経営戦略の立案は〇〇からはじめよう

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経営戦略は中小企業こそ立案すべき3つの理由

経営戦略は豊富な経営資源を持っている大企業がやるべきことと思っている人は多いと思います。
けれど、実は中小企業こそ経営戦略を立案する必要があったりします。

その理由は3つあります。

1.従業員のモチベーションを高めて結束を固めるため
2.目標に向けて経営資源や活動を全集中させるため
3.銀行の融資や助成金など資金調達に活かすため

「1.従業員のモチベーションを高めて結束を固めるため」は、経営戦略を立案することで従業員の納得を得られて意思統一を図ることができます。そして協力体制を築く方法を示すことができます。
例えば、定期的な社内イベントやチームビルディングプログラムの導入など、従業員同士のコミュニケーションを促進する取り組みを実施することで結束力を高めることができます。

「2.目標に向けて経営資源や活動を全集中させるため」については、経営戦略を立案する際に、明確な目標設定を行うことで企業全体の方向性を示し、従業員のやる気やモチベーションを向上させる方法を提案します。
例えば、それぞれの活動がどのように目標達成に貢献しているか、KPI(Key Performance Indicator)の導入による進捗管理など、目標を明確にする手法を提案します。

そして「3.銀行の融資や助成金など資金調達に活かすため」については、経営戦略を立案することで、融資者の納得が得られやすくなり資金調達につながります。
これについてはベンチャー企業も同様で出資や融資などを受ける際に、事業の目的と成長目標、アクションを明示することでリターンや返済の可能性を評価してもらいます。中小企業の経営者が時間や専門知識に制約がある場合でも、短期間で効果的な経営戦略を立案する方法を提案します。例えば、経営コンサルタントの利用やツールやテンプレートの活用により、戦略の策定を効率的に行うことができます。


経営戦略立案の一丁目一番地


中小企業にとって、お客様や関係性が変わらなければ、特に変化のない日々を送ることが多いと思うので、経営戦略なんて必要ないと思うと思います。
けれど、会社がこの先も生き残っていくことを望むのなら将来像を描いていくことが大事です。

僕が新卒が入った会社は元々は大企業だったようですが、外部環境の変化や市場競争の荒波に呑まれて事業規模は小さくなりました。
当時、社長は「会社を大きくさせる!」と言い続けていました。役員もそれに倣って毎年「今年は大きく稼いで、みんなにボーナスを支給する」と言っていました。
それは毎年同じことを言っていましたが、毎年叶いませんでした。

何故なのか?

それは、会社に戦略が無かったからだと思います。

当時の役員は「経営戦略は大企業がつくるもの」と言っていました。冒頭のことは僕が経験してきたことなのです。

経営戦略はどの領域へ注力するために、どのような資源をどれくらい使うかということに目が行きがちですが、経営戦略の立案において最も重要なものは
経営理念を具体化することだと思います。


つまり、経営戦略の一丁目一番地こそ「経営理念」なのです。

経営理念を起点にして、ミッション、ビジョンがあります。

スタートアップ企業のバイブルとなっている
田所雅之氏の著 「起業大全」
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にもスタートアップにとっても最も重要なものとして
MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)
という言葉で説明しています

経営理念は事業が活動するための源になります。それは創業者や社長の哲学があらわされています。
創業者が事業を始めたばかりの頃は、たぶん生きるために必死で働いていたのだと思います。そして不安定な状態を脱して毎月安定した売上が出来るようになって、少しずつ人を雇うようになったときに思うのでしょう。
(彼らに自分の代わりに仕事をしてもらうためには考え方や姿勢も理解してもらわなければ、同じクオリティを期待できない・・・)

経営理念が創業して数年経ってから作っている会社が多いのはそういうことがあるからだと思います。

しかし、それは頻繁に変えて良いものではなく、時代の潮流において言い回しを見直すことがあります。

ミッションは「経営使命」と訳されますが、要するに会社が事業を通して社会に果たすべき使命(役割)です。「経営目的」という言葉はミッションと同じ意味ととらえて良いです。ミッションも基本的に経営理念が変わらない限り変更されることはないと思います。
そしてビジョンはミッションを事業活動を通して実現する「ありたい姿」になります。これは一定の期間で見直されます。一番わかりやすいのは中期経営計画(中計)の策定においてビジョンが変更されることです。

そしてバリューはビジョン達成するための手段(具体的なサービス価値)になります。

余談ですが、経営方針は事業活動をする際の方針で、どのように活動をしていくかを表します。


MVVの3つのメリット

MVVは経営戦略立案には欠かしませんが、ここでメリットについて説明します。
① 従業員の採用につなげられる
② 従業員の結束力を高めることができる
③ 従業員の意思決定に役立つ

最近の20代の人材はバブル世代と比べて稼ぐことや会社のブランド力よりも、会社の社会的な存在意義に共鳴できるか、そして自分の存在価値を見出せるかどうかを大切にしている人が多いようです。
なので、「社員の年収1億円目指す会社にします!」や「独立したい人どんと来い!」のようなものではなく、中小企業でも社会的責任が明確であれば、そこに価値観を見出した人材が集まり、入社後のギャップも軽減できる可能性が高まります。

そしてMVVが明確であれば、従業員が統一したアイデアンティティを持つことができ、会議や打合わせの意思決定を要する場で社長がいなくてもMVVに照らし合わせて意思決定を行ってくれます。

以前、僕が勤めていた会社は社員証と合わせてMVVや行動規範を首にぶら下げていました。そしてことあるごとにMVVや行動規範を照らし合わせながら、「その行為はMVVから外れてるんじゃないか?」などと議論していました。
もとより、MVVが浸透していれば、社長の不安は減ると思いますw

経営戦略の立案はMVVの確認から始めようということで、経営戦略の立案をする際には経営理念を起点にMVVの確認から入ると良いです。
そのうえで現状把握をし、前期までの業績とギャップがあるか到達可能かなどを確認していき、MVVを見直していきます。

MVVが経営理念から一貫しているか、矛盾はないか、ビジョンは到達可能かまたは現状とのギャップを埋めるにはどのような課題があるのかなどをみていきます。

その際のポイントとして、経営戦略の立案においてMVVの部分は社長ご自身で実行していくことが大事になります。

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