ごあいさつ。ゆーりママです。

コンテンツ
ライフスタイル
「ママー、聴いてー」
もはや現場でのあいさつ代わりとなったフレーズです。


皆様、いかがお過ごしでしょうか?篠原有利と申します。
僕は演出家をしています。


僕が常に直面しているのは「人間関係」
それは時には舞台上のこと、
ほとんど毎日、その現場であるとか、関わる方々の、その周囲のことなど。
もちろん、最近ではブログなどを通して初めましての方もご相談にいらっしゃいます。


まったくありがたい事です。


いまでこそ「人間関係のプロフェッショナル」として活動するようになり、全国を回っています(オンラインの普及に助けられます)が、以前の僕はどちらかと言うと「コミュニケーションが苦手な方でした。


いえ、今でも苦手なのかもしれません。
子供のころ、父親を知らずに育った僕はとても人見知りで、母が連れてくる男性の誰にも心を開くことなく隅っこで本を読んでいるような子供でした。


昭和の男性ってキャッチボールをすれば意思疎通ができると思い込んでいました。ここでハッキリと言いますが気のせいです。
母を亡くしてからは否応も無く世間に出なくてはなりません。
そんな僕を救ったのが映画でした。


子供のころから映画が好きだった僕は、その中の登場人物を自分の中に憑依させることで、対人関係を乗り切るようになってきました。


人が苦手だったからこそ、人について学ばなくてはならなかった。
その手法が映画から学ぶことでした。
映画は僕に「虚構の上手な人間関係の見せ方」を教えてくれました。
やがて僕は映画、続いて演劇の世界で働くことになりました。


そうした世界は、とても言葉では言い尽くしきれないほどの「るつぼ」
スッキリとはいかない人間関係が渦巻いていました。
それをスッキリと動かさない事には、創り出す世界のクオリティは格段に落ちることになります。僕は「苦手」だからこそ学んだ「人間術」で、人と人の仲を取り持ち「関係」を円滑にさせることを仕事にしていました。


しかし、僕はまだ人の一面しか分かっていませんでした。


順調に仕事をしていくうちに、ついにやってきたチャンス。
映画のプロデュースを任されることになりました。


全力で進めていった企画。現場の空気も良く、全ては円滑に進んでいると思われました。
だが、です。


出演者の裏切り(最初から仕組まれていた)に遭い、企画は頓挫。
僕は責任を取らされ多額の負債を抱えたまま解雇。


30歳前に1500万円の借金はとても重かったです。
その返済の為に昼夜ずっと働きづめ。
人間不信になった僕は、夜のお店に居ても誰とも会話をすることなくただ洗い物をするだけの日々。


だけど、そんな僕に話しかける人がいました。
賑やかに席に疲れ、カウンターで黙って作業をしている僕の所にいらっしゃった女性。
子供を預けて夜の仕事に来られているシングルマザーの方で、息抜きに僕の前に座って身の上話をされるようになりました。
僕は黙って聴き続けます。
それだけです。


でも、その空間が彼女にとって居心地が良かったのでしょう。少しずつ話される数が増えました。ある時は仕事のこと。ある時はお子さんの事。
こんな仕事をしていて、子供は私を恨んでいるのではないのか?
そうおっしゃる彼女。
僕の母もシングルで僕を育ててくれました。
夜遅く、時には朝方に酒臭い息を荒く吐きながら僕が眠る布団に入ってきた母。
でも、その温もりを何よりも愛した僕は、そのことを彼女に伝えました。
「愛は伝わります」と。


それ以後、そのカウンターには彼女に紹介された方などがいらっしゃって、僕に話をしてくださいます。僕は、その言葉のひとつひとつを大切に聴きます。

そのカウンターから、僕の次の人生は始まりました。

続きます。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す