大人になるとなぜ運動をしなくなるか?3つの理由を考えてみた

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「運動しなければと思うけれど、運動していない。」「ジムに入会したけれど、ここしばらく行っていない。」ということはありませんか。健康を維持するためには欠かせないのは若手いますが、どうしても体を動かす意欲が出てこないという方もいるかと思います。

厚生労働省の調査で「1回30分以上の運動を、週2回以上実施しかつ1年以上持続している人」の割合を調査したところ、男性が30%で女性が25%ほどしかいないとされています。(年代によって割合は異なるので注意してください。)

こうしたことから多くの人は運動していないことがわかります。ではなぜ多くの人が運動することの大切さを頭で理解しているはずなのに、体は動かさないのでしょうか

「時間がない」や「忙しい」という声もあるでしょう。確かに朝から夜までハードに働いている人はいます。ですがもう一度今日を振り返ってみてください。
1日すべてを仕事に使っているのですか?運動は1時間ないし30分あれば十分できるのですが、あなたはその30分も1時間も空いていないのですか?

忙しいという事情も確かにあるのですが、実はそれ以外にも理由が隠されているはずです。今回はそうした大人が運動しない理由について考えてみました。

理由1、運動にかかるコストがあがった


大人になってから運動しなくなった理由の1つ目は「運動にかかるコストが上がった」ことです。

運動するためのコストとは「場所」「メンバー」「用具」の3つを表します。例えばバスケットボールをする場合をイメージしましょう。「場所」「メンバー」「用具」はそれぞれ以下のようになります。

・場所:体育館
・メンバー:一緒にプレーする人
・用具:バスケットボールやシューズ

実は大人になるほど、集団競技を行うための「コスト」が高くなってしまい、そのことが運動を遠ざける理由の1つになっています。

学生のときであれば以下の事情のため運動のコストはあまりかかりません。
学生の場合:
・場所:学校にある体育館を使用
・メンバー:学校にいるのですぐに集められる
・用具:シューズなどは自費で購入、ボールは無料
あまり意識することはありませんが、学生であれば場所はすでに用意されており、メンバーも学校の中にいるため、運動するためのコストかなり少ないといえます。

では社会人など大人になったらどうでしょうか?各コストは以下のようになります。
大人の場合:
・場所:体育館の予約が必要(費用が掛かる)
・メンバー:一緒にプレーする人の招集、スケジュール調整(交通費も発生する)
・用具:ボールおよびシューズは自分で用意しなければならない
このように大人になると場所からメンバー、用具まで自ら手配しなければならず。それぞれの場面でお金がかかります。

メンバー、場所、用具の観点で見ると、集団競技は大人になるとかなりコストを要求されることがわかるはずです。
運動するためにいちいち時間やお金を消費するとしたらあなたは継続するでしょうか?たいていは続けたいとは思わなくなるかと思います。

また運動とは継続して行わなければ意味がありません。ですが運動するたびに少なくない出費が続いてしまうと、食費を削らないといけないなど、健康においては本末転倒な結果になってしまう場合があります。

大人になった場合でも20代中ごろなど、若いころはみんなで集まって運動したことがある方もいるかと思います。ですがみんな次第に集まらなくなり運動しなくなったのは、運動におけるコストが高く生活に少なくない負担をかけるのを無意識に感じ取ったのかもしれません。

理由2、個人競技の運動に慣れていない

大人になったらコストの事情で、野球やサッカーなど運動はできなくなります。では低コストで継続できる運動には何があるでしょうか?

低コストかつ大人になってからでもできる運動とは「ランニング」や「筋トレ」、「水泳」などがあります。これらの運動は自分一人で行うものであるため、メンバーを集める必要がなく、場所も自由に選べて、用意する道具も多くありません。

大人になってできる運動の内容を見て、気づいた方もいるでしょう。実は大人になって行う運動というのは「個人競技」が中心になります。(実際あなたの周りで運動している人を調べてみてください、ほとんど個人競技の運動になっているはずです。)

ではすぐにランニングなどの個人競技をすればいいのか、と思いそうですが、簡単ではありません。あなたもスポーツジムに入会したけれど今はほとんど通っていない、という経験をしたことはないでしょうか?

スポーツジムなどで運動しようと思っても気づいたら全く言っていない、問う経験をした人はかなりいます。(実際に入会した人の9割がそうだといわれています。)

なぜ個人競技の運動を継続できる人は限られているのでしょうか?それは「集団競技と個人競技で求められるものは異なっているため、運動する人がそれに対応できない。」という事情があるためです。

集団競技と個人競技で求められることは以下の通りです。
・集団競技:みんなで一緒に頑張る
・個人競技:一人で黙々と頑張る

そしてもう一つ重要なことがあります。それが「ほとんどの人が個人競技に慣れていない」ことです。

若いころに経験した運動はほとんどが集団競技であり、個人競技に必要なことを理解することも、体得することもしていないため、いざやろうとしても継続できないのです。

野球・サッカー・バスケットボールなどの集団競技は「みんなで一緒に頑張る」ことをテーマにしています。実際にスポーツ漫画を見ても「つらい状況をみんなで力を合わせて乗り越える」ことにフォーカスが当たっているかと思います。

一方で個人競技で求められることは「一人で黙々と頑張る」ことです。集団競技とはことなり、運動するのは自分だけであるため、自分を支えるのは自分しかいません。そのため運動が辛くてもしんどくても自分自身で乗り越えることが求められます。

「みんなで一緒に頑張る」と「一人で黙々と頑張る」で大きな違いが発生するのは運動するモチベーションです。

「みんなで一緒に頑張る」とは「あいつが頑張るなら自分も頑張る」という意識があり、個人個人が苦しくてもみんなで力を合わせて乗り越えるようにします。
ここに落とし穴があります。「あいつが頑張るなら自分も頑張る」という意識は裏を返せば「あいつがやっていなければ自分もやらない」となるからです。
自分の身近な人で定期的に運動している人がいない場合、「自分もやらなくていいや」と思ってしまい何もしなくなります。(仮に運動する人がいても”すごいなぁ”と思うだけで何もしないことも少なくありません。)

ランニングなどの個人競技は「一人で黙々と頑張る」競技です。一人で開始から終了まで行うため、”あいつ”などの他人は一切存在しません。

「誰もいないけれど、自分のためだけに体を動かし、自分のためだけに頑張る」という意識が大人の運動では求められます。

理由3、受動的に行っていた運動の経験がマイナスになっている

学生の時に行っていた運動はどちらかというと受動的に行っていることが多く、その経験がマイナスになっているときがあります。

「え、でも学生の時も自分から運動していたよ?」と感じた方も多いでしょう。そこで運動における目標設定と練習メニューの違いを見てみます。

目標設定:
学生:甲子園出場やインターハイ出場など外部で目標が設定される。
大人:大会でいい記録を出す、健康的になるなど、自分で目標を設定する。

練習メニュー:
学生:あらかじめ用意されている。内容や時間が指定されている。
大人:自分で行うべき内容を自分で決める。内容や時間は自由。

という違いがあります。総じてみると以下が大きく違うといってよいでしょう。
学生の運動:受動的に行う
大人の運動:能動的に行う

受動的に行う運動と能動的に行う運動で大きく違うのは「きつい状況に直面した後」についてです。

名門などでハードに練習をしていた方が、部活の引退を機に一切運動をしなくなった、という話を聞いたことがないでしょうか?

ここに受動的な運動と能動的な運動の違いが現れます。
きつい状況に直面したときは例えその局面を乗り越えたとしても、心には少なからずダメージが残ります。

受動的な運動な運動の場合、自分の意志と関係なくきつい状況になるため、心のダメージが長きにわたって残り続けます。

そうしたダメージが回復することなく蓄積され、引退などをトリガーにして一気に噴出、運動そのものへネガティブな印象が形成され、運動をしなくなるようになるのです。

能動的に運動する場合もきつい状況に遭遇するにはするのですが、こちらは「自分の意志で」その状況に挑む点が大きく異なります。

自ら困難に挑むのであれば心へのダメージは少なく、また長きにわたって残ることもまずありません。結果として長期の休みがあってもその後はスムーズに復帰して、再び運動するようになります。

部活などで「仲間と一緒に困難を乗り越えた」は美談として語られますが、その時に受けた影響や、その後のことについて語られることはまずありません。

自分が運動に対するイメージをここで振り返ってみてください。良くないイメージを持っているのでしたら、ここで書いたことが影響している可能性があります。

まとめ

大人が運動しない理由を3つほど紹介してきました。忙しいという理由もありますが、ヨーク事情を見ると、
・運動のコストが上がった
・個人競技に慣れていない
・受動的な運動の経験がマイナスになっている
という理由になるかと思います。

もしもあなたがこれから運動しようとするときは、上記の点を特に意識するようにしてください。運動は体だけでなく頭も使います。適切な知識を身に着けておくと運動の大きな手助けとなります。

もしも知り合いで「運動したいけど、なかなか続かない」ことに悩んでいましたら、ここで書いたことの観点から分析してアドバイスしてみてはいかがでしょうか?


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