【怪談】夜中の公園の木の上で

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コラム
 これは人外の物がよく見える私の血縁、解呪巫女のお話。
 彼女は神社で勧誘されて、祟り神の祭られた神社で呪物の解呪をお手伝いしています。

 彼女の能力は、「視える」と「お手伝い」の二つ。お手伝いとは、彼女の力は誰かの力を増幅させる「媒体」の力で解呪のお手伝いをしてる。

 そんな彼女はたまに「変な物」を見ることがあるんだけれど、これは夜中に公園を通った時に不思議なものを見たお話。
 夜中に彼女は散歩することがあります。

 昼間も夜も見える物は見えるので、夜が怖いということはない様子。
 子供のころから見えているようなのですが、特別変なものを見た時には教えてくれます。

 この時は通りかかった公園で見たものの話をしてくれました。
 この公園はドラマ撮影でよく利用される公園なので、ドラマ好きの方なら目にしたことがあるかも。・・・ないかも。

 そこにはいくつか大きな木があるのですが、その木の一つが彼女は気になったそうです。
 一つだけ遠くから見ると霧がかかったように見える木があります。
 どんどんはっきり見え始める霧の正体。

 それは木に所狭しと並ぶ 生首 の群れだったのです。
 怒っている顔。ニコニコしている顔。ニヤついている顔。泣きそうな顔。無数の濃い中年男性の顔が色々な顔でこちらを見ていたと言う話です。

 霊と言うよりは、妖怪?に近い存在だったようなのですが、夜中に黒い公園で無数の首がこっちをぎょろりと見たら私なら悲鳴を上げる自信があります。

 未だに彼女も
「一番怖かった事件」
と言う生首鈴なり事件。霊と言うより妖怪よりの存在のいたずらだったのかもしれませんが、視覚的に怖すぎますよね。
 この日に一度見たっきり、二度と現れることはなかったそうです。


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