運命が変わる一瞬を大事にする

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コラム
これまでの経験で、どんな人と一緒に仕事をしたか、というのは意外と覚えています。もちろんいい人そうでない人、合う人そうでない人がいたかもしれません。

ある仕事に就いているときに「営業は心意気」と教えてくれた人がいました。その人はその仕事が天職だと思って仕事をしていたようです。転職してきて例え低い地位からスタートしても、「実力と実績があれば、あとは待つだけだから、余計なことは考えなくていいし、しなくていい」というようなことを言っていました。また、「その一瞬でその電話をかけなかったら、このコールで電話を取らなかったら、大事な顧客の運命が変わる」と真剣に教えてくれました。私はこの教えのおかげで、ためらわず一瞬で判断して決断してアクションするということが頭と身体に染み付きました。もちろんその一瞬のために、常に状況を把握しできる準備をしておくということもです。これができていたのはその職場でその人が1番、私が2番で他の人はできていませんでした。

後にこの会社はいろいろあって、この人もこの会社に付いていくと言っていましたが、見切りを付けたのでしょう。同じ業界で自分の道を進んでいるようですし、このタイプの人は特に想像しなくてもそうしているでしょう。一方、もう一人、別の優秀な人がいました。この人が言ってくれたことは私は特に覚えていません。いろいろあった会社に残って、自分では満足する仕事をしているのかもね、くらいしか思いません。

さて、私はというと、その当時は若く、全く未熟だったので、余計なことを考えない、余計なことをしない、ということができませんでした。その会社は典型的なワンマンでブラック的な職場でしたし、少し成績がよかったからといって出世も昇給もするわけではありませんでした。飛び出したはいいけれど、待っていたのは結構辛い日々でした。それを運良くくぐり抜けて次の足がかりができたのですが、その時代にとても役立ったのは「その一瞬」でアクションすることでした。でも「待つだけ」というのは残念ながらできませんでしたけれど。でもきっと彼がいたら「それでいいんじゃない」と言ってくれたと思います。
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