夢破れる

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音声・音楽
ルーマニア行き、出発前夜に音楽祭のリスケジュールが決定して出発延期に…こんなことってありますか。コロナの影響です。

せっかくなので時系列を整理しておきます。

音楽の旅になるはずだった

もともとはMilano→Budapest→Oradea→Budapest→Wien→Düsseldorfというヨーロッパ周遊14日の旅行だったのですが。

同行する方が音楽家や音楽愛好者と趣味嗜好が合う方々だったので、スカラ座でズービンメータを観たり、Wienオペラ座でダニエルハーディングを観るという夢のようなオプション付きでした。

他にもBudapest→Oradea車での国境越え、BudapestからWien鉄道での国境越え、 Düsseldorf にいる友人を訪ねるなど楽しみなことが盛りだくさんなはずでした。

2/24(月)現役ピアニストの先生がミラノから帰国されて夜皆でラテンダンスの練習をして(Milanoに行ったときに夜踊りに行こうという計画があったのでステップだけでも覚えましょうと練習会をした)美味しいフレンチを食べつつ、この時は全員「ちょっと大変ね」ぐらいの感じだったと思う。危機感はなかった。

もしかしてこれはただごとではない?

状況が変わり出したのは2/24の夜中から。まず第一目的地のMilanoがあるイタリア北部が怪しいらしい、という話だった。たびレジに登録(これは便利!今後も海外渡航するときは登録します)して日々入ってくる滞在予定国の状況を知らせるメールを読んでこれはもしかして予定変更の必要があるかな、という気がしてきた。

同行者も6名だったのがいつのまにか2名になってしまった。私も一緒に行く人も海外になれているとは言えず、語学も不安。大丈夫なのか…という不安と並行しながらピアノの練習は続く。

さらばミラノ案

Milanoに滞在したら目的地であるルーマニアに入国できないことがわかったのでMilano案はなくなり、別ルートを考える必要が出てきた。この地点では他のヨーロッパは特に何も言われていなかったので、出発日を延期してBudapestに向かい、そこから当初の予定ルートで行こうと新たに飛行機を探し始めていた。

大変だったキャンセル作業

同行者が行くのをやめたため、予約していたホテルをキャンセルしないといけなくなった。もともとキャンセル返金なしのプランで予約していたのでおそらく無理だろうが、一応ダメ元でかけてみた。深夜0:30、新規予約にしたら繋がりやすいとtwitterで見たので、新規予約の番号を押したらネット情報通りすぐ繋がった。事情を説明するとそのまま進めてもらえて、3件のホテルのキャンセルを現地ホテルと交渉して全額返金してもらえることになった。夜中、1時間ほどかかったけど数日閉塞的な気持ちで過ごしていた中でかなり良いニュースだった。今後もホテル予約はエクスペディアを使おうと思う。オペレーターの方も大変だろうに、電話を切るときに「コロナで大変だと思いますが、どうか健康にお気をつけてお過ごしください」と優しい言葉をかけていただいた。マニュアルだろうがなんだろうが嬉しかった。

日本人観光客15人を隔離 ハンガリー、感染疑いで

ほんまかいな…Budapestで日本人のツアー客がコロナ疑いで隔離されたとのこと。朝ニュースで見てえーーとなった。旅の目的は音楽祭出演、ルーマニアに入国できなかったら意味がないので危ないところは避けるのが賢明という意見になり、再度別ルートを考えることになった。

日本からのチケットは往路Osaka-Munich- Milano、復路Düsseldorf -Tokyo-Osakaのルフトハンザだった。Milanoには行かない(正確には行けない)ので、往路を変更するか飛行機自体をキャンセル必要が出てきた。問い合わせたところこの状況だが渡航禁止されていないこと、飛行機は予定通り飛ぶということでキャンセル料3万円を支払って搭乗券をキャンセルすることに。このころからヨーロッパ各地でコロナ騒ぎが盛り上がってきたので、 もう他のところには立ち寄らず、音楽祭出演のみに焦点を絞ることになった。

先生のお弟子さんで航空会社にお勤めの方がお仕事の合間にいろいろフライトを調べてくれ、Helsinki経由かLondon経由でルーマニアの首都Bucharestへ行き、Bucharestからルーマニアのフラッグキャリアであるタロム航空で目的地であるOradeaかその近くの Timișoaraか Cluj-Napoca に行くルートがいいだろうとのことだった。こんな忙しい時期に調べて頂いて本当にありがたい。
寝て起きたら14万円から48万円に

いろいろ調べた結果、全て別取りでOsaka-Tokyo、Tokyo-London、London-Bucharest-Cluj-Napocaを予約することになった。この中で1番高額になるだろうTokyo-Londonのチケットを予約することに。連日早起きして仕事、ピアノの練習、夜はコロナ情報収集でくたびれていて、寝る前に確認したら往復で14万円だったので明日朝起きて予約しようと寝て起きたら同じ便が48万円に跳ね上がっていた。安い席が売り切れたようだ。ほんまかいな。

3/9、出発3日前にルート決定

探しまくって同じルートでもう少し安い航空券が見つかったので同じ目に遭ってはいけないと、全ての航空券を予約した。 Osaka-Tokyo はJAL、 Tokyo-London はBritish Airways、 London-Bucharest-Cluj-Napoca はTAROM航空。乗継の関係で東京で1泊、ロンドンで前後2泊しないといけないがしょうがない。もう言ってられない。これでやっと決まった。もうこれで何もないだろう。

まさかのフライトキャンセル

コロナに振り回されていたので仕事も遅れていて、旅行の準備も何一つできていない状況でものすごく焦っていて夜中も仕事をしていたら一通のメールが。タロム航空からだ。英語なのでぱっと見てわからなかったけれどどうやらあまりよくない感じがした。詳しく読んでみると帰りのBucharest-London便がフライトキャンセルになると、というお知らせだった。代替便についてはなにも記載されていない。まさかまだ何かあるなんて…。

タロム航空には「この日のうちにLondonに戻らないと、翌日の日本に向けてのフライトに間に合わないので困る。助けてくれ」みたいな内容のメールを書いてとりあえず対応してくれなかった時のことを考えてBritish AirwaysのBucharest-London便を予約した。キャンセル・変更可能なチケットにしたので片道のみだけど1人600€近く支払った。背に腹は代えられない。

が、予約した直後タロムから「Britishに振替るよ!」と 返信があったのでこの件については一件落着。さああとは出発するのみ。

出発前夜、何度目かの嫌な予感

出発前夜、先生のご自宅に伺ってレッスンを受けていた。休憩でお茶をいただいていたときにたびレジから「ルーマニア、学校休校」が書いてあるメールを発見。先生に伝えると「嫌な予感がする、Milanoの騒ぎも学校の休校が決まってから大きくなった…」と顔を曇らせるので「そんなこと言わないで下さいよー明日出発なのに!まだ用意できていないけど!」と言いながら先生のお宅を後にし、電車に乗って家へ。スーツケースの中がまだ空っぽなので私は明日朝までに用意をしないといけないのだ。もっとちゃんと準備したかった・・・

家に帰る直前に先生から着信。完全に嫌な予感しかないが出ると「演奏会、リスケジュールだって…」と。今まで張りつめていた何かがプチンと切れたようで落ち込むとかそういう気持ちにもならず倒れこむように寝た。

残った作業

寝て起きても何の状況も変わっていない。ただまだ仕事が残されている。そう、諸々のキャンセル手続きが。まずその日の伊丹から羽田のフライトと、東京でのホテルをキャンセル。そして東京ロンドン往復のキャンセル、ロンドンホテルのキャンセル、ロンドン以降のタロム航空のキャンセル。全然やりたくない。が、やらないといけない。伊丹羽田は全額返金、さすがJAL様。東京のホテルは全額とられた。東京ロンドンはブリティッシュだったのでネットでキャンセルするつもりだったのだが、変更締切が何時かわからないので念のため確認で電話。そしたら「ネットではキャンセルできるものとできないものがある、できなかった場合明日のコールセンターが開く前に飛行機が出るので1円も返金できない。キャンセルするなら今、ただしキャンセル料かかります。変更は16日までは何回もできるって書いてるけどお客様のは1回ですね。あと30分でコールセンター閉まるので決断してください」みたいな言葉遣いは丁寧だけど心ない対応で、演奏会のリスケジュール日程も未定なので現実的な選択としてキャンセルすることに。キャンセル料何回支払ったら気が済むんだ…。

残るはタロム航空のキャンセルだ。これもオンラインで…と思ったのだがどうやら電話のみになるらしい。あたりまえだけど日本の窓口はないのでルーマニアに電話することになりそうだ。+40ではじまる番号にかけるなんて思いもしなかった。人生何があるかわからない。電話代が怖いのでskypeで見たら「ルーマニア通話し放題(1カ月無料)」というニッチなプランを見つけたのでそれに申し込んで電話。なかなか繋がらなかったのと、繋がっても(たぶん)ルーマニア語で何か言ってるので一体何番を押したら英語のオペレーターに繋がるのかわからずなんかいろいろ適当に押してたらオペレーターにつながったので挨拶よりも前に「English!」と叫んでキャンセルしたい旨を伝えることに。しかし私の英語が通じない。「I don’t understand you.」と言われ困り果てる。仕方ないので「コロナ!キャンセル!」みたいなことを言ったらLondonからBucharest、 Cluj-Napoca のチケットをキャンセルしたいという旨は伝わったのだけど、具体的にどの予約の、という部分がどうしても通じなかった。私も困る。skypeの向こうのタロムのお姉さんもたぶん困っている。肝心なキャンセルができなかったら意味ないので「メールで伝えたい」というとあっさり「OK」と返事がもらえ、教えてもらった先にメールを書いた。

すぐに返信があり、キャンセルOK、全額返金のお返事。

全部終わった。嬉しかった。が、大変疲れた。

今のところリスケジュールの日程は5月。しかし5月にこの騒ぎが収まっているかなんてわからないのでまだ怖くて飛行機は取っていない。

※オフィシャルサイトに掲載しているブログと同内容になります。日付にはズレがあります。

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