日本の会社が誇るチームワークの裏側

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ビジネス・マーケティング
会社とは多くの人がかかわりあいながら仕事をするため、時には全員で同じ目標をクリアすることが使命付けられる「チーム」が形成されます。

チームに関しては「日本人は個人としては目立たないが、チームワークはよいので一丸になると強い」といわれてきました。実際にチームを組むことでよい仕事がおこなえたりするでしょう。

ですが本当に日本の会社のチームワークはよいのでしょうか?今回はチームワークのよさをいつもと少し違う視点で考えてみました。





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会社以外を知らないからチームワークがよい

日本の会社がチームワークで行い、チームの輪を重要視しているのには、「会社以外のことを知らない」という事情が大きいです。

会社以外のことを知らないというのは、労働時間に現れています。基本的に労働時間が長くなるほど、会社と自宅の往復で一日が終わることから会社以外とのつながりが薄くなってしまいます。

では日本人の働く時間は長いのか見てみましょう。OECDによる統計データをみてみると、2016年の年間実労働時間は1,713時間でした。統計対象国では22位であることから数字を見る限りは労働時間が長いとは言えません。

ですが少しデータを変えてみると違う事情が見えてきます。今度は男性の1日当たりの平均労働時間を見ていきましょう。2014年における男性の1日の平均労働時間は7.5時間となっており、対象国の中で5位に位置するなどかなり長時間働かされていることになります。

このようの働いている男性にのみ焦点を当てると、今も長時間労働が続いているといえます。

会社で長時間働いていては、当然ですが会社以外でのつながりは作れません。
会社以外でつながりがあれば「会社でうまくいかなくても大丈夫」という安心感がもてるので、会社のことをいちいち気にする必要はなくなりますが、会社外で繋がりの作れない状況だと、そうはいかないでしょう。

長時間労働によって会社での振る舞いを気にしなければならなくなり、結果としてチームワークを優先しなければならなくなったという事情が見えてきます。

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出る杭にならないのがチームワーク

会社外とのつながりがもてず、会社の中での振る舞いが人生における優先度が高まるとどうなるでしょうか。「出る杭にならない」ようになります。

安定した人間関係を作ることにおいて大切なのは「敵を作らない」ことです。出る杭になるとは敵を作ることにほかなりません。敵を作って戦いをしてばかりでは、たとえ勝ち続けても大きく疲弊し、一度でも負ければ袋たたきになる可能性があります。

そのため会社など狭い中で身を守るためには敵を作らないことがなによりも大です。敵を作らなければ相手からも協力が得られるので、人間関係もうまくいくようになります。

出る杭にならないのはチーム作りにおいても重要です。出る杭ばかりのチームは各自の能力は素晴らしいかもしれませんが、お互いに足を引っ張りあったり、意味もなく張り合ったりと、チームとして任務をこなすときにはマイナスになったりします。

逆に出る杭のないチームであれば、お互いに妥協しやすく、スムーズに事が進むというメリットがあるためチームとしてみるとこちらのほうが最適だったりします。

ただし「出る杭にならない=自分を出さない」ことについては注意が必要です。会社の空気を読み取り、空気が作り出す枠からはみ出さないようにしなければいけないので、偽りの自分を演じる必要があります。

本来の自分と求められる自分に乖離が生じると、人は無意識のうちにストレスがたまります。

チームワークが求められる職場になぜか居心地が悪かったり、違和感を簡易るようでしたときは、本来の自分との乖離が出ているのかもしれません。

チームワークのためにエンゲージメントが犠牲になる

チームワークがよい職場とはメンバー同士の仲が良く、会社への従属感が強いというイメージがあります。メンバー同士の仲は人の相性によって左右されるので一概には言えませんが、会社への従属感、つまりエンゲージメントは本当にあるのでしょうか。

実は会社員が会社に対するエンゲージメントはほとんどなかったりします。
2012年にアメリカのコンサルティング会社が、22か国で会社へのエンゲージメントがどれくらいあるのかを調査しました。

その時に日本は31%というデータを出し、エンゲージメント率はワースト1位でした。ワースト2位の韓国のエンゲージメント率は40%、ワースト3位のフランスが45%だったので、日本の数値は圧倒的だといえます。

「数値の上ではそうかもしれないが、あんまり実感しない」という方も多いでしょう。ですが「転職先を探している人に対して、自分の会社をすすんで紹介する」と尋ねたられたらどう思いますか?

ほとんどの人は「自分の会社は勧められない」と答えるはずです。もしも会社員のエンゲージ率が高ければ、転職者に対して自分の会社を勧められるはずです。ですがほとんどの人は自分の会社に否定的であり、むしろ入るなというでしょう。

こうしたことからもわかるように、日本では会社へのエンゲージというのはほとんどありません。実際に飲み会の席では会社の悪口が鉄板になったりしていますからね。

日本の会社のエンゲージメントが低い理由はいろいろありますが、1つに「チームワークが重要視されている」ことがあります。

チームワークを維持するのに必要なのが出る杭にならないことです。そして出る杭にならないことは、メンバーたちに偽りの自分を演じさせることなので、ストレスが生み出されます。

チームのために自分が犠牲になった結果、会社へのエンゲージメントが低下したといえるでしょう。

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チームワークの犠牲にならないために

チームワークのせいで息苦しい生活を強いられるのでしたらどうすればよいのでしょうか。真っ先に思い浮かべるのが「会社の仕組みを変える」ことです。

チームワークを絶対視せずにある程度個人プレーが認められる組織に変更する、そうすればチームワークから来る重圧が減少して、今の息苦しさはかなり解消されるでしょう。

ですが組織を変更するのは簡単ではありません。役員や部門の長など組織の上に立つ人であれば、自らの権限を使えば何とかなりますが、何の権限を持たない一社員であれば会社を変えるのはかなり困難です。

権力を持ってから帰るというやり方もありますが、時間がかかりますし何より「権力を持つまでは」重圧に苦しめられることになります。

即効性のある方法に限定すると何があるでしょうか。ここでオススメしたいのが「副業」です。

チームワークによって生み出される重圧は「会社にしか居場所がない」ことによって発生します。そのため会社以外に居場所を作ったり稼ぐ方法ができたりすれば、チームワークへの依存度が下がり重圧をかわせるようになります

そうしたときにオススメしたいのが「副業」。ココナラをはじめ現在はいろいろなところで副業サイトが作られており、すぐに副業が始められるようになっています。

もちろん安定して稼ぐにはそれなりの労力を要しますが、会社以外で稼ぐ力が身につくのはかなりありがたいことです。


まとめ

チームワークはメンバーが一丸となって目標に挑む行為になるため、外から見ていると美しいものに見えます。ですが中を少し見ると、出る杭にならないことを要求されたり、外が見えないようになっていたりと不都合なところも少なくありません。

そうしたチームワークの重圧から解放される手段は限られていますが、副業をはじめとして開放される方法は確かに存在していますので、今が息苦しいと思いましたら、思い切って副業などに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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