霊 2

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 この件は何度も、以前ブログに書いたが、いろいろブログに妨害を受けた内容だから関心ある人は読んでいたかもしれない。
 学生アパートは安いところはいろいろあった。私がはいったのは月4000円便所洗面台所共有であった。ここに二年半いることになるが、便所は古すぎて、朝早く学校に行って使っていた。台所はモノが置きっぱなしになっていてとても使えなかった。洗面所で水を汲んできて茶を沸かして飲むくらいができる部屋一つで、アパート全体では23室あった。
 だが、野球部のキャプテンや、いろいろつわもの達が入っていて結構活気あるアパートだった。同じクラスの大島君もいたりして暇なときは遊びに行ったり来たりしていた。
 隣は別の学校で女の子が来てドタバタ一晩中セックスしておわるとしばらくして、女性は泣きながら帰っていった。
 私も友人と集まって朝まで飲んだりしていた。
 だんだん気が付いてきたのだが、ここに長く入っていたおばあさんがいたのだが、このおばあさんが、何号室が夜中中騒いでいると告げ口すると、大家が注意に来るという流れだと、ばあさんの隣の部屋の大島君が気が付いた。
 そんなこんなで1年たったころ、野球部のキャプテンが肩を壊して野球をやめてついでにアパートを出て行った。私の後輩も入っていたが、結核にかかってサナトリウムに行ってしまった。そして告げ口ばあさんと大島君は腰を悪くして、大島君は通学もままならず、ばあさんは炊事もままならなくなった。
 こんなことで、1年たったら、私と大島君と私しか残っていなかった。
 おばあさんが入院でどこかに行ってしまったとき、でかいアパートには大島君と私だけだったが、その日の明け方に11人の霊が私の前に並んでいた。それらはすべて病人のように青ざめた、あるいは口から血を流していた。
 彼らがここで怨霊としてさまよっているのは、ここが病院でここで死んだからというだけではない。確かにここで死んだようだが、身内がさっぱり供養しないこと。現世に悔いをのこしていたことだった。
 脳溢血で亡くなった爺さんが3人、婆さんが2人、いずれも中浮をさまよっている。3人は交通・土建作業の事故、1人は結核、1人は農作業の事故、1人は傷害のようだ。
 まず執りつかれたら大変なので結界を張ってとりつかれないようにする。それでも散らなかったので執念深い順に話を聞いてみる。
 脳溢血で亡くなった爺さんばあさんはまあまあの生活だったので、家の前の柿に雪がかかる風景や、早朝のダイヤモンドダスト、深夜のしんしんという降雪の景色など、思い出としては美しい。急激な生命の切断で心が置き去りというべきだろう。障害で死んだ者の怨念が最高峰だが怨みは強いがカルマが深いので力はいまいちだったので怖くはない。ゴルゴ13が業の深い奴らをバッタバッタ始末してもたたられないのはこういう仕組みだ。これを書くと妨害を受けるが書いておこう。怨念というか亡くなった後の霊障が深いのは清く美しく生きてきて、非業の死を遂げてのち、子孫も誰にも悼まれない人々だった。
 彼らがここで住人の精気を吸い取って自分の生前の苦悩を移しだしていたわけで、腰や肩を壊したり結核にしたりという悪さをしていたようだ。私はアパートかえるのが面倒なので、そのまま1年余りそのアパートで自分の部屋をお札だらけにして過ごした。大家もサービスで部屋を広くしてくれて、流しに食器をおきざりにする人もいなくなり、いやすかった。
 ここを出た野球部のキャプテンだった彼は卒業までに肩が治り、結核でサナトリウム入りした後輩も奇跡的に早期回復して留年を免れた。出れば何ともなかったのだろう。
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