ドイツの現代写真を代表する写真家 アンドレアス・グルスキー氏。2013年、日本で初の個展を国立新美術館で開催されました。
とにかく、驚くほど細部にわたりピントがカッチリと合っていて、その場に居合わせたかのような錯覚にとらわれます。
複数の写真を組合せて一つの作品にしたり、時にはイメージしたものを写真に織り込んだり・・・。まさに「絵筆の代わりにカメラを使用する。」まるで画家のような写真家です。
いろいろと見ていくとグルスキー氏が一枚の作品を仕上げていく過程で、並々ならぬ労力を費やされている事が分かります。“写真を撮る”というよりも“写真を創りあげる”でしょうか。
さて、私がそのなかでも気になったのは、
ファッションブランド ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)のショーの様子を捉えた作品「V & R」です。
前列の左から右へ移動していくモデルの女性。手のひらに注目すると、どうでしょう!(笑)
たしかに足元も美しいのですが、やっぱり手相が気になってしまうのです。
7人中、3人の手相が確認できました。どなたも基本三線がしっかりと刻まれていました。特徴的なのは感情線です。
1人目は、感情線が線が人差し指と中指の間に伸びている
家庭的で愛情深く、人によく尽くす方。真面目な方です。でも恋は秘めた恋をしがち?
2人目は、マスカケ
強いエネルギーの持ち主。自分の名で勝負していく人です。目標が決まるとバリバリやっていく方。ある意味、波瀾万丈な生き方をされているのかも知れません。※マスカケは、感情線と知能線が一本になっています。
3人目は、自己顕示線を伴った二重感情線
粘り強い。チームワークでも力を発揮できる人。人の好き嫌いにこだわらず、初対面の人とでもすぐに打ち解けられて、誰とでもうまくやっていける。自己顕示欲線は、タレント線とも呼ばれていますね。本人が意識しなくても、“目立つ行動を無意識にとる人”です。何故か目立ってしまうのです。
私の中ではモデルの女性というと「とにかく強いエネルギーの持ち主」というイメージがあります。
でも実際は、いわゆる“強さ”だけではなく“気配り”や“周囲の方々にも尽くしていく姿勢”が大切であることがわかります。
もしかしたら、グラスキー氏自身がこの作品の中に「理想の女性」を引き寄せていたのかもしれませんね。
もちろん偶然ではあるのですが、たいへん興味深かかった思い出の一コマです。