一報告者です。)

ヨシュア記6:3「一周(いちしゅう)」(ルビのミス。「いっしゅう」が正しい)

サムエル記上17:50「一振り(いちふり)の剣」(ルビのミス。「ひとふり」が正しい)

サムエル記上23:22「目撃者(もくげきもの)」(ルビのミス。「もくげきしゃ」が正しい)

サムエル記下14:7「おき火(ひ)」(ルビの不統一。別の箇所で「び」になっているのを発見しました。)

列王記下9:22「何(なん)がどうしたのかだ」(ルビのミス。「なに」が正しい)

エステル記8:10「モデルデカイ」→「モルデカイ」(非常に有名な登場人物の名前の間違い。これは私が2019年2月中旬に気がついたもので、おそらくこの本の最も有名になった誤植です。当時、私はSNSみたいなものを一切やっておりませんでしたが、たまたま当時、交流のあった出版社のかたに「きのう、こんなのを見つけましたよ」と言ったら、その人がSNSに上げたらしく、一気に拡散しました。したがって、これを発見したのが実は私であることは、キリスト教界でもほとんど知られていません。私が発見したのですよ!)

詩編33:3「麗(うるわし)しく」(ルビのミス。「し」が余計)

コヘレト9:14「僅(わずか)かな」(ルビのミス。「か」が余計)

アモス書5:8「すばる」→「プレアデス」(従来訳で「すばる」だったものを「プレアデス」にしたようなのですが、ここは「すばる」のままだったという不統一です。)

シラ書46:7「エフンネ」→「エフネ」(カレブという人物の父親の名前の間違い。じつは、この聖書の2つ前の聖書である口語訳聖書で「エフンネ」でした。1987年刊行の『聖書 新共同訳』を見てみると、すでに「エフンネ」と間違えています。つまり、この間違いは、新共同訳の時代から31年間、間違い続けていた箇所であり、その間、だれも指摘しなかったことになります。聖書協会共同訳は間違いも引き継いだことになります。)

シラ書48:18「ラプサケ」→「ラブ・シャケ」(これも上の「エフンネ」と同じく、新共同訳の時代から31年間、だれも気がつかずにスルーされてきた間違いです。聖書協会共同訳は、「31年ぶり、ゼロから翻訳」というキャッチコピーで売り出されましたが、ゼロから翻訳ではない証拠に、こうして前の翻訳からの間違いの引き継ぎがあります。)

シラ書50:3「広(こう)さ」(ルビのミス。「ひろ」が正しい)

エズラ記ラテン語5:48「種蒔(たねまき)かれた」(ルビのミス。「き」が余計)

エズラ記ラテン語6:22「種蒔(たねまき)かれた」(ルビのミス。「き」が余計。2回目)

エズラ記ラテン語7:14「入(い)らなければ」(ルビのミス。「はい」が正しい)

エズラ記ラテン語9:33「種蒔(たねまき)かれた」(ルビのミス。「き」が余計。3回目)

マタイ4:17「悔い改めよ、」→「悔い改めよ。」(句点と読点のミス。同じせりふを3章で洗礼者ヨハネが言うところと、ここでイエスが言うところで不統一がありました。こちらが訂正されました。)

マタイ6:18「あなたの断食が人に見られることなく(中略)見ていただくためである」→「断食を」(これは、日本語として不自然なので問い合わせたところ、ギリシア語の翻訳のミスであることがわかった件です。私はギリシア語は読めませんが、こういうことがあります。)

マタイ14:8「いただきとうこざいます」(「こ」に濁点がない)

ヨハネ20:25「釘の痕」→「釘の跡」(その直後に「釘跡」と書いてあり、漢字の不統一だと思って問い合わせた件です。)

コリント一14:15「歌いましよう」(「よ」が大きい)

ペトロ二2:18「吐いて」(ルビの振り忘れ)

用語解説「モロク神」→「モレク神」(神の固有名詞の間違い)

小見出し イザヤ26:7「正しき者」→「正しき人」(本文ですぐ「正しき人」と書いてあるので、どちらかが誤記であることがわかります。)

哀歌5章「アルファベットによる詩」→削除(哀歌の5章はアルファベットによる詩ではありません。これは私が最初の報告者ではなかったようです。そうだろうと思いました。世の中には「哀歌」が専門の神学者がたくさんいるはずですから、私が指摘する前に誰かが指摘しているだろうと思いました。)

注 歴代誌上8:14「シシャク」→「シャシャク」(固有名詞の間違い。聖書にはシャシャクよりもやや有名なシシャクという人物が出るため、つい間違えたのでしょう。)

とりあえず日本聖書協会が公式に認めていて訂正しているもので、私が指摘したものは、現時点でこれだけあるわけです。じつはまだまだあります。敬語の間違いは複数あり、また、いわゆる「ら抜き言葉」もあり(個人的には気にしなくてもいいのですが、聖書協会はNHKの標準日本語を採用しており、その点では「ら抜き言葉」はまずいはずです)、また「おぼつきません」というのが出てきたりします。「おぼつかない」は形容詞であり「おぼつく」という動詞は辞書に載っていない以上「おぼつきません」という日本語はあり得ないのですが、いまだに聖書協会はこの日本語を直しません。もっとも、どう直してよいかは私にもわからないですが…。

 以上、『聖書 聖書協会共同訳』に載っている間違いで、私が報告したもので、聖書協会が「訂正一覧」で公表している「公式の」間違いについて列挙しました。2刷以降は直っているものが多いと思います。以上です!

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