「成功に必要なのは、「才能」ではなく「運」だった」
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成功に必要なのは、才能か、運か。
2022年のイグノーベル経済学賞を受賞した研究がめちゃめちゃ面白い。
その研究テーマは、ズバリ、
「成功と運と才能の因果関係について」である。
この研究では、「エージェントベーストモデル」というコンピュータを用いたシミュレーションで、成功と運と才能の因果関係について実験を行った。
才能というものには正規分布があり、大体中央値が偏差値50くらいになる。
グラフでいうと山型の曲線を描く。
さて、この実験では、参加者に「幸運なイベント」があると、その人が持つ才能に応じて資産が増える。
また、「不幸なイベント」があると、才能には関係なく資産が半分になる。
こうして、ずっと経過を観察していくと、最終的に最も資産を増やすのは、「幸運なイベント」が最も多かった人であって、才能がある人たちの資産は総じて少なめな値になることが分かった。
結果的に、最も成功した人たちの偏差値は、55~60だった。
この実験で分かったことは、成功に必要なのは「運」ということであって、その際に必要な才能は、平均値より、僅かに優れている程度の才能である、ということだった。
いかがだろうか。
私たちは成功というものにサクセスストーリーや、成功する為の秘訣や、コツなどを求めがちだが、その成功に最も必要なのは運であり、その与えられた運を如何に自分の才能を使って活かせるか、ということだったのである。